• TOP
  • PEOPLE
  • ハンター系美人作業療法士「欲求を満たすだけの関係を悪いとも思っていません」

2021.01.05

【第31回】

ハンター系美人作業療法士「欲求を満たすだけの関係を悪いとも思っていません」

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか?「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CATEGORIES :
CREDIT :

取材/林伸次 構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第31回目のゲストは、作業療法士の美嘉さん(32歳)です。

昔は、男性に対してあんまりアツくなれませんでした

── こんにちは、林です。あ、なんかカッコいい人ですね。

「ありがとうございます」

──ここではゲストを芸能人の名前を借りてお呼びすることにしているんですけど、中島美嘉さんって感じがしますね(笑)。

「あ〜、昔、言われたことはあります」

── やっぱり! では今日は美嘉さんと呼ばせてもらいますね。よろしくお願いします。

「こちらこそよろしくお願いします」

── 美嘉さんが自分のことを美人だって自覚したのは何歳くらいの時でしたか。

「え〜っと、美人の自覚はしていないんですけど、モテるとは思います(笑)」

── やっぱり〜。いつ頃からモテ始めました?

「専門学校に入ってから、20歳そこそこでしたけどひとりで酒場に行くようになったんです。それくらいからかなあ」

── えっ!? ひとりで飲みに行くんですか。お友達とワイワイする方が楽しい年頃だと思うんですけど。

「私は人とつるむのがあまり好きじゃなかったというか……。中高生の頃からあまり人と深く関わらない、冷めた感じの子でしたからね。今は違いますけど」

── じゃあ女の子同士でトイレに行くとかもなく?

「あ〜行かない、行かない。自分のタイミングで行けよと思う(笑)」

── クール(笑)! 男子とは仲良くできました? 付き合ってる人がいたとか。

「中学2年の時に初めて彼氏ができて、初体験もその人でしたけど」

── え〜!また随分と早熟な(笑)。長く付き合いました?

「いえ全然。付き合うってなんだ?みたいな感じですぐ別れて。高校でも彼氏はいらなかった。楽しく話して、時間が埋まればいいかなって。セックスはしますけど(笑)」

── わぉ(笑)。あの、もしかして、男性のことあまり好きにならないタイプですか。「あ〜あの人今どうしてるかな、会いたいな、凄く好きだな」ってならない?

「今でこそ変わりましたけど、若かりし頃はそうでしたね。付き合わず、ただやって終わり」

── ククっ(笑)。ちょっと男性っぽいのかな。そんな感じだと学校の中で浮いちゃうとか、女子にいじめられるとか、そういうのは大丈夫だったんですか?

「たぶん学校カーストの上のほうにいたので、そうはならない(笑)」

── あ〜なるほど! そうか、中途半端な位置じゃなければ大丈夫なんだ。良かった〜。でもじゃあ男子に媚び売ってる女の子をいじめたりは……。

「いじめとかくだらないことをするのは好きじゃないですね。それと多分、私、同世代からは怖がられてたんですよね。何考えてるかわからないって」

── アハハ、確かに怖がられそう(笑)。

「うふふ、ね。学校にも来たり来なかったりって子でしたから」
PAGE 2

高校2年生の転機。勉強漬けの日々

── そうか〜、その後どんな専門学校に行ったんですか。

「医療の専門学校です。私、リハビリの仕事をしていて。作業療法士っていうんですけど」

── あ、リハビリをしてくれる人のことを作業療法士っていうんですか。

「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士って3種類あるんですが、それの中のひとつですね」

── 高校3年生の時にその仕事をしようって考えてたんですか? というか、ごめんなさい、なんか意外だ(笑)。何か理由がありました?

「ですよね(笑)。高2の頃に祖父を自宅介護していて、亡くなるのを看取ったのは私だったんです。その時に喋れない状態だった祖父が、私に謝ってきてね。なんかたぶん、こうなる前にできることがあったんだろうなと思って。それで自分で調べて、リハビリの仕事を知って」

── あ〜、良いお子さんだったんだ。

「学校も全然行ってなかったんだけど、先生に『医療系の専門学校に行きたい』って言ったら学校中がびっくり仰天しちゃって(笑)」

── そうなりそうですよねえ。

「うちの学校は本当に悪いヤツばかりのところで、そこから医療系に行く人なんていなかったから、先生たちもどうしたもんかと。そこから、朝7時からもう部活みたいに先生たちといろんな教科をず~っと勉強して、推薦枠を取って、専門学校に進んだんですよ」

── わ〜、頑張るなあ。

「学校説明会の時にたまたまその専門学校の事務長さんが来てくれて、先生たちからのバックアップもあり、気に入ってはいただいていたんです。でも試験はボロボロだったみたいで、最後は事務長さんが推してくれて受かったらしいです(笑)」

── 凄くいい話だな〜。やっぱりいい大人っているもんですね。

「みんなに助けられて生きています(笑)」

── そうか〜、でもやっぱり医療系ってペーパーテスト大変なんですね。

「めちゃくちゃ難しかったです。国家試験の合格率もとても低いので」

── あ、国家試験もあるんですか。資格がないと仕事ができないんですね?

「もちろんです。まず卒業しないとそもそも受験資格がないです」

── 試験ってどういう内容なんですか。

「生物学、解剖学、生理学、運動学、臨床心理学とかもういろんなことを一通り(笑)」

── それを全部詰め込んで。もしかして途中で勉強が楽しくなりました?

「そうですね、勉強の仕方もわからないけど、やってるうちに人間の体は面白いってことに気づいて、とにかく一生懸命勉強しました。最終的には推してくれた事務長さんに報いるためにも、頑張って主席で卒業しました」

── おおおおお〜!!やっぱり地頭がいいんだ。医療に向いてたんですね。

「そうかもしれないですね」

── 医療に出会えてよかった。しかし主席って凄いな〜、ちゃんと学校にも行って。よく途中で投げ出さなかったですね。

「でも、嫌に思ったこともありましたよ。知人の大学生とかはのらりくらりしてるのに、私はめっちゃ勉強してましたから」
PAGE 3

飲んでる時に雰囲気が変わってきたら「どうする?行く?」って私から言います(笑)

── そんなに大変な生活の中でも恋愛はしましたか?

「恋愛ではなく、これまでの延長線上の感じですね。学校の先輩とか、実習先とか」

── それは、向こうが声をかけてくるわけですよね。

「そうですね。それで一緒に飲んでる時とか、ほら、なんかちょっとだけ雰囲気とか空気が変わったなってわかりません?」

── あ〜男性が“そのつもりなんだろうな”って空気、わかりますよ(笑)。

「そう、その時に『どうする?行く?』って聞きます」

── ワハハ! ちょっと待ってください、行く?って要するにラブホテルなりどちらかの家に、っていうわけですよね? 美嘉さんが言うんですか。

「はい(笑)。向こうがしたそうな雰囲気出したらこちらから行きます」

── それってどうしてなんですか。

「ん〜先手を打つのは、マウントを取る意味合いも含まれるのかも(笑)」

── 負けず嫌いですか(笑)。でも相手に「好きだから付き合ってほしい」って言われることもありますよね。

「あ、あります、あります」

── そういう時はどうするんですか。

「そうなったら連絡先を消す(笑)」

── え〜そこまで!

「たぶん恋愛感情とか私に対する高揚感とかを、男性に求めてないんですね。理想も抱いていないし。だって、いい彼氏、旦那さんって言われてる人が陰でこっそり私を誘ってきたりしますから」

── そういう男性の悪いところを見ちゃってきたんですね……。

「私、男女が求め合ってるのは、結局欲求を満たすためのセックスだと思っています。それならば解消される側になるよりは解消する側でいたい。そして欲求を満たすだけの関係を悪くも思っていません」

── なるほど〜、そうか〜。いろんな考え方がありますね。
PAGE 4

心を開いてくれるまで、ただ会いに行くだけ、ということもあります

── 専門学校を卒業してからはどんなところで働いてたんですか。

「神経系の治療をしたかったので、大学病院に勤めていました」

── 神経系というと?

「端的に言うと、病気や事故で脳や脊髄が病変したり損傷したりして、身体を動かせなくなった人などのためにするリハビリ、が多いでしょうか」

── 凄く大変そうなお仕事ですね。身体に動かない部分があると人ってわがままになりませんか。そういう人と接する仕事は、ストレスが溜まりそうだなって思うんですけど。

「それは本当にないですね。もうまったく動かなかった手が握れただけで、患者さんと一緒になって『わっ、動いたよね!今動いたよね』って、うれしくて」

── あ〜達成感があるんですね。やっぱり感謝されるんだ。

「そうですね、一生懸命やったぶん」

── そうか〜、でもきっと仕事で活躍されてた人なんかが、病気でその仕事を離れて身体が動かなくなっちゃったりしたら、きっと落ち込んでますよね。

「はい、私の患者さんでも有名な企業の役職だった人や社長さんなどもいます」

── これまで頑張ってきた自負の人がそういう状況になって、嫌になって投げ出すことはないんですか。

「プライドがあるからうまく誘導しないと難しいですね。投げ出すこともありますよ」

── そうなったら、頑張ろう!ってところから始めるんですか。

「頑張ろうというか、そうなったら、まあ別にいいかってことにして、毎日会いに行くだけ。それでやっとこさ心を開いてくれるみたいな」

── それじゃ身体のリハビリだけでなく、心理的なことも込みなんですね。

「そういう部分もあります。10代の子がバイク事故で脊髄損傷になって、もうこの先歩くことができない、というケースもありますから」

── そうか……そういう人もいますよね。

「そのリハビリをどうやっていくかとかね。心を閉ざしていますから、私のことを見てくれるという状態までに2カ月くらいかかるんです。それまではやっぱりただ会いに行くだけ」

── わ〜、辛い。すみません、そこで恋愛って生まれるんですか。だってそうして親身にしてくれると好きになりますよね。

「ありましたね。まあ、私達の仕事は接近戦なので。ただの骨折で来た18歳くらいの子とかは下心で一杯だからよくあるし(笑)。あ、私に対する下心じゃないけど、思い出に残っている人がいます。その人は完全な麻痺じゃなくて下半身が動きにくい状態だったんですが」

── どんな思い出ですか。

「その患者さんを担当してされた相談が『正常位でやりたい』でした。彼女とセックスする時に、体力がもたないから基本的に騎乗位だってことで」

── あ〜そうか、でも目標としては良さそう。

「なので『わかった!』って言って、めっちゃ四つん這いの練習して(笑)」

── ワハハ!

「めっちゃやりましたよ。『3分じゃまだダメ、それじゃウルトラマンだよ!』って(笑)」

── やっぱりみんなセックスのためなら本当に頑張るんですね〜。

「はい、みんな頑張ってる!」

── しかしいろんな人がいるな〜。
PAGE 5

病院にはマンガみたいな修羅場もあるんですよ

「静かな修羅場に遭遇したこともありますよ。大量の脳出血になって、意識が戻らず人工呼吸器をつけた、大変お金持ちの患者さんだったんですけど、和服を着た奥様が毎日見舞いに来ていたんです。娘さんもよく来ていて」

── ハイハイ。

「それが娘じゃなかったんですね。実は愛人で」

── わあ〜怖い。

「そしたらある時、鉢合わせしちゃって、『いつもお世話になってます〜』って愛人が言ったんですよ」

── はい、ゴングが鳴りました。

「“おいおい喧嘩をふっかけるんじゃないよ”と思いながら私はね、足の関節を動かしたりしているわけですよ」

── ワハハ!

「まあ派手な服装の愛人だったんですけど、奥さんが『やっぱり若い方はそうやって肌を見せていていいわよね。でも冷えるんじゃない?(笑)』って言い出して。そしたら愛人が『い〜え〜。でもさすが、年齢を重ねるとお着物がお似合いで。まあ肌も出せなくなるんでしょうけど』ってやり合ってて」

── その場に居合わせたら、僕もどうしたらいいかわからない。

「もういたたまれない気持ちでリハビリしながら、患者に『お前最低だぞ、私を巻き込むな』って思ってました」

── 本当にそういうことあるんですね。お葬式に来るのは聞いたことあるんですけど、病院にも来るんですね。

「そう、あるんですよ。この仕事をしていると本当にいろんな患者さん、いろんなご家族に会います。その中でマンガみたいなお金持ちにあったこともあります」

── どんな人ですか。

「詳しい仕事は言えませんが、門から玄関までクルマで行くような家に住んでいて、その方が脊髄の病気で入院している時に私が担当したんですけど、奥様が毎日運転手付きのロールスロイスでお見舞いに来られて」

── 本当にマンガみたい(笑)。

「その方が退院する時に、奥様が『先生お世話になりました』って分厚い札束を私の制服のポケットに入れてきたんです」

── えええええ! そういうお金ってもらっちゃうんですか。

「いや、もらっちゃダメ(笑)。でも正直、5千円や1万円だったらスッと入れちゃいますけど、それは額が(笑)。帯がついてるくらいの札束だったので。でも私が返しても知らない間に入れてるから、どうしようと思って、理事長に言って病院に寄付してもらいました」

── え〜〜もったいない!でもやっぱり患者さんにも気に入られるんですね。

「そういうことは多いですね。その方には息子さんがいたんですが、うちの息子、どうですかってお見合い写真みたいなのを持ってこられて」

── それどうしました!?

「お金持ち!って思ってちょっと心が揺れましたけどね、お断りしました」
PAGE 6

『モダンラブ』を観て、“たぶんあいつだな”って思って連絡したんです

── またそれももったいない(笑)。美嘉さんは今まで男性のことを好きになったことはないんですか。

「かつてひとりだけいました。心地の良い人でした。なんで別れたかは自分たちでもわからないんですけどね。今でも年1回くらいは会う機会があるんですけど」

── そこで再燃したりは。

「ないですね。もう彼が結婚してるから」

── なんで彼と結婚しなかったんだろうって思いはあったりしませんか。

「少し思います。『モダンラブ』という海外ドラマを配信で観ていて、それに「あなたの人生で最大に愛した人は誰でしょう」という問いがあったんです。その時に、“多分あいつだな”って思って、連絡したんですよ。モダンラブ観た?って」

── うんうん。

「そしたら、観たって。俺も同じこと思ったって言ってました」

── え〜すごい切ない〜。それは本人たちも切ない思いなんですよね?

「ん〜切ないのかな〜。心がくすぐったくなる、いい思い出かも」

── そうですか〜、聞いてると十分切ないですけど。でももう彼とはもう戻ることはないですか。

「多分一緒になってたら、こんな綺麗な形で思えなかったんでしょうね」

── あ〜そうか、ちょうどいい綺麗な感じで終わったからこそ、いつまでもあの人だったのかもしれないって思うんですね。

「うん、そう思いますね」

── あ〜いい話ばかりだった〜。今日はありがとうございました!

【林さんから〆のひと言】

本当に「強い」、強いの一言ですよね。セックスの時も自分が男性より上であることを求めるし、自分がやりたい仕事を若いうちに見つけてそこに向かって努力する、本当に素敵な人生。でも、天職のような職業に出会って、自分だけの道を歩き出しても、恋愛のところでは、こんなロマンティックな恋をするんですね。やっぱり切ない恋って良いものですね。

■ BAR BOSSA(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/☎ 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。初の小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)も話題。

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

LEON.JPの最新ニュースをお届けします。

RECOMMEND FOR YOUおすすめの記事

    RELATED ARTICLES関連記事

    SERIES:連載

    READ MORE

    買えるLEON

      SPECIAL

        ハンター系美人作業療法士「欲求を満たすだけの関係を悪いとも思っていません」 | 著名人 | LEON レオン オフィシャルWebサイト