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2020.07.20

VOL.07「ソーシャル・ディスタンス時代のデート」

女性の手をとった一瞬に電撃が走るような演出を

世界のラグジュアリー人脈に通じ、社交界の裏事情にも詳しい謎の有閑マダム、カトリーヌ10世さんが、日本の男性諸氏が陥っている、ファッションと恋愛の無自覚・無意識の怠慢に覚醒を促し、読者を洗練へと導く連載です。

CREDIT :

文/カトリーヌ10世 イラスト/ユリコフ・カワヒロ、林田秀一

謎の有閑マダム、カトリーヌ10世さんが、日本の迷える男性諸氏を洗練へと導く連載。今回のテーマは……。

■ Theme07「ソーシャル・ディスタンス時代のデート」

ニューノーマルの時代に入りました。社交生活も復活すると思いますが、感染症予防のために人と人との距離をとるというマナーはしばらくの間、求められそうです。

すでに良き仲の場合、いまさらソーシャル・ディスタンスを意識する必要もないでしょう。しかし、まだそれほど親しいわけではないふたりの場合、デートするのも神経を使います。距離を保って歩き、テーブルでも近づきすぎることなく、手に触れることも避けねばならないのですから。
この状況、見たことがあるなと思ったら、ジェーン・オースティンの世界でした。『高慢と偏見』や『分別と多感』など19世紀初頭にいくつかの長編を書いた小説家で、作品は数多く映画化されているのでご覧になった方もいらっしゃるでしょう。ちなみにイギリスの10ポンド紙幣にはオースティンの肖像が印刷されています。

彼女の小説の舞台は、片田舎の中流階級の家なのですが、家と家との距離が離れており、主人公たちが外で会おうとしてもカフェはなく散歩くらいしかできないという環境。まさしくコロナ禍の「ステイホーム」的です。こんな不自由な生活のなかで彼らはどのように恋愛感情に火をつけていたのか? 
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屋敷内でのダンスという場合もあるにはありますが、外でのデート(散歩)で火がつくケースもあります。散歩中、段差を越えるなど「必要」あって、男性が女性の手を一瞬とった時に、電撃が走るのです。ふたりが見せる反応は初々しく、むしろエロティックです。触れたくて触れるのではなく、触れざるをえなかったという言い訳が必要な状況が、ふたりを共犯関係にします。

ソーシャル・ディスタンス・デートで恋を進展させたいあなたへの、200年前からの古典的助言。手に触れてはいけないという制約を味方につけ、触れざるをえなかったという状況を演出しましょう。タブー破りの共犯関係は心の距離を縮めることに「目覚めなさい」。アルコール消毒はこまめにね。

カトリーヌ10世

グローバル化が進む社交界事情にも通じる。密かな趣味は人間観察とコスプレ。好きな飲み物はモンラッシェ。日本ではほとんど知られていない、ある小国の女王とのウワサも!?

2020年8月号より

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