2026.08.07
なぜ、今「ジンソーダ」なのか? 世界が注目する新しい食中酒の楽しみ方
世界的にブームを迎えるジン。その新しい楽しみ方として注目されているのが「ジンソーダ」です。なぜ今、食中酒として支持を集めているのか。サントリージャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉」などのジンと、中国料理や寿司、日本料理とのペアリングを通して、その魅力を探ります。
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撮影/久保田育男、菅野祐二
ハイボール、レモンサワーの次はどんな「一杯」が来る?
お酒のトレンドは世相を反映しています。たとえば、1980年代に巻き起こった地酒ブームは、1982年に開業した東北・上越新幹線によって地方を旅する人が増え、土地ごとに異なる酒文化が注目されたのがきっかけ。それまで全国区ではなかった地方の銘酒が脚光を浴び、「地酒」という言葉そのものがブランドとなっていきました。
90年代に入ると、今度は赤ワインがブームに。きっかけはポリフェノールの健康効果が注目されたこと。美味しさだけではなく、「身体によい」という新しい価値のもと、多くの人が赤ワインを飲んでいました。
2000年代は本格焼酎が脚光を浴びた時代。芋や麦、米といった原料の違いを楽しみ、やがて「森伊蔵」や「魔王」といったプレミア焼酎が話題となったことから、お酒にもストーリーや希少性を求めるようになりました。
さらに2008年頃からは、記憶に新しいハイボールブームが到来。ウイスキーはバーでゆっくり味わうものというイメージを覆し、ソーダで割って料理に合わせる一杯として、日常的に飲まれるようになりました。同じころ、レモンサワーもまた、食中酒としてたくさん飲まれるようになったっけ……。

▲ ROKU〈六〉ジンソーダが人気の中国料理店「桃仙閣 東京」(東京・六本木)。
こうして振り返ると、お酒のトレンドは、その時代が求める飲み方を映していることがわかります。では、次なる一杯は何でしょう?
からあげに、餃子に、焼鳥に合うのは……ジンソーダ!

▲ ジンを使ったユニークなカクテルペアリングが楽しめる「鮨m」(東京・青山)。
ハイボールやレモンサワーに続く一杯とは……私の答えは、「ジン」。
ジンは今、世界の酒業界で、もっとも勢いのあるカテゴリーのひとつです。イギリスやヨーロッパを始め、アメリカ、オーストラリア、そして日本でもクラフトジン蒸溜所が次々と誕生。土地ごとのボタニカルを生かした個性豊かなジンが生み出され、ますます多様になっています。その人気ぶりはデータからも明らかで、世界の市場としても、この10年でおよそ2倍の約2兆円規模にまで成長しているのだとか。
でも私が今、気になっているのは、市場の拡大ではありません。ジンの「飲まれ方」が変わり始めていることです。これまでジントニックやマティーニ、ネグローニといったカクテルのベースとして親しまれてきたジンが最近、ソーダだけで割る「ジンソーダ」というスタイルで存在感を増しています。甘みを加えず、ボタニカルの香りをそのまま引きたてる「ジンソーダ」は、料理の味に寄り添い、食中酒としても高いポテンシャルを秘めているんじゃないか、と。だって、からあげや餃子、焼肉、焼鳥などついついハイボールやレモンサワーを頼みがちな料理にも、とってもよく合うんです。
そこで、ジンとフードペアリングを提案している飲食店の事例をご紹介してまいりましょう。まずは、日本のプレミアムジン市場のトップランナーであるサントリーの「ROKU〈六〉」から。
中国料理にジン!
▲ 「桃仙閣」の「揚げ鶏の唐辛子と山椒の香草炒め」と「ROKU〈六〉」ジンソーダ。
▲ 「桃仙閣 東京」の「マーボー豆腐」は国産の牛・豚肉を手切りでミンチにしているから食感が抜群。手作りしている辣油と「ROKU〈六〉」ジンソーダの相性も抜群!
▲ 190㎝と高身長の永井 周さん。学生時代はバドミントンの選手として活躍していたそう。

▲ 「桃仙閣」の「揚げ鶏の唐辛子と山椒の香草炒め」と「ROKU〈六〉」ジンソーダ。

▲ 「桃仙閣 東京」の「マーボー豆腐」は国産の牛・豚肉を手切りでミンチにしているから食感が抜群。手作りしている辣油と「ROKU〈六〉」ジンソーダの相性も抜群!

▲ 190㎝と高身長の永井 周さん。学生時代はバドミントンの選手として活躍していたそう。
2017年に誕生し、日本のクラフトジンブームを牽引し手続けるサントリ―ジャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉」を推してくれたのは、中国料理の名店「桃仙閣 東京」(東京・六本木)。島根・松江で半世紀以上にわたり愛されてきた中国料理店「桃仙閣」の東京店として2020年にオープンしました。約60種もの料理から成るメニューは、ひと皿を少量から注文できるアラカルトが基本。人数や気分に合わせて自由に組み立てられるのが楽しく、多くの美食家からも支持されています。
「『ROKU〈六〉』の魅力は、日本ならではのボタニカルが織りなす繊細な香りです。なかでも山椒の清々しい香りは、中国料理との相性が抜群。花椒のようなスパイスを使った料理はもちろん、蒸し鶏や海鮮料理など繊細な味わいにも自然と寄り添ってくれます。ジントニックのように甘みを加えるよりも、ソーダだけで割ることでボタニカルの香りがより素直に立ち上がり、料理の風味を引き立ててくれます」
そう語ってくれたのは永井 周マネージャー。確かにマーボー豆腐や辣子鶏(鶏のからあげを唐辛子や花椒と炒めた四川料理)とも相性抜群でした!
サントリージャパニーズクラフトジン ROKU〈六〉
焼鳥にもジン!
かねてより焼鳥ととくに相性が良いと話題なのは「REISHI GIN,」。キーボタニカルである霊芝(レイシ)には、グルタミン酸・グアニル酸といったキノコ由来の旨み成分が含まれており、これらが鶏肉の旨み(イノシン酸)と重なり合うことで、味わいに奥行きが生まれるのだとか。
その「REISHI GIN,」 と焼鳥を一緒に味わえるイベントが「立ち飲み焼鳥 w/ REISHI GIN,」 。これまで東京、大阪、仙台などで過去4回開催していますが、人気のため、11月23日に第5回となる東京開催が決定したとか。続報をお待ちください!
REISHI GIN,
すしや日本料理にもジン!
繊細な旨味を大切にする日本料理やすしとも、ジンは驚くほど好相性。ボタニカルがもたらす爽やかな香りが魚介の風味を引き立て、ソーダの軽やかな泡が口中をリフレッシュしてくれるため、一貫、またひと皿と箸が進みます。
▲ 米国の大学でレストランマネジメントを学び、ニューヨークのレストランでソムリエとしてキャリアをスタートさせた木村好伸さん。名店「NARISAWA」で10年間ヘッドソムリエを務めた、日本を代表するペアリングのスペシャリストでもあります。
▲ 板場を預かるのは大森嗣夫さん。木村さんのお酒、大森さんのお寿司と阿吽の呼吸でコースがスタートします。
▲ 「鮨m」のマグロは人気マグロ仲卸の「結乃花」から調達。

▲ 米国の大学でレストランマネジメントを学び、ニューヨークのレストランでソムリエとしてキャリアをスタートさせた木村好伸さん。名店「NARISAWA」で10年間ヘッドソムリエを務めた、日本を代表するペアリングのスペシャリストでもあります。

▲ 板場を預かるのは大森嗣夫さん。木村さんのお酒、大森さんのお寿司と阿吽の呼吸でコースがスタートします。

▲ 「鮨m」のマグロは人気マグロ仲卸の「結乃花」から調達。
鮨といえば日本酒、あるいはシャンパーニュ──そんな常識を軽やかに覆してくれるのが「鮨m」(東京・青山)です。ソムリエ・木村好伸さんが料理に合わせて選ぶ秀逸なワインや日本酒はもちろん、ジンを使ったカクテルなども織り交ぜながら、一貫ごとに異なる表情を描くペアリングは実に独創的。
この日は、オランダ発の「ボビーズジン」をベースに、甘酒とミスティア(マスカットのリキュール)を加えてソーダでアップした、ユニークなカクテルをまぐろのお寿司に合わせてくれました。マグロの旨みをカクテルが出汁のように伸ばしてくれるようにも思え、もうひと口、もう一貫と食欲を増すペアリング、さすがです!

▲ ボタニカルのひとつに希少なハバノリを使い、磯の香りを感じさせる「SEACLIFF」ジン。
一方、熱海産のクラフトジン「SEACLIFF」をオンリストしているのは日本料理店「寛心」(東京・赤羽橋)。京都の名店「京都 吉兆 嵐山本店」で約20年に渡り研鑽を積み、「祇園HANA吉兆」の料理長も務めた中井甚恭さんが開いた日本料理店です。
最初のおまかせ3品のあと、約40種のアラカルトから自由に料理を組み立てられるスタイルが話題を集めていますが、お酒とのペアリングに柔軟な発想を取り入れるのもこの店の魅力。ソムリエでもあるマネージャーの新島弘明さんがプライベートでも愛飲するという「SEACLIFF」のジンソーダは、ボタニカルにハバノリを使っているため、ほのかに海を思わせる香り。繊細な出汁や旬の魚介のおいしさを一層広げてくれるようでした。
SEACLIFF熱海蒸溜所
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