「ボッテガ・ヴェネタ」は、デジタル時代のゲームチェンジャーとなるか?

革新は当たり前を疑うことから始まります。──2010年代を過ぎて、すっかり私たちの当たり前となったのがSNS。誰でも情報発信できる環境は一見自由のようで、プラットフォーマーのルールに縛られます。さしずめ、お釈迦様の手中の孫悟空といったところ。

もちろん、SNSは思いがけない出会いやムーブメントを生み出してくれますが、情報の洪水に過剰に翻弄されることは、多くの人にとって本意とは言えないでしょう。

そんな流れに一石を投じるのが「ボッテガ・ヴェネタ」のデジタルジャーナル「Issue」です。

そもそも、「ボッテガ・ヴェネタ」の模索は今に始まったことではありません。2018年に新クリエイティブ・ディレクターにダニエル・リーが就任して以来、2021年のコレクションはミラノ・ファッション・ウィークに参加せず独自に展開。今年のはじめには、公式SNSの削除でも話題になりました。

「ボッテガ・ヴェネタ」にとって「Issue」は、SNSに代わるデジタルの窓口であり、かつ自由な表現への挑戦でもあるのです。ダニエル・リー氏は「私たちはデジタルの力や影響力に価値を見出し、信じてもいますが、解放とよろこびの感覚をもたらす私たち独自のスタイルも加えたいと考えています 」と述べています。

画像とムービーとをシームレスにスワイプできる仕様で、ゼリーにようになめらかな挙動は、たしかに新感覚。そして、絶対にヘッドホン推奨です！ 

今後の更新頻度は、コレクションアイテムが店頭に並ぶタイミングで、年に4回を予定しているそう。イマジネーションが膨らむデジタル体験を、どうぞ。