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2026.08.29

フットボールアワー、ギスギスと仲良く27年。「それでもふたりで劇場は続けます!」

1999年のコンビ結成以来、M-1を始め数々の賞を総なめにし、以降四半世紀にわたって第一線で活躍を続けるお笑い界の巨人、フットボールアワー。昨年、15年ぶり開催した単独ライブを今年も開催。果たしてふたりの関係に何か動きがあったのか? 話を伺いました。

BY :

文/木村千鶴
CREDIT :

写真/トヨダリョウ 編集/森本 泉(Web LEON)

フットボールアワー 後藤輝基 岩尾望 M-1   LEON

1999年のコンビ結成以来、 M-1を始め数々の賞を総なめにし、以降四半世紀にわたって第一線で活躍を続けるお笑い界の巨人、フットボールアワーの後藤輝基さんと岩尾 望さん。15年のブランクを経て昨年復活させた単独ライブが、今年も東京、大阪で開催されました。「芸人は売れると漫才をしなくなる」、昔はそんなイメージがありましたが、今は芸人の世界も様子が違い、フットボールアワーも実はよしもとの劇場で舞台に立ち続けています。おふたりに、ネタ作りの裏側から趣味に関する話まで、たっぷりと伺いました。

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単独ライブという形をしていなかっただけで、舞台にはずっと立っていた

── 先日東京、大阪公演を終えられたとのことですが、今年の単独ライブはいかがでしたか。


後藤輝基さん(以下、後藤) 15年空いて、昨年からまたやりだしたんですけど、まだ楽しくやってます。昨年は90分くらいを目安にしていたのが、2時間半になっちゃって(笑)。感覚を忘れているんでしょうね、15年空いてるから。今回は1時間半くらいにまとめました。


岩尾 望さん(以下、岩尾) ちょうど収まりました(笑)。ネタも本数を1本ぐらい少なくしたのかな。最初からあまり長くならないように考えてやったので、ある程度収まったという感じで。

── 今回はすべて新作だったとか。ネタはどのように作っていくんですか。


後藤 僕と岩尾と作家と3人で集まって、ゼロからああでもないこうでもないってやってます。コンビによっては、一方が考えてきたものを相方が覚えるというパターンが多いと思うんですけど、うちは「それないな、それええんちゃう?」ってゼロから一緒に組み立てていくんで、時間はかかりますね。


── これだけの期間単独ライブから離れていたのはなぜだったのでしょうか。また再開したきっかけは?


後藤 芸人って、世代的には養成所に入ってオーディション受けて、劇場のレギュラーになって、テレビのレギュラーが持てるようになって、とステップアップしていく中で、特に東京のテレビに出るようになっていくと、どうしてもテレビに集中する時期はあるでしょうね。ただ吉本は寄席がありますから、僕らは寄席に出なくなった時期はないんです。

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フットボールアワー 後藤輝基 岩尾望 M-1   LEON

── すると、ネタ作りから離れていたわけではないんですね?


岩尾 はい。単独ライブという形を十何年やってなかっただけで、舞台には月に2日くらいのペースでずっと立っていましたから。「単独はやらないの?」ってよく聞かれていたんですけど、普段の劇場でちゃんといい漫才をやってるので、それを観に来てくれたらええやん、とはどこかでか思っていて。ただやっぱり「観たい」と言っていただけるんで、それじゃあ、というところですかね。

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劇場には今後も立ち続けると思います

── 単独ライブは長時間、おふたりで持たせなければならない。体力的にも大変そうです。


後藤 他の仕事をしながら合間に打ち合わせを挟むことも多いので大変ではあるんですけど、作っている期間はお笑いで頭が回ってるから、収録なんかでも頭が回った状態でいられる。ぼ~っとしてるよりはええ効果はあると思います。

── 長らくお笑いを続けていると、時代によって感性にも変化があり、ウケるものも変わってくると思いますが、自分の中に感じる変化はありますか。


後藤 言葉遣いとか使えるワードの範囲は、昔よりテレビはすごく厳しくなっているのを実感しています。ただテレビでは観られないものがライブでは観られる。だからこそよりライブの価値が出てくるんじゃないかなぁと思います。


昔はネタの構成とかそういうことだけしか考えていなかったですけど、近頃はやっている時にアドレナリンが出るような、思わず吹いて笑ってしまうような“感じ”を重視するようになってきました。自分の心が動くようにできたらなあ、とは常に思ってますね。

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フットボールアワー 後藤輝基 岩尾望 M-1   LEON

岩尾 自分らも歳をとっていくので、ひとつのワードや感覚が今の時代に合っているのかどうか、自分たちだけでは正直分からないんです。なので打ち合わせに入ってくれる20代半ばの作家さんに「この言葉の意味わかる?」って確認しながらやっています。


自分たちが面白いと思ってんのはほんまはこっちのワードだけど、あまりに伝わらないなら他の言葉を探す。自分らを曲げてまでってわけじゃないんですけど、一番いいところ見つけてやっている感じです。


── この単独ライブはこれからも続けられますか?


後藤 わかんないですね(笑)。でも劇場には立ち続けると思うんです。今は手元でなんでも見れる時代になりましたから、逆に「生で観たい」って人も増えていると思います。お笑いだけじゃなく音楽然り、その他何でも。自分自身、観る側としても最近よくライブなんかに行っているんですけど、やっぱり観ると自分もちゃんと頑張らなと思いますね。

岩尾 そうですね、単独については特に決めてるわけじゃないですけど、劇場は続けると思います。僕もバンドやアイドルとかも好きなんで、結構ライブには足を運んでいます。ロックバンドのライブとか観ると、同じ板の上に立つ仕事ですけど、帰り際に「こんなに人の心を動かしてすごいな」とか「自分たちはどうなんだ」とか、思いながら帰ることがあります。ジャンルも届け方の違いもありますが、同じように人の心を動かせたらな、とは思います。

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フットボールアワー 後藤輝基 岩尾望 M-1   LEON

安かろうが高かろうが自分が好きだと思ったものが一番いい

── プライベートのお話も伺いたいのですが、後藤さんはギターがとてもお好きだと。


後藤 中学高校ぐらいからずっと好きですね。他のことは途中でやめてしまうことも多いですけど、ギターだけは続いています。


── 今何本くらいギターを所有しているんですか。


後藤 十何本かあるんじゃないですか?


── あの、ギターってそんなに本数が必要なものなのですか(笑)?


後藤 これね、女性のアクセサリーにも同じことが言えると思うんですけど(笑)。

── ああ、そうですよね、はい(苦笑)。


後藤 ギターは道具なんですけど、やっぱりそこにもアクセサリー的要素は絶対あると思うんですよ。むちゃくちゃ高いギターでどれだけ弾きやすくても、見た目の好きな方が良かったりするんですよね。すると目移りしてどんどん買っちゃうし、集まってくる。僕、気に入った服を色違いを買うんです。で、同じように色違いのギターが何本かあります(笑)。

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フットボールアワー 後藤輝基 岩尾望 M-1   LEON

── ギターの世界って、モデルや年代の蘊蓄を知らないと入ってはいけない気がするんですが。


後藤 ああ〜関係ないです、まったく関係ない。好きなアーティストが使っているのと同じものが欲しい、でもいいし、楽器屋さんやネットで見て、なんかこれ気になるねんけどな、でもいい。


弾けもしないのに高いギター買うたらあかん、とかもないです。憧れているならもう買った方がいい。見た目が好きじゃないと練習もしないですから。値段は関係ないんです。安かろうが高かろうが自分が好きだと思ったものが一番いい。


だから、ギターに興味がある人、これから始めたいと思っている人は、好きな見た目の好きなギターを買ってください。これだけです。


── 男にとって“遊び”って必要だと思いますか。


後藤 そうですね〜、実際に何かをして遊ぶというより、遊び心の方が大事なのかな。僕らの仕事って、カチッとやってもうたら面白くないところって多々あるんです。収録などの場に遊び心がある人がいると、思ってもいなかった方向に、パチンと持っていかれることがあるんです。まさにゲームチェンジャーといいますか、それは凝り固まっているとできない。そういう意味での遊び心は大事だなぁと思います。

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好きなものがひとつでもあったら、それだけで人生は楽しめる

── 岩尾さんは最近、ヴィンテージ蒐集にハマり出していると伺いましたが、最初のきっかけは何でしたか?


岩尾 ほんまに些細な世間話みたいなもので、「時計はいいものを持ってたら値段も上がっていくし、資産価値としても1個持っててもいいんちゃう?」なんて話になって、そのきっかけで雑誌も見るようになったんですよ。で、通わないとなかなか買えないと噂のあるお店に「一回見に行ってみよう」と思って行ってみたら、割とすんなり「在庫あります」って言われて。これはタイミングかなと思い切って1個買ったところが始まりです。


そこからヴィンテージやアンティークの世界を知って、自分と同じ歳の物も、現行の物とは雰囲気が違っていいなって、そんな風に興味を持っっていったんです。そこから雑誌やYouTubeを見るようになって、ヴィンテージのジュエリー、ブレスレットにも興味が広がって、古着にも派生していきました。京都にめっちゃいい古着屋さんがあるんで、仕事で行くたびに行って都度買っています。

── YouTubeでも拝見しましたが、値が張るものは一度踏みとどまっていて、堅実にお買い物をされている印象でした。


岩尾 そもそも僕はお金を使わないタイプなので、ブランド物にそこまでのお金を出すのはアホらしいと思っていた人間なんです。それが時計にハマってタガが外れてしまったと言いますか。でも1000万、2000万みたいなのものは、さすがに踏みとどまります(笑)。試着だけさせてもらったことがあるんですけど、どうしても値段が気になる。だったら手の届く範囲でグッとくるものを探そう、と。でも結局何本も買ってるから、1個ドンって高いのを買えばよかったかな、とは今でも思いますけどね。

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フットボールアワー 後藤輝基 岩尾望 M-1   LEON

── これまで人生の中で何かハマった趣味とかってありましたか?


岩尾 それこそバンドもアイドルも、プロレスも好きで、中学生くらいの時から好きだったものが大人になるまで続いていて、一般的な50代の大人が興味がありそうなものに、僕は興味を持ってなかったんです。でも時計を好きになってからは、今までそんなに話すこともなかった先輩や後輩とそれきっかけで会話することも増えました。


── それぞれの“好き”は仕事や人間関係にどう影響していますか。


後藤 こういう仕事ですから、ギター弾く機会があったりして、単純に直結する部分もあります。服なんかも好きでいっぱい買って着て、若い頃は番組で「ダサい」といじられ(笑)、それが自分のアイコンになるわけで。ギター、服がダサい、運動神経悪いとか、そういうのがみんなに覚えてもらう要素のひとつになっているとは思います。


岩尾 僕は普段から身につけているものでそのまま仕事をすることもあるのですが、誰に見られてどうだってことじゃなく、自分が気に入ったものを身につけて仕事してる方が気分的にもいいですよね。納得してへん格好で出ると、それが影響するタイプなんで(笑)。自分の好きな格好で好きなものを身につけて仕事をすると、いい方向に行く気がします。


でも最初の時計は、なんか周りから、それこそ後藤から「何やねん急に時計つけてるやん」言われるのが恥ずかしくて、2、3カ月は家の中だけで付けてました(笑)。付けていても何も言われることはなかったんですけどね。

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フットボールアワー 後藤輝基 岩尾望 M-1   LEON

後藤 そんな、言わないですよ(笑)。僕も時計が好きで集めてたこともありますから。


── 最後に、人生を楽しむコツをひと言ずついただけますか。


後藤 趣味を持たなきゃとか何かを習いに行かなあかんとか、そんな大きなことじゃなくてもいいと思うんですよね。通り道の植木に今月は何が咲いてるだろう、みたいなことでも、俺は別にええと思う。


岩尾 僕は小学生ぐらいからTVを見てお笑いが好きになって、というところから始まってるんで、好きなものがひとつでもあったら、それだけで人生は楽しめるんじゃないかな、と思いますね。

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フットボールアワー 後藤輝基 岩尾望 M-1   LEON

● フットボールアワー

NSC大阪校14期生の岩尾望と後藤輝基がそれぞれのコンビの解散を経て1999年4月に結成。2000年に「第21回 ABCお笑い新人グランプリ」で最優秀新人賞、2001年に「第32回 NHK上方漫才コンテスト」最優秀賞を獲得すると、「M-1グランプリ2001」で決勝進出、翌2002年に準優勝、2003年に優勝し人気も頂点に。「上方お笑い大賞」「MBS新世代漫才アワード」「上方漫才大賞」でも優勝し、在阪の漫才賞レースのタイトルを総なめにした。現在は吉本の劇場で定期的に漫才を続けるほか、個別にもテレビのバラエティ番組などに出演。


●岩尾 望(左/いわお・のぞむ)

1975年12月19日生まれ。出身地は大阪府。趣味は時計、ファッション、 アイドル、フェス


●後藤輝基(右/ごとう・てるもと)

1974年6月18日生まれ。出身地は大阪府。趣味はギター、ハーモニカ、 料理、サバゲー、長渕 剛

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