2020.06.01

VOL.04「安易な宣言は終わりの始まり」

「心友」「魂友」自慢にご注意を

世界のラグジュアリー人脈に通じ、社交界の裏事情にも詳しい謎の有閑マダム、カトリーヌ10世さんが、日本の男性諸氏が陥っている、ファッションと恋愛の無自覚・無意識の怠慢に覚醒を促し、読者を洗練へと導く連載です。

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文/カトリーヌ10世 イラスト/ユリコフ・カワヒロ、林田秀一

謎の有閑マダム、カトリーヌ10世さんが、日本の迷える男性諸氏を洗練へと導く連載。今回のテーマは……。

■Theme04「安易な宣言は終わりの始まり」

みなさま、ごきげんよう。もつべきものは友、だそうです。人生から友を除くのは世界から太陽を除くに等しい、と古代ローマの哲学者キケロも語っています。だからこそでしょうか、しばしばSNSなどで友情の誇示が見られます。「心友(しんゆう)」「魂友(たまとも)」という仰々しいことばとセットで友自慢が繰り広げられることすらあります。男性の場合、ここにさらに「兄弟同然」が加わります。そんな友と出会えて、幸運でしたね。よかったですね。
不思議なのは、その一年後、早くて半年後、両者はどうやら他人として互いに圏外のところで活動しているらしいという事実が明白になることです。ともすると、どちらかが性懲りもなく新しい人との「心友」アピールをしていたりして、「心」や「魂」のなんと軽いことかと苦笑を禁じえなくなります。

友と盛り上がった勢いでその絆をアピールしたくなるお気持ちはわからないでもありません。しかし、法的な絆でもない関係を誇示することには多くのリスクがともないます。まずは、関係が解消ないし霧散(多くの場合これでしょう)してしまった時、両者の言動の軽さ薄さが浮き彫りになり、周囲から警戒および軽視されてしまうリスク。

次に、親しいと思っていたのに「心友」呼ばわりされなかった別の友人の不興や不信を買ってしまうリスク。いずれにせよ、特定の人との軽はずみな「心友」「魂友」宣言は、当座の虚栄心の満足と、将来にわたる社会的な信用を天秤にかければ、控えるほうが賢明といえましょう。そもそも互いに本気でそのように信じあっていれば、世間に対して公言する必要もないはずですから。
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友情にかぎらずほかの人間関係においてもですが、大げさな表現の交換よりもむしろ、小さな約束を確実に守り合っていくほうが、長期にわたって安定した強い関係を築くことができ、ひいては社会的信用にもつながります。サスティナブルな社会生活を送り続けるためにこそ、「心」や「魂」を安易にもち出さないということですね。

女性が深く魅了されるのも、実はコントロールの効いた控えめな情熱の持ち主であることが多い。「永遠」「魂」「命」という重たく熱い言葉を乱発する男性は、まあ、わかりやすくて楽しいですが、逆に言えば底が透けて見えます。行動は愛情を示しているのに、それに比して言葉が控えめ、という男性の情熱をもどかしく想い、なんとか証を掴もうとのめりこんでいく女性の心理に「目覚めなさい」。

カトリーヌ10世

グローバル化が進む社交界事情にも通じる。密かな趣味は人間観察とコスプレ。好きな飲み物はモンラッシェ。日本ではほとんど知られていない、ある小国の女王とのウワサも!?

2020年2月号より

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