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2025.06.28

【第1回】

元祖肉食女子のドラマみたいな恋愛談「スイスで出会ったアラブの大富豪は……」

生き方や恋愛の価値観が変わりつつある現在、大人の女性たちはどんな恋愛をしているのか、大人の女性たちは何を求めているのかを、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」のマスターにして作家の林 伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術で深掘りします。

人気連載 美人はスーパーカーである【恋愛編】の100回超を機に、新たな連載が始まります!

生き方や恋愛の価値観が変わりつつある現在。恋愛も結婚もしなくたっていい中で、大人の女性たちはどんな恋愛をしているのか。そして、大人の女性たちは何を求めているのか。

本連載「林 伸次のLove la Bossa」では、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」のマスターにして作家の林 伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術で大人の女性の本音を深掘りします。

栄えある第1回のゲストは温子さん(60代)です。
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私、元祖肉食女子です

── こんにちは、ようこそいらっしゃいました。林です。よろしくお願いします。

「こんにちは。よろしくお願いします」

── 今日は恋愛や仕事、生き方などの話を伺っていくんですが、まずはここでのニックネームを決めたいんですね。ご希望がなければ、雰囲気の似ている著名人の名前を借りて今日の呼称にするのですが。

「お任せします」

── では、え〜っと、あ、浅野温子さんに雰囲気が似てる! 今日は温子さんと呼ばせてください。温子さんはどんな暮らしをされている方なんですか。

「以前は会社を経営していましたが、売却して引退しています。私、この連載に出てみませんかとお話をいただいてびっくりしているんです。私は60歳をとっくに過ぎているんですよ?」

── 生き方がとても素敵な方だと推薦してくださった方がいたんですよ。きっと男女問わずに参考になるお話が聞けるだろうと思ってお願いしていますので、年齢は関係ありません。それにしてもお美しいですね!

「そう言っていただけるなら、お受けしても大丈夫かな」
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── はい、ぜひよろしくお願いします。温子さんはこれまで積極的に恋愛をされてきた方ですか。

「そうですね、私は元祖肉食女子なので、『この人!』って思ったら絶対に自分から声をかけます」

── おお、さすがです! どんな男性が好みなんでしょうか。

「ちょっとひどい発言が許されるなら、とにかく顔、顔重視です。それ以外男性に多くを求めることもないです」

── 見た目重視ですか。それはずっとそうですか? たとえば学生の頃からとか。
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顔にときめかないと恋愛対象にならない

「そうですね、予備校に通っている時に『男前がいるな〜』と思ってた人がいたんですが、受験中だから何も起こらないまま終わって。で、大学の入学式に出たら、なんと彼がいた(笑)。

それですぐ話しかけにいって、その後付き合ったのが初彼でした。本当にびっくりするくらいの男前で、何人もの友人に『別れたらすぐに教えて、次は私が行くから』って言われるくらいの容姿でしたよ(笑)」

── やっぱりカッコいい男性が好きですよねえ〜。見た目がパッとしなかったら嫌ですか。

「いえ、嫌とかじゃなく、要するに、顔にときめかないと恋愛対象にならないってだけのことなんです。でも私、男性に経済力とかは一切求めないですよ」

── なるほど、その男前の彼とは長く付き合ったんですか。

「大学3年の終わり頃にはもう彼じゃつまんなくなっちゃって、別れちゃいましたね」

── イケメンがつまんなくなったと言われるのはちょっと気持ちがいいですね(笑)。大学を卒業した後はどうされましたか。
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お金持ちのクウェート人に声をかけられて、1ヶ月くらい船で暮らしました

「私、日本の社会に馴染める気がしなかったので、海外に出たんですよ。当時はカナダに移民するための制度? 規制? が緩かったので、そのレールに乗っかって。ただあまり英語が上手にならないし、日本の社会の素晴らしさにも途中で気づいて、最終的には移民にはならずに、29歳で帰国したんですが」

── それでも結構な期間を海外で暮らしていたんですね。そうすると、さまざまな経験を積んだと思いますが、恋愛はしましたか?

「はい、いろんな人と付き合いました」
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── では、その中で印象的だったことを教えてください。

「スイスで一人旅をしていた時、公園のベンチに私が座っていたら話しかけてきた人がいて、その人はクウェート人でした。

そこで政治的な話を含めたさまざまな話題で盛り上がっちゃったんですね。すると彼が『スイスには別荘があるんですが、良かったらお茶をしにいらっしゃいませんか』と誘ってくれて、家にお邪魔しました」

── なんかおとぎ話のような。スイスに別荘があるクウェート人って、平たくいうとアラブの大富豪みたいなことですよね。

「そうですね、大金持ちです。別荘でも話が盛り上がり、『実は今、フランスのアンティーブにボートを停泊させていて、そこには友達もたくさん来るから、よかったら一緒にいかがですか?』って誘われたんです。面白そうだから行ってみたの。そこで1ヶ月くらい船で暮らしたのは、とても面白い経験でした」

── う〜わ、すごい。その彼は紳士的な感じがしますね。そこには本当にお友達もいたんですか?
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「うん、イギリス人とかベルギー人とかインド人とか、さまざまな人種、立場の人が来ていましたよ。でもみんなが大金持ちとかじゃなく、イギリス人の人は世界中を旅行しながら英語を教えてるっていう人だったし、まあお金持ちのベルギー人のお嬢さんもいましたけど」

── 面白そうな人たちに場所を提供している、お金持ちのクウェート人って感じなんですかね。

「そんな感じなのかなあ。ただその後、私は学校が始まっちゃうから『12月には私がクウェートに行くね』って話をしてカナダに戻ったんです。そしたら、まもなくイラクがクウェート侵攻をしました」

 ── えええええ〜! 大変だ。彼はどうなったんですか。

「そこから連絡が一切取れなくなりました。有名な建設会社の一族だったので、たぶん、ダメだったと思います」

── そんな時期にたまたま知り合ったんですね。それは驚いたでしょう。

「ええ。その頃は携帯電話が普及していないから、電話をかけてつながらなければもうダメだったんだなと思うしかないですから」
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── その彼はカッコよかったですか。

「カッコよかったです。アラブ人はみんな男前ですよ」

── あ、そうなんだ。お付き合いする人はアラブの人が多いですか。

「いろんな国の人と知り合いましたけど、中東の人の方が縁がありましたね。イランから亡命してきた人もカナダにはいっぱいいたんです。意気投合してよく食事にも行きましたよ」

── イラン人はそもそも日本人に好意的だから仲良くなりやすいんでしょうね。

「そうかもしれませんね」

後編へ続く

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(‎幻冬舎)、『恋愛は時代遅れだというけれど、それでも今日も悩みはつきない』(Pヴァイン)、最新刊は『30歳になってもお互い独身だったら結婚しようか』(三笠書房)。

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