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2019.07.15

新型アウディA6は日本にぴったりなのか、乗り倒してみた件

アウディのA6がフルモデルチェンジした。かなりイイという噂は本当か? アバントとセダンを徹底的に乗り倒してみた!

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取材・文/小川フミオ

プレミアムミディアムクラスの市場はいまかなりアツイ!?

プレミアムセダンのマーケットがおもしろい。理由はもちろん、いいクルマがいろいろあるからだ。代表例がアウディの新型A6セダン(とステーションワゴン)である。SUVに対して乗り心地の面で圧倒的にすぐれるセダン。しかも広くて、かつ走りも楽しめるA6は、注目してもらいたいモデルだ。

日本では2019年3月に発売された新型アウディA6に、6月になってようやく試乗がかなった。白状すると、A8などと基本的なシャシーを共用しているので、ちょっと大型でもっさりしているのか、と思っていた。ところがA6、かなりいい。
アバントはあえてルーフの前後長をすこし短めにしてリアゲートを強く傾斜させスポーティを出すのがアウディの”伝統”
試乗したのは、A6セダン55 TFSIクワトロS lineと、A6アバント55 TFSIクワトロS lineだ。両モデルとも3リッターV6ターボエンジンを搭載し、最高出力は250kW(340ps)、最大トルクは500Nmである。オンデマンド型トルク配分のクワトロシステム(本国はウルトラクワトロという)が組み合わされている。

いいところは、かなり軽快な運動性能にある。軽めのステアリングホイールだが、路面からの情報はていねいに伝わってきて、操舵したときの車体の反応はすばやく、つまり操縦していて気持がいい。

全長は4950ミリと大型といってもいいサイズだが、試乗車は、後輪を操舵する「ダイナミックホイールステアリング」と「ダンピングコントロールサスペンション」とバリアブルレシオの「ダイナミックステアリング」をセットにした「ドライビングパッケージ」のオプションを備えていたおかげで、スポーティセダンとして楽しめるのだ。
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ハンドリングがすばらしいA6
高速道路のレーンチェンジでは、高速は前輪と同位相(同じ方向)に後輪が動くことで安定しつつ機敏な動きを見せる。その際、ダンパーの減衰力が自動で調整されるので必要以上に車体がロールするのが抑えられるし、ステアリングホイールの切れ角も速度や操舵のスピードに合わせて調整されるのである。

このパッケージが装着されていれば、基本的にはセダンもアバントと呼ばれるスタイリッシュなステーションワゴンも、おなじように、楽しめる。これはお勧めの装備だ。

もちろん、ベースがいいから、ハンドリングパッケージが活きてくるのも事実だろう。エンジンは1370rpmから4000rpmにかけて500Nmの最大トルクを発生するので、低回転域でも力がたっぷりあり、かつ回転をあげていくと、ぐんぐん加速していく。そのフィールがとてもいいのだ。
「S line」には専用の3本スポークのスポーツステアリングホイール
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最新技術が調和した乗り味はまさに先進的

車体の剛性感は高く、路面にうねりがあろうと、びしっとしている。いっぽう、ステアリングホイールを切ったときの動きは、硬いばかりでなく、えもいわれるしなやかさを感じる。ステアリングホイールやシートを通じてからだにそれが伝わってくる。シャシーのせいだろうか。

まあ、リクツでなく、クルマ遍歴をあるていど重ねてきたひとなら、黙って座ればぴたりと当たる、というかんじで、ステアリングホイールを握って少しの距離でも走れば、すぐ好きになると思う。

クワトロシステムはユニークだ。ひとつには燃費向上のための最新テクノロジーが盛り込まれていることがあげられる。高速などでアクセルペダルを強く踏まない、いわゆる低負荷のときは、後輪へトルクが行かないようにセンターデフがフリーになる。

さらに燃費のために、エンジンとドライブトレーンじたいも切り離される。つまりアイドリング状態で走っていられるのだ。ガソリンエンジン車の魅力を堪能させてくれつつ、出来るだけ環境への配慮が行われている。
後席のためにオプションで、シートヒーターやサンブラインドなどのパッケージを選ぶことができる
四輪を駆動するタイミングはコンピューターが判断する。カメラとレーダーで先方に4つのタイヤに駆動力を配分したほうがいい状況が出現すると(出現するとクルマが予測すると)瞬時にクワトロシステムがスタンバイする。つねに0.5秒先の状況を読んでいて、4つのタイヤを駆動するために要する時間は0.3秒しかかからないそうだ。

インテリアの質感が高いというアウディ車の魅力を、A6もちゃんとそなえている。ドライバーシートにいると、シート表皮の感触と座り心地とともに、ステアリングホイールを握った感触まで、ていねいな気配りで仕上げられているのがわかる。

ドアの開閉のときの音、サイドウィンドウが上がり下がりするときの音、操作系やウィンカーレバーのクリック感など、徹底的に注意が払われているのだ。
セダンは全長4950ミリ、全幅1885ミリ、全高1430ミリ
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A8やA7スポーツバックと同様、計器盤はデジタルだ。かつダッシュボードには「MMIタッチレスポンス」と呼ばれる液晶モニターを、タブレット型端末のように操作するインフォテイメント用のシステムが備わっている。

このモニター画面は慣れると使いやすい。たとえば私が個人的に気に入っているのは、ナビゲーションの目的地(よく行く場所)をアイコン化してトップ画面にはりつけておき、そこに触れるだけでナビゲーションシステムの道案内が起動する機能である。

室内は広い。前席は気分が浮き立つ場所だとすると、後席はゆったりしたスペースでくつろぐ場所だ。2925ミリという長いホイールベースは、A8標準ボディの3000ミリには及ばないが、A7スポーツバックと同寸で、その恩恵にたっぷりとあずかれる。
タブレット型スマート端末のように使えるというふれこみの「MMIタッチレスポンス」搭載
後席の広さは数字だけでない。シートの配置などパッケージングがいいので、前席の後席のあいだは広々としているし、後席乗員の頭の上の空間もたっぷりある。

これまではドライバーズカーとして最高!と書いてきたけれど、後席にひとを乗せるのも得意なクルマなのだ。家族のために乗るのもいいだろう。アウディのSUVもけっして悪くはないのだが、やはりサスペンションのアーム長がたっぷりあるセダンやステーションワゴンにはかなわない。

高速ではゆったりとした快適な乗り心地も味わえて、どんな長距離ドライブでも耐えられる。いや、耐えられるというより、ドライブを楽しんでいられる、といったほうが正確だろう。

価格は「A6セダン55 TFSIクワトロS line」が1006万円、「A6アバント55 TFSIクワトロS line」が1041万円だ。両モデルに「デビューパッケージ」も用意される。
リアの水平基調のクロームラインが特徴的
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「デビューパッケージ」は、スポーツシートでなく標準シート、スポーツサスペンションでなくダイナミックサスペンションとなるいっぽう、ホイールは20インチ(S lineは19インチ)になり、クロストラフィックアシスト(S lineはオプション)も標準装備だ。価格はセダンが920万円、アバントが955万円である。

競合は、メルセデスなら3リッター直列6気筒にISGシステムとツインチャージャーシステムが組み合わされた「E450 4MATIC Exclusive」(セダンが1074万円、ステーションワゴンが1138万円)、BMWなら3リッター直6の「540i xDriveセダン」(1064万円〜)が思いつく。

どれもいいクルマである。キャラクターがしっかり立ったモデルが揃うマーケットだ。A6にはA6にしかないドラインビングの個性があるので、けっして負けていない。

● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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