いまの気分で選ぶ、大人なコートの条件

すでに冬用のコートは購入済みと思われるのですが、今年は例年になくまだまだ寒い日が続きそうです。なので、もう一着あってもいいですよね？ いまから手に入れるなら、いつも愛用するラグジュアリーブランドで、ちょっとばかり目を引くタイプを選ぶのはいかがでしょう。

しかも、できればトレンドを加味しつつも、着こなしの幅が広くて、いざという時に重宝するものがいいんじゃないかなと。そうなると、選びのキーワードは「ゆったりボディ」。

で、それってどんなのかというと、まずただサイズが大きいというわけじゃないってのがキモ。サイズは合っているのに肩のラインが落ちていたり、身幅が広めにとられていたりと、計算された大きめシルエットのことなんですよね。

着慣れていないサイズ感に、はじめは少々落ち着かないかもしれませんが、クラシックコートのように「中に着るジャケットやニットのサイズ感を注意しないとパツパツで動きにくい……」、などと考える必要はありません。

コート一着でサマになるうえ、なんといってもインに着る服を選ばないのが実は大人におすすめする理由。薄手のダウン、モコモコニット、Gジャン、ウールのジャケットetc.……、何をインナーに持ってきてもシルエットが崩れませんし、前を全開で着れば、自分なりの重ね着を披露する楽しみも広がります。

いちいちコーデに悩む必要もありませんし、いつもの着こなしを変えたい時の救世主として、クローゼットに備えておいてソンはありませんよ。

80年代を彷彿とさせるシェトランドウールのダブルブレストコート。クラシックなディテールと膝下の着丈は、いかにもマエストロらしい優雅なフォルムで、衿を立てて着るのも似合うはず。

当時と違うところがあるとしたら、ラグランスリーブでゆったりと肩をドロップしているところと、シェトランドウールが当時より遥かに希少なものとなっているところでしょうか。ライニングも素晴らしくラグジュアリーなので↓をご覧ください。

キルティングのライニングには「VIA Borgonuovo 11 Milano」と、とある場所のアドレスを刺繍。イタリアのラグジュアリーメゾンがよくやる手ですが、最近のアルマーニはカジュアルウエアのロゴにも使ったりしています。ブランドの存在感を背中で感じながら、着こなせます。

カシミア混のコートはベージュの色味がいかにもラグジュアリーなアウターです。ドルマンスリーブ風の作りゆえ、フライフロントのボタンをきっちり留めればステンカラー風のルックスで、前を開けてゆったり羽織るように着ればオーバーサイズ感も増して今風です。

たっぷりとした身幅からドロップするショルダーは、まるでポンチョのようなシルエット。インナーを選ばない着方ができそうです。

フットボールのユニフォームに付けられているようなワッペンが、ペタペタと貼り付けられたデザインが楽しいコート。名称は「コットン マイクロ チェック フットボール・パッチ トレンチコート」ですが、形はステンカラーですね。

タッターソール風のチェック柄を使ったクラシックな表情に、こういう遊び心、カスタム感があったり、古着風だったりして、モード系だけじゃなくてアメカジや古着好きにも支持されそうです。

架空のクラブ・チームのワッペンを、カスタム風に貼り付けたステンカラーコート。シルエットは結構ボディが大きく、バックも余裕あるシルエットなので、クラシックなコートとは一線を画す今っぽいフォルムを描いています。