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2026.02.21

沢尻エリカ「正直、スルーされるよりは厳しい言葉であっても、何かを言ってくれるほうがありがたい」

久々の映像復帰作は、今の時代を真正面から映し出す映画『#拡散』でした。SNSによる拡散、世論のうねり、そして意図せず人生を狂わせてしまう情報の力──。新聞記者を演じた沢尻さんが、今感じている思いとは。

CREDIT :

写真/土屋崇治 スタイリング/亘つぐみ@TW ヘアメイク/冨沢ノボル 文/山口昭子 編集/鎌倉ひよこ、森本 泉(Web LEON)

沢尻エリカ WebLEON #拡散

10代の頃から圧倒的な存在感でスクリーンを支配し、時代の空気をまとってきた俳優・沢尻エリカさん。2月27日公開の映画『#拡散』では、情報が暴走する社会の中で“書く責任”と向き合う新聞記者を演じています。


本作はとある小さな町を舞台に、介護士・浅岡信治(成田凌さん)が妻をワクチン接種直後に亡くしたことから、深い喪失と疑念に苛まれていく物語。沢尻さん演じる新聞記者・美波によって掲載された写真は注目を集め、やがて信治は「反ワクチンの象徴」として世間に祭り上げられいく。


久々の映像作品となった本作で、沢尻さんは何を感じ、何を手にしたのか。“いま”を生きる大人にこそ刺さる言葉を、じっくりと語ってもらいました。

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「寄らない」美学と、人間くさいキャラクターへの挑戦

── 映画『#拡散』のオファーを受けた時のお気持ちは?


沢尻エリカさん(以下、沢尻)  「あ、本当にやるんだ」という思いがまずありました。脚本を読んでいて、それぞれ立場や環境が違っても、きっと誰もが共感できる部分がある作品だなと感じて。踏み込んだ題材ではあるけれど、あえて映画として形にすることに意味があると思いましたし、参加できて本当に良かったです。


── この作品に惹かれた理由は?


沢尻 答えを出す映画ではない、というところです。何を解決するわけでも、否定も肯定もしていない。ただ事実として、日本中、世界中が経験したあの大変な時期の苦労や思いを、映画という形にできたことがすごく良かったと思います。

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── メディアに注目される立場である沢尻さんが、新聞記者を演じるというのも意外性がありました。どんな覚悟で臨まれたのでしょうか。


沢尻 私の演じた福島美波は、すごく意識が高くて向上心もある、強い女性です。ただ、完璧ではなくて、性格的にどこか偏屈な部分も見え隠れするんですよね。人間誰しもが持っているような“人間くささ”を表現したいなと思いながら演じていました。


── 役作りのためにリサーチされたことは?


沢尻 撮影当時は、人を見る視点を変えました。普段の自分の視点ではなく、「新聞記者だったら、この人をどう見るだろう?」「どんな疑問を持つだろう?」と。好奇心の幅が広がって、今まで考えもしなかったようなことを想像するようになったのは新たな発見でした。


── 劇中では編集長の「どっちにも寄るな(中立でいろ)」という言葉が印象的でした。


沢尻 私もそこが一番響きました。客観的な視点で物事を綴る難しさ。SNS時代において、どちらかに偏らずにいることの重みを改めて感じましたね。

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SNSとの「程よい」付き合い方。大事なのは意見へのリスペクト

── 現代はスマホを開けば嫌でも情報が飛び込んできます。ニュースやSNSとの距離感は、どう保っているのでしょうか。


沢尻 私、実は結構感化されやすいタイプなんです(笑)。ひとつの意見を聞けば「そうかも」と思うし、別の意見を聞けば「それもあるな」と思ってしまう。ネットを見ていると、本当にいろんな考えがあるじゃないですか。それはどれが間違いとか正義とかではなく、ただ「そういう意見がある」ということ。お互いに理解し、尊重することが大事なのかなと思っています。


── デジタルデトックスする時期などは設けていますか?


沢尻 特に設けてはいないです。お店に動物が乱入しちゃった、みたいなほっこりするニュースをよく見ています。ただ、フェイクニュースや陰謀論なんかも溢れているから、信じすぎない、依存しすぎない。その距離感は大事にしています。


── コメント欄なども読まれますか?


沢尻 コメント欄、好きです。いろんな人の意見を見るのが好きなんです。「こういう思いがあるよね、そうだよね」って、人の機微や人間模様に触れるというか。みんなの思いを共有できる感覚が私は好きですね。

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── 作品では情報の拡散で人生が狂う描写もあります。もしご自身が、情報の偏りで誤解や偏見にさらされたら、どう向き合いますか?


沢尻 世間がそうなってしまったら太刀打ちできないですよね(笑)。それはそれで受け入れるしかない。もちろん言葉足らずで炎上してしまうこともあると思うけれど、正直、スルーされるよりは何かを言ってくれるほうがありがたい。厳しい言葉であっても、そこから気づきを得て、また次に向かっていけばいいんじゃないかなと思っています。

景色が美しくて、ご飯も美味しい富山での撮影は楽しかったです

── 映画の内容はチャレンジングですが、映像では富山の美しい景色が広がっています。富山ロケはいかがでしたか?


沢尻 とにかく富山が美しかったです。立山連峰の素晴らしい景色は、映像で見ても改めて説得力があるなと感じました。撮影スケジュールはタイトでしたが、現場はすごくスピーディでテンポが良くて。


── ロケの合間も満喫できましたか?


沢尻 大満喫です(笑)。日が暮れる前に撮影が終わることも多かったので、サウナに行ったり、スタッフのみんなと美味しいものを食べに行ったり。富山はとにかくご飯が美味しいんですよ。本当にメリハリのある現場でしたね。

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── 2度目の共演となる成田凌さんの印象は?


沢尻 成田さんには絶対的な信頼があるので、もう身を任せていました。私は久しぶりの映像作品だったので、引っ張ってもらえて心強かったです。現場では芝居の話は全然しなかったんですけど(笑)、成田さんは常に「あ、そうくるんだ」っていう良い裏切りをくれる。笑いをこらえるのが大変なシーンもありました。


── 俳優として再確認したことや気づきはありましたか?


沢尻 あまり作り込みすぎず、瞬間的なエネルギーを大切にすることです。作品によって自分のスタンスというのは変わっていくんですが、今回は特にその時の瞬発力と空気感を大事にしていたなという感覚があって。それは今までとは違うやり方で、自分にとって新鮮でした。


── 監督は「人間の優しさと脆さ」を描きたかったとコメントされていました。沢尻さんが感じる人間の優しさ、脆さとは?


沢尻 人間は弱い生き物。それはみんなそう。でも、人と人との繋がりで感じる温かさや優しさは、間違いなく現実に存在すると思うんです。だから、ネットが世界のすべてじゃないというか。リアルの現実をちゃんと生きていかなきゃいけないなと改めて感じました。

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わからないことはわからないと素直に言って、耳を傾ける

── 沢尻さんにとって「魅力的な大人」とは、どんな人でしょう。


沢尻 地に足がついていて、しっかり自分を持っていて、自分の意見を言える人。それはネット上だけで主張するのとは違って、どこにいても、誰に対しても自分の考えをまっすぐ伝えられる人は、やっぱり素敵だしカッコいいなと思います。


── ご自身もそれは心がけていますか?


沢尻 私は「わからないことはわからない」って素直に言っちゃいます(笑)。いろんな意見を「なるほど」って聞きながら知りたい。コロナ禍の時も、何が正しいかわからなかったけれど、いろんな説に耳を傾けて「そういうこともあるんだ」って受け入れる。耳を傾ける一歩を大切にしたいです。


── 多忙な中でのリフレッシュ方法は?


沢尻 運動です。ピラティスを4年、ヨガは20代から続けています。汗をかくとリフレッシュできるし、身体を動かしている時のほうが断然調子がいいんです。でも、無理に走り込んだりはしません。苦手なことはやらず、自分に合うものを週に数回。あまり決めすぎず、自分が楽しいと思うことをやりながら、美味しいものを食べてちゃんと寝る、それが一番です。

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── 2026年、プライベートで叶えたいことはありますか?


沢尻 山登りが大好きなんですが去年タイミングが合わなくて行けなかったので、2026年こそは。自然の中に身を置くだけで癒されるし、ジムやスタジオでの運動とはまた違うガチな登山を、もっと精力的にやっていきたいですね。


── 映画『#拡散』では「何を信じるか」を問いかけてきますが、沢尻さんが人生で大切にしているモットーを教えてください。


沢尻 そんな大きなものはないけれど、シンプルに自分らしく生きること。無理をせず、毎日の小さな「ハイデイ(良い一日)」を楽しく過ごしていけたらいいなと思っています。

沢尻エリカ WebLEON #拡散

● 沢尻エリカ(さわじり・えりか)

1986年4月8日生まれ、東京都出身。2005年、映画『パッチギ!』で数々の映画賞を受賞。以降、映画『ヘルタースケルター』『新宿スワン』、ドラマ『1リットルの涙』『タイヨウのうた』『ファーストクラス』など多くの話題作で主演を務める。2024年に『欲望という名の電車』で初舞台。現在は舞台『ピグマリオン』に出演中。

沢尻エリカ #拡散

『#拡散』

ワクチン接種後に亡くなった妻の死に疑惑を抱いた男が、虚実あふれる情報に踊らされていく。真偽不明な怪情報やフェイクニュースがネット上で瞬時に拡散されていく現代社会の実像を描いた社会派ドラマ。主人公・浅岡信治役は成田凌、沢尻エリカは浅岡の存在に目を付けて世に出す新聞記者・福島美波役を演じている。2月27日公開。

HP/https://kakusan-movie.com

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