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2025.12.14

万年筆の名門「モンブラン」からデジタルペーパーが登場。ディープシンキングを助けるデジタルツール!?

デジタル機器でありながら、手書きの自然な味わいが楽しめる新感覚デバイスとして注目を浴びる「モンブラン」の『デジタルペーパー』。使うことでクリエイティビティが刺激されるスペックは、いかにして開発されたのか? 開発の責任者フェリックス・オブシェンカさんへのインタビューから、その秘密に迫ります。

BY :

文/長谷川 剛
CREDIT :

取材・編集/岸澤美希(Web LEON)

万年筆の名門モンブランが打ち出す新感覚のデジタルペーパー

「モンブラン デジタルペーパー」12万6500円/モンブラン(モンブランお客様サポート)
▲ 「モンブラン デジタルペーパー」12万6500円/モンブラン(モンブランお客様サポート)
パソコンや携帯電話が著しく発達・普及したことから、紙とペンを使う機会が減りつつある現在、このままさらに電子タブレットなどのデバイスが広まるとなれば、アナログの筆記具はより影を潜めてしまうのかもしれません。

しかしだからこそ、手で書くという行為が特別なものとして、改めて注目すべき余地があるとも言えます。

万年筆の名門であるモンブランが打ち出すデジタルペーパーは、まさにアナログならではの書き心地にフォーカスした新感覚のデバイス。その特筆すべき魅力を、開発の責任者フェリックス・オブシェンカさんに直接伺ってみました。
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最大の違いは、手書きの味わいへの追求

フェリックス・オブシェンカさん モンブラン 万年筆
── 昨今、タブレットなどのデジタル筆記具が多くのメーカーから打ち出されています。一方でモンブランは、すでに万年筆などを筆頭に、高級筆記具のメゾンとしての地位を確立した存在。新たに開発されたデジタルペーパーには、万年筆の名門としてどのような意図を込めたのでしょうか?

フェリックス・オブシェンカさん(以下フェリックス) 確かに我々は、1906年から今日に至るまで、万年筆を始めとする筆記具を扱ってきた古参ブランドです。いわば常に、紙とペンによる手書きの味わいとその素晴らしさを広めてきたとも言えます。翻って現在は、手書きに代わって電子タブレットに付属するペンで何かを書くというスタイルが台頭してきました。ただし、それらはタブレット機能の延長から生まれた筆記形式であり、我々のデジタルペーパーとはスタンスが少々異なります。
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── その違いとは、手書きならではの自然な味わいをデジタル的に追求したということ?

フェリックス その通りです。先行する電子筆記具の多くは、タブレットありきの開発であり、どちらかというとペンは後付けの発想です。またそのタブレットの多くも、できるだけ薄く低コストに仕上げ、買い求めやすさを差別化のポイントとしています。

しかし我々は、手で書くことの心地良さや楽しさ、繊細で豊かな味わいをデジタル的に表現することを立脚点としており、それゆえにペンから開発を始めているのです。

── 昨今は合理化の観点や環境的な配慮からペーパーレス化が進んでいます。その一方で、手書きが記憶の定着に与える効果が科学的に示され、“教育先進国”とされるフィンランドやスウェーデンでは脱デジタル化の動きもありますね。そういったタイミングでのこのデジタルペーパーのリリースは、非常に意義があるように感じます。
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フェリックス とても貴重な意見に感謝します。デジタル社会において高効率化は是であり、それゆえに情報過多の環境が当たり前となりつつあります。

ただ我々は常に、モンブランのアイテムを介して人間の未来がより良いものとなることを目指しています。人間には感情があり、その共感が社会や文化の深まりをもたらします。我々はそのような人間性をとても大切にしています。

だから日々の生活に寄り添うツールは、できるだけ自然な感覚のものであることが理想的。デジタルペーパーの開発は、昨今の合理社会に適合しつつも、手書きの味わいを理想的に実現させようというチャレンジの繰り返しでした。
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3つのチップで自分好みの書き味を見つけられる

── なるほど。その理想的な手書きの味わいを完成させるために、実際にどのような取り組みがありましたか?

フェリックス 手書きというアクションは、やはり脳と自然な繋がりを持つもの。キーボードやマウスを介して書き留めることとはまったく異なります。そこで多くの筆記に関する専門家にお会いし、たくさんの議論を重ねました。

理想の書き心地を定義するために、「どういう書き心地が最高ですか?」と100人以上の方にリサーチしました。ですが結果として、答えをひとつにはまとめられませんでした。

例えば、紙がペンに触れる際の摩擦にこだわる人もいれば、筆記時の音が気になる人もいます。また、速く書き留めたい人は摩擦が余計だと指摘します。つまり書くという行為は、非常に個人的かつ主観的なものということが改めてわかったのです。

── そこで結果的に、ペン先となるチップを3種作り出したのですね。

フェリックス そうです。「リネン」「マット」「スムース」と名づけた3種の交換可能なチップは、先ほども申し上げた多くのリサーチをフィードバックし、開発したものです。

「リネン」はしっかりとした書き心地。柔らかな抵抗感と操作性のあるチップです。「マット」は上質なマット紙に書くかのごとく確かな書き味と、流れるような筆運びが楽しめます。「スムース」は滑らかな紙の上を滑るような書き心地が味わえるもの。指先の繊細な動きに反応し、自然で滑らかな書き味が特徴です。

── 日本のボールペンはロープライスなものも書き味が良いということで海外旅行者がよくお土産にしていると聞きますが、それは日本人の筆記具へのこだわりのあらわれとも言えるでしょう。その意味で、自然な書き味にこだわりを尽くしたデジタルペーパーは、日本人の琴線にヒットするように思います。

フェリックス それはうれしい意見です。実際に、日本の多くのテクノロジー企業と我々は協業してきました。私はドイツ出身ですしモンブランもドイツのブランドですが、今回の開発を通して日本とドイツの筆記文化は非常に似ているとの実感がありました。
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手書きによって思考がより深まり、創造的になる

エンボス加工のエンブレムが配されているところも、クラフツマンシップにこだわるモンブランらしいポイント。ブラックのほか、ブラウン、グレーのカラー展開も。
▲ エンボス加工のエンブレムが配されているところも、クラフツマンシップにこだわるモンブランらしいポイント。ブラックのほか、ゴールド、グレーのカラー展開も。
── さて、Web LEON読者にはエグゼクティブやライフスタイルにこだわりをもつ大人の男性も多いです。そんな男性たちに、このデジタルペーパーをどのように使ってほしいとお考えですか。

フェリックス 手書きという行為により、人間は深く考えることができると思います。そしてその思考の産物をしっかり書き留めることが、ディープシンキング、もしくはクリエイティブシンキングに繋がるものと考えます。

手で書くことを日常化させることで、毎日の生活にクリエイティブな選択肢が増えることは確実です。そして、デジタルペーパーは、よりパーソナルかつエモーショナルな感情を表現することにも適しています。それが人生をより豊かに導いてくれるでしょう。

ですから、例えば意中の人に想いを伝えたい時など、デジタルフォントではなく手書きのメッセージで伝える方が、感情のリアルさを乗せられるはず。これは自身の経験としても言えることです(笑)。もちろん、女性にも手書きの素晴らしさをこのデジタルペーパーで味わってほしいと願っています。

そしてやはり、モンブランの製品が常にそうであるように、高級な素材と洗練された仕上がりも特徴ですね。デスクやテーブルに置いた時、「あ、すごく綺麗で美しい!」と誰もが感じるデザインも、この製品の大きな魅力です。
フェリックス・オブシェンカ モンブラン 万年筆

● フェリックス・オブシェンカ

モンブラン ニューテクノロジー ディレクター。ベルリン自由大学にて博士号を取得。ロンドン ビジネススクール客員研究員、ベルリン工科大学にてディプロマを取得。2014年にモンブランに入社し、ニューテクノロジー部門にてキャリアを積む。2019年より現職。

■ お問い合わせ

モンブランお客様サポート 0800-333-0102

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