2026.02.22
【第94回】 トリュフ探しの旅でラーメンを考える
収穫期真っ盛りの「トリュフ」はラーメンに使われる食材と相性抜群!
日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。
BY :
- 文/山本益博
- CREDIT :
写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)
日本初の料理評論家、山本益博さんが、B級グルメから一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンに注目し、自ら実食リポートする連載です。今回のテーマはいま、収穫期真っ盛りのトリュフとラーメンについて!

▲ トリュフ入りバターにトリュフのスライスをのせてシャンパンといただく。
豚ではなく訓練された犬がトリュフを探し出す
黒いダイヤモンドと呼ばれるトリュフは例年12月中旬から2月の下旬までが収穫期で、真冬の時季のフランス料理の大馳走である。 近年、日本でもトリュフオイル、トリュフ塩、トリュフのチップスまで販売されるようになり、かなりポピュラーになったが、その真価を知っている者は少ない。
バレンタインのトリュフチョコレートも、トリュフの香りがするチョコレートと思いこんでいる人がいるが、形状が似ているところから付けられただけである。近年、ラーメンにまでトリュフが登場するようになった。

▲トリュフは白身の魚とも相性がいい。
この2月、トリュフの採れる本場フランスのカオールへ出かけて、トリュフの妖艶な香りを楽しんできた。かつては豚がトリュフを探してきたが、豚はトリュフが好物で、探し出した途端、食べてしまう。 そこで、現在は、訓練された犬がトリュフを探し出す。
本物の真実のトリュフラーメンはいつ現れるのか
トリュフはわずかな塩を振ってそのまま食べても美味しいが、トーストしたパンに挟んでサンドイッチ、スクランブルエッグに刻んだトリュフ、オムレツにはスライスしたトリュフを加えると、効果絶大。妖艶な香りが爆発する。
採れたてのトリュフの香りはかすかだが、洗浄され選別された後のトリュフはガスが発散されるように、香りが周囲に放たれる。 香りが命だから、収穫されて1週間もすると香りは失せて、まるで消し炭同然である。

▲ スクランブルエッグにトリュフのみじん切りを贅沢に盛り付けた一品。
トリュフはフォアグラをはじめ、バターやクリームなどの油脂、卵、米や小麦、じゃがいもなどの地下茎の植物などと相性がいい。トリュフは豚が探し出すものだから豚肉やベーコン、鶏肉とも相性抜群である。 どれもこれも、ラーメンに使われる食材ばかりではないか。

▲ フォアグラとトリュフ、古典的な相性でフォアグラ料理の代表。
例えば、鶏肉の挽き肉に刻んだトリュフを加えてワンタンに、半熟玉子にはトリュフのピューレ、豚骨や丸鶏のスープにはスライスしたトリュフなど、ラーメンの具材として応用できるものがいくつもあるのではなかろうか?
今まで、トリュフを使ったラーメンをいくつもいただいてきたが、どれも説得力に乏しかった。 来年の真冬の時季に、本物の真実のトリュフのラーメンに挑戦する果敢な挑戦者はいないものだろうか?

▲ チーズを半割りにしてトリュフのスライスを挟み、翌日にいただくとチーズにトリュフの香りが乗り移る。

● 山本益博(やまもと・ますひろ)
1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

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