2026.01.04
【第9回】
自由な感覚でいたいと語る、30代既婚女性の恋愛遍歴とは
生き方や恋愛の価値観が変わりつつある現在、大人の女性たちはどんな恋愛をしているのか、大人の女性たちは何を求めているのかを、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」のマスターにして作家の林 伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術で深掘りします。
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取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/森本 泉(Web LEON)
生き方や恋愛の価値観が変わりつつある現在、恋愛も結婚もしなくたっていいこの時代に、大人の女性たちはどんな恋愛をしているのか。大人の女性たちは何を求めているのか。
本連載「林 伸次のLove la Bossa」では、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」のマスターにして作家の林 伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術で大人の女性の本音を深掘りします。第9回のゲストはあさみさん(30代)です。

高校生の時、オンラインゲームで知り合った年上の人と付き合ったら、ロリコンの既婚者でした
── ようこそbar bossaへ。本日はよろしくお願いいたします。
「よろしくお願いします」
── 早速ですが、ここでのニックネームをつけたいと思います。誰かに似ていると言われたことはありませんか。
「水川あさみさんに似ていると言われることはあります」
── あ、本当にちょっと似ています。では本日はあさみさんと呼ばせていただきますね。ではまず、あさみさんが最初にお付き合いした人の話から聞かせてください。
「初めて付き合ったのは中学生の時ですが、その頃は靴箱で手紙のやり取りをするくらいでした。本格的にお付き合いしたのは高校生になってから。実はオンラインのゲーム上で知り合った人と付き合っていました。すごく年上の、大人の男性だったんですが」

── うわっ、現代的な出会い方だ。でもすごく危うい気がするんですが、大丈夫だったんですか?
「それがやっぱりあまり良くなくて、親が彼のことを怪しんで探偵をつけたんですよね、私には内緒で。そうしたら既婚者だったことが発覚しました」
── うわっ、本当にそういうことがあるんですね。しかも高校生。大騒ぎになってしまう予感しかしません。
「はい、警察が介入するような話にまで発展しちゃって色々大変なことになりました。でもその時はとても好きだったんです」
── 何が良かったんでしょう。
「やっぱり大人だから余裕もあるし、あちこちデートに連れて行ってくれて、カッコよく見えちゃったんですよね。初体験も彼でした」
── その彼との初体験はどうでしたか?
「優しくしてくれたのはなんとなく覚えていますけど、別に気持ちいいとかじゃなくて、向こうが楽しければいいかなってちょっと受け身な感じではありました。その彼、多分ロリコンだったと思います」
── そうでしょうね。インターネットでの出会いにはみなさん気をつけてください、本当に。その後ちゃんとしたお付き合いはできましたか?
自分の中では遊びの一環として、並行して付き合うこともあります

「はい、その後すぐにバイト先で知り合った大学生と。でも私、年上としか付き合ったことがないです」
── 同い年とか年下は子供っぽくて嫌ですか?
「友達って感じになっちゃって。リードしてくれる方がこっちも居心地がいいから。ただその大学生も長続きはしなかったかな。次に好きになったのは自分が大学生になった頃で、ひとまわり近く年上の人だったんですが、自分から好きになって告白しました」
── どんな人だったんですか。
「都心でお店を経営している人でした。ちょっとしたきっかけで知り合ってから、遊びに連れて行ってもらったり、ホームパーティに呼んでもらったりしているうちに好きになって、告白したんです」
── おおお、どうなりました?
「付き合ったんですが、数ヵ月後に他の男性とクラブに向かう途中、手を繋いで歩いているところを彼に見られて『何考えてんのか分かんない』と言われて振られました(笑)」
── あ、結構いろんな人と並行して付き合える人ですか?
「並行することはあります。でもそれは自分の中では遊びの一環と言いますか。大学で仲良くしている友人がセフレだったってだけで、二股かけて付き合っていた感覚はないです」
誰かひとりと約束をし続けるとか、縛るのも縛られるのも嫌なのかな

── なるほど、セフレがアリな世代なんですね。確かに15年くらい前から一般的な言葉になったような気がします。でも例えば、セックスをするうちに好きになったりとかしないんですか?
「うーん、どうだろう。たとえば大事な男友達だから関係を崩したくないと思う人とは絶対にセックスしないとか、付き合いたいとは思わないけど、この人とはセフレの関係が成り立つとか、そういう区別みたいなものが自分の中にある気がします」
── 区分けがあるんですね。でもずっと一緒にいたりキスしたりしていると、好きになっちゃったりしないのかなって思うんです。
「まったく好きじゃないってことはないんですが、誰かひとりと約束をし続けるとか、縛るのも縛られるのも嫌なのかな。ひとりでいたい時もあるし、この遊びだったらこの人が楽しいとか、色々あるじゃないですか。自由な感覚でいたいから、そういう関係でいたいのかもしれない」
── そうか、セフレって女性が我慢しているイメージがありますが、必ずしもそうではなく、自由で対等に関係性を築いている場合もあるんですね。勉強になります。それでは、最近の恋愛模様について後編で聞かせてください。
後編に続く

■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(幻冬舎)、『恋愛は時代遅れだというけれど、それでも今日も悩みはつきない』(Pヴァイン)、最新刊は『30歳になってもお互い独身だったら結婚しようか』(三笠書房)。














