待ち合わせはもちろん、食事デートもお洒落にキマるギャラリー風・老舗カフェ

デートのお店選び、みなさんはいつもどうしていますか？　ガイドブックや雑誌はもちろん、さまざまなグルメサイトまであって、今やニッポンはレストランの検索天国ですよね。とはいえ、「デートを成功させるためのお店」をきちんと探し出せる人ってきっと少ないはず。だって、複雑な女性の好みや心理状態を理解できないと恋を成就させるってムズカシイもの。

そこで、本誌LEONでYULI*YULIとして14年間にわたり、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南いたしましょう。

デートの待ち合わせ、いつもどうしていますか？　デートコンシェルジュの私としては、“自宅までクルマでお迎え”が王道と思っていますが、今時はなかなかお願いしづらいのが本音。とはいえ、レストランでデートするときに「現地でね」なんて約束するのもさっぱりしすぎない？　

どちらも残業がありそうで時間が読めないとき、とりあえず会ってから行き先を話し合うとき、ライブや映画に出掛けるとき、チェーンのコーヒー屋さんで落ち合うなんて味気ない。活用したいのは、駅に近くてお洒落なカフェです。便利だし、相手を待つときも気分良いですから。

そこで今回ご紹介するのは、代々木上原の駅近に誕生して、今年で18年目に入った「ファイヤーキング カフェ」。オープン当初は、カフェとしてだけでなく、夜な夜なご近所のイケてる人たちが集まるバーとしても盛り上がっていました。思えば、都心でははない場所にできた、お洒落かつ盛況なお店が当時は珍しくて。

以来、お料理のメニューが増えたり、店内を拡張させたり。ずっと進化し続けているコチラは、いまも人気のカフェです。代々木上原に素敵なカフェ文化をもたらした、その火付け役と言えるかも。

何と言っても特徴的なのは、入って右側の壁面にずらりと並べられた「ファイヤーキング」のコレクション。ご存知の方も多いと思うけれど、その愛らしいフォルムや風合いで世界中にコレクターがいるアメリカ生まれの耐熱ガラスブランドです。1941年から1986年まで製造された、いわゆるヴィンテージのディスプレイは定期的に入れ替わり、もちろん、実際にお料理やスウィーツの盛り付けにも使われているのでファンにはたまりません。

このミッドセンチェリーな雰囲気のバーカウンターで待ち合わせるのも、イイ感じでしょ？　そんなときは、ミントたっぷりなダーク・ラムのモヒートやマティーニが粋な感じ。その他にもお酒はいろいろと種類が揃っているから、待ち合わせたつもりが、ついついココで飲んじゃうかも！

そして店内の壁には客席を取り囲むように、お洒落な写真やポスターが飾られています。ギャラリーのように毎月入れ替わるようで、取材時に目を楽しませてくれたのは、アップルコンピュータが1997年に発表した広告“Think Different”のポスター。アインシュタイン、マリア・カラス、ダライラマといった偉大な著名人たちの写真ばかりで、当時話題だったのも納得。見応えがあります！

カウンター席を含めて60席と広めの「ファイヤーキング カフェ」で一番人気の場所は、奥のコーナーなんですって。コルビジェの独り掛けソファーが置かれた、黒を基調とするシックなテーブル席は、夜になるとキャンドルが灯って大人な雰囲気が漂っています。あえてシャンパーニュをベビーボトルで飲むのもいいでしょ。

実はお食事メニューもとっても充実しているの。ファイヤーキングからは想像しにくいけれど、なんとアジアン系が色々とあります。かつて在籍していたインドネシア人のシェフの味をいまも受け継ぎ、美味しさはお墨付き！
 
たとえば、「タイ風ガーリックシュリンプ」はレモングラスの風味にガーリックが利いて病みつきになりそう。「インドネシア風フライドチキン」は、ケチャップマニス、サンバルソース、ダブダブソースで３種類のお味が楽しめるの。そして、中身のポテトにしっかり味がついている「ひと口コロッケ」は、カレー・マスタードソースでいただきます。どれもお酒が進んじゃう！

デートの待ち合わせにオススメのお洒落カフェって、お茶やお酒をとりあえず１杯飲みながら、実はそのままずっといたくなっちゃうお店、というのがポイントかも。「ファイヤーキング カフェ」は、まさしくそんなところなんです。美味しいランチも食べられるし、スウィーツも常時６〜７種類あるし、ディナーにもいいし、バーとしても素敵。いま注目度の高い代々木上原の老舗カフェは、いつも最先端を走っているってことですね。

食、シャンパーニュ、花、インテリアと多岐のジャンルが活動のフィールド。2003年、国際アートフラワーコンクール優勝。2010年、シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。本誌LEONの「オヤジのトキメキダイニング」でも長期連載中。2017年7月７日に、自身のバー「Champagne Bar LILI-LA-YULI」が10周年を迎えた。