日本橋兜町の新名所「K5」。渋沢栄一が生んだ近代銀行発祥の地に新しいホテル＋店が誕生！

日本橋駅から永代通りを歩いて5分、少し入った通りにある東京証券取引所の前に重厚な風格を放つ建物が、2020年２月に街を活性化する複合施設（マイクロ・コンプレックス）K５として開業。NYから海外初旗艦店のブルワリーはじめレストラン、コーヒーショップ、バー、ホテルが集結。築97年の歴史とこれらの新しい施設のクロスオーバーが今までにない魅力を放っています。

日本橋兜町は、渋沢栄一翁が日本で初めての近代銀行である第一国立銀行（その後の第一勧業銀行、現在のみずほ銀行に繋がる）を開業した銀行発祥の地。日本橋駅にも東京駅にも近い兜町にかつての活気を呼び戻すべく歴史ある建物を魅力的な複合施設にする小規模開発で街を変えていこうというが、このK５なのです。

建物の１階には「HOTEL K5」（２階から４階を占める20室）のフロントと、目黒の人気レストラン「kabi」が開いた新しいレストラン「CAVEMAN」。さらにアジアのお茶をベースとするカクテルを提供するバー「青淵Ao」、目黒と代々木八幡に店舗を構えるコーヒーショップ「SWITCH COFFEE」の3店目となるショップも出店。

まず、ストックホルムを拠点とする建築家グループ「CLAESSON KOIVISTO RUNE」がデザインする「HOTEL K5」。ここはNYのSOHO？という飛び切りのお洒落さです。築97年の建物のコンクリート躯体をそのまま活かし独特の風合いを醸す素材感を大切にした床、高い天井、そこに和と北欧の感性が生きたミニマルな家具と各種グリーン。空間を構成するグリーンは、育っていくインテリアと捉えているのだそう。

そしてどの部屋にも、レコードプレイヤーとレコード、さらに夏目漱石や谷崎潤一郎など厳選された本がさり気なく置かれています。日常とは異質な空間で、いつもは聞かない音、読まないような文章に触れると、いつもと違う感性が開きそう。

22㎡から80㎡まで、客室は全部で4タイプ。４階のロフトフロアにあるスイートは、キッチンにロングテーブル、独立したバスタブなどスタイリッシュなデザイン・インテリア。4.5m以上ある天井高の部屋でターンテーブルにレコードを載せれば、コンクリートの壁の残響で、まるでコンサートホールを独り占めしているよう。ここで２人で過ごす時間は最高かも。

１階のレストラン「CAVEMAN」では、日本、フランス、デンマークなど多様な食文化を昇華した「kabi」のシェフとソムリエのオーナー・コンビの感性が創り上げる料理とビオワインのペアリングが斬新。日々シェフが考えるクリエイティブな料理が出て来る約11品のコースにはワクワクします。HOTEL K5の朝食もここで、SWITCH COFFEE のシングルオリジンのコーヒーと共に、ぜひ味わって。

１階の一見、壁がバー「青淵（Ao）」への入り口。ドアを開けると真紅の空間に驚かされるライブラリーバー。お茶をベースに複数のスピリットを使ったカクテルは、和と洋のテイストが互いを活かし合い、洗練された味に仕上がっています。

ここで壁の書棚に置いてある渋い選書を読むと出来る大人になった気分。宿泊者は本を借りて部屋で読むこともできるそう。

最後に地下１階には、NYのブルックリン・ブルワリーの世界初となるフラッグシップのビアホール。地下に降りて行く階段の壁画は、NYのヒップな世界に繋がっているような雰囲気。ブルックリン・ブルワリーの看板で、コクも切れもある爽やかな「ブルックリン・ラガー」はじめ、タップと瓶で20種類ほどのビールとカジュアルなメキシカンが楽しめます。

あの近代日本経済の父と言われる渋沢栄一翁が建てた第一国立銀行の別館が生まれ変わったK5。ホテルも店も思い切り洒落ていて斬新。歴史の中から未来を見ているような五感に刺激を受けるスポットです。