ライダースを丁度いい感じにする、３種の神器といえば？

ライダースジャケットの中でもとりわけ個性的なダブルライダースは、折に触れて無性に袖を通したくなる魔性のトップス。スムースレザーのそれが王道ですが、いかんせん無骨な印象が強く、お洒落に着こなすのが難しい難敵でもあります。

でもご安心あれ。小物を上手に使えば、お洒落の鍵となる“ちょいユル”な雰囲気や上品さを足すことが可能。ダブルライダースをスマートにこなす近道が、小物のセレクトにあるのです。

大切なのは、ライダースのハードなイメージと対照的なソフトな印象の小物を選ぶこと。ソフトな印象は、形であったり大きさであったり風合いであったり……、多彩な要素が織りなします。

というわけで、ダブルライダースを活かす３種の神器をピックしつつ、選びのツボ＆その効能をみっちり解説しましょう！

レザーライダースのハードボイルドな印象を和らげる三種の神器が、ボストン眼鏡と小ぶりな時計、白のレザースニーカー。それぞれ、丸みを帯びた形状やドレッシーな見た目、リラックス感と上品さの同居といった個性が、無骨さを中和するカギとなります。

こと表革のダブルライダースは、ハードな印象が際立ちます。上のライダースは美シルエット＆上質なレザーを用いた一着というのもあり、これはこれでサマになるものの、小物で“ちょいユル”を加えることで、お洒落度も好感度もぐっと底上げすることができます。そこで最も効果的なのが、上に挙げた“三種の神器”の投入なのです。

ウェリントンよりもラウンド感が強いボストンタイプの眼鏡は、優しげな印象を演出するのにうってつけ。ライダースの無骨さも、掛けるだけで自ずと和らぎます。お手本としてチョイスした眼鏡は、モスコットの「グルンヤ」。３ピンのカシメやキーホールブリッジといったクラシカルなディテールも、ハードな印象の中和に一役買ってくれます。

男性的なイメージの強い大径の時計ではなく、小ぶりでドレッシーなそれを選ぶことで、スタイルに品のよさや知的な印象を添えることができます。この時、あまりに小ぶりな丸形のモデルだとフェミニンな印象が前に出過ぎてしまうので、おすすめは写真のように程よく小ぶりなトノウ型やスクエア型。

モデル着用のフランク ミュラーの一本は、ケースに18Kホワイトゴールドを、ストラップにクロコ革を使用したもの。品格、リッチ感ともに申し分ありません。

クリーンで軽やかなイメージの白スニーカーは、ハードな印象の中和にうってつけ。ですが、ランニングタイプではスポーティな印象が強すぎて印象がチグハグになる懸念あり。キャンバスのそれもナシではありませんが、ユルくなりすぎる嫌いがあるので、イイ大人たるものここは上質なレザーのそれを選びましょう。

お手本にすべき一足は、ジョンロブの「ポース」。スニーカーでありながら甲にはUチップのようなタックが入っていて、上質なレザーがもたらす品のいい印象を後押し。ライニングとインソールを一体化させて縫い合わせるサチェット製法により、優れた軽量性と返りのよさを実現しているのもポイントです。

そして三種の神器を合わせて身に着ければご覧のとおり！ 丸みを帯びたボストン眼鏡のもつ優しい印象や、小ぶりな時計のもたらす品格、白のレザースニーカーのクリーンで軽やかな印象といったそれぞれの小物の個性が合わさって、レザーのダブルライダースの無骨な印象が中和されたのがわかっていただけるでしょう。アクセントの相乗効果で断然、洒落感もアップするのです。

ちなみに、パンツもぴたぴたのパンクなそれではなく、ワタリに程よいゆとりを備えた“ちょいユル”な一本を選ぶのが吉。カラーはモノトーンに徹して、上品かつクールにキメましょう。