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2019.10.14

【プロが解説】自分史上、最高の音質を手にする方法

プレイヤー、アンプ、スピーカーを全てハイエンド機で揃え、完璧なセッティングのリスニングルームを作り出すことは、オヤジにとって最高の贅沢。とは言え、いきなり数百万の出費とスペースの確保は厳しい…。そこで、最高音質で楽しむ近道をここに伝授。

CREDIT :

取材・文/川瀬拓郎

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いま最高音質といえばハイレゾ

アナログレコードが若者の間で再認識されているという。小学生の頃、なけなしのお小遣いを握りしめて、駅前のレコード屋でドーナツ盤を買ったことがあるというオヤジからすれば、そんな状況も微笑ましく思えるもの。しかし、もはや膨大なCDとデジタル音源がある今、アナログで全て買い直すのはあまりに非現実的。

そもそも、アナログレコードがデジタル音源よりも音質が優れているというのは、客観的かつ理論的な根拠に依るものではなく、ある種の懐古趣味にしか過ぎないのが実情です。なぜなら、従来のCDを凌駕するハイレゾ音源が登場したからです。

事実、多くのハイエンド機を自宅に揃えるオーディオマニアも、もはやアナログレコードではなく、ハイレゾ音源へと移行しているのです。往年の名盤や名演が次々とハイレゾ化されていることも追い風になっています。そんなハイレゾのパフォーマンスを余すことなく楽しむなら、どんな手段があるのでしょうか?

日本一の品揃えを誇り、プロミュージシャンからアスリートまでが最高のイヤホン・ヘッドホンを買い求めに訪れる、e☆イヤホン秋葉原店の副店長・佐藤さんに話を伺ってきました。
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予想外なハイレゾユーザーの実態!

最近になってハイレゾ音源が話題になっていますが、実際に店頭でハイレゾ需要の高まりを感じることはありますか?

「一般的なリスナーは、CDからリッピングするか、ダウンロードもせずサブスクリプション(定額制音楽ストリーミング)サービスで音楽を楽しんでいる方が多いようです。すでに普及しているMP3やAACといった圧縮音源よりも高音質な、ハイレゾ音源を求める方は、全体の5%にも満たないという印象ですね」

ハイレゾを楽しんでいるのは、まだ少数派なのですね。それでは、そうしたリスナーというのは、どういったジャンルの音楽ファンなのでしょう?

「ハイレゾ音源を楽しんでいるリスナーには、実はアニメファンが多く含まれています。ハイレゾ音源配信サイトのランキングを見てもらえれば一目瞭然です。一般的な音楽配信サイトのラインキング上位に入るアーティストが上位に来ることは予想できますが、ハイレゾの人気曲はアニメソングが圧倒的に多いんですよ」

完全に予想は覆された…。LEON世代であれば、往年のモダンジャズやフュージョン、スティーリー・ダンに代表されるAORやシティポップなどが思い浮かぶが…、なんとハイレゾ利用者の多くはアニソンを聴いているのだという。

「往年のオーディオファンは確かにそういったニーズですよね。でも、e☆イヤホンだからアニソンファンが多いというわけではないのです。そうしたお客様は、ハイレゾで明らかに音質が良くなる、リスニング体験の質が上がるということが分れば、ちゃんとそこに投資する方が多いです。アルバムランキングでは、多少ヒットの傾向が変わって、往年のアーティストが出てくるのですが、それでもやっぱりクイーンなど、一般的なリスナーの間でも大きな話題になったバンドやアーティストがほとんどですね」

DACとヘッドホンさえあればいい!

では、そうしたハイレゾ音源の実力を余すことなく再現させるために必要なオーディオ機器とは?

「まずはPCからUSBで接続して、デジタル信号をアナログ信号に変換するDAC(デジタル/アナログ・コンバーター、ダックと読む)が必要となります。最近は、アンプ内蔵の一体型がほとんどで、省スペースな据え置き型が人気です。入門機は国内ブランドで5万円前後から、海外ブランドで10万円前後からあります。次はやっぱりヘッドホンです。ハイエンド機とされるものの価格帯は15万円以上100万円未満といった具合で、20万円から30万円のモデルが多いですね」

音声信号の流れは、従来のプレイヤー→アンプ→スピーカーではなく、PC→アンプ内蔵DAC→ハイエンドヘッドホンというわけですね。それでは、高音質の近道となるアンプ内蔵DACとヘッドホンの組み合わせ例を教えてください。
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● SENNHEISER 「HD 800 S + SENNHEISER / HDV 820」

オーディオマニアも一目置く実力派ブランドで揃える

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ヘッドホン17万4000円、アンプ27万円/ともにSENNHEISER(ゼンハイザージャパン株式会社)
「もはやオーディオ業界でのスタンダードとして広く認知され、ミュージシャンやエンジニアからも高い支持を得ている名器が、ドイツ“ゼンハイザー”のHD800シリーズです。広大な音場とフォーカス感の高いサウンドを得意としています。モデル名にSが追加されたこちらの新型では、より低音が強化されたことで、これまで物足りないとされがちだったダンスミュージックもしっかり楽しめるようになりました。ボディは高級感のあるブラックとメタルを巧みに組み合わせており、ソリッドな美しさが光ります。このヘッドホンに最適なアンプ内蔵DACは、やはり同ブランドのHDV 820ですね。ほとんどのヘッドホンの入力端子をカバーできる3タイプを装備しています。ハイレゾを手軽に、かつスタイリッシュに楽しむには最適な組み合わせです」

● FINAL 「D8000 + BURSON AUDIO / Conductor V2+」

日豪の新鋭によるデザインコンシャスなタッグ

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ヘッドホン40万5556円/FINAL(final サポートセンター)、アンプ8万3315円/BURSON AUDIO(株式会社アユート オーディオ事業部)
「国内のプロミュージシャンがリファレンス用ヘッドホンとして愛用し、オーディオファンの間でも評価が高まっているのが、国内ブランド“ファイナル”のD8000シリーズ。アルミマグネシウム合金の切削ボディも美しい、メイド・イン・ジャパンの芸術品といえる逸品。この価格帯では抜きん出た存在になっています。こちらもゼンハイザーと同じく開放型の本体構造で、長所である音場の広がりはそのままに、弱点だった低音を強化しています。粒立ちが細かく、再現性の高い音で、音楽により一層没頭できます。また、合わせたいアンプは、オーストラリアのメルボルンに拠点を置く、新興オーディオブランドの“バーソン オーディオ”。パワーもしっかりあって、最新の入力規格にも対応できます。シルバーを基調としたソリッドで洗練されたデザインも人気です」
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● ULTRASONE 「Edition 15 Veritas + MARANTZ / HD-DAC1」

ハイエンドの名に恥じない密閉型ヘッドホン最高峰

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ヘッドホン33万3315円/ULTRASONE(株式会社アユート オーディオ事業部)、アンプ9万9000円/MARANTZ(D&M お客様相談センター)
「構造上どうしても音漏れが発生してしまう開放型が苦手という方や、低音重視の方におすすめしたい究極の密閉型ヘッドホンが、ドイツのハイエンドオーディオブランドである“ウルトラゾーン”です。このブランドは特許取得した独自機構が多いことが特徴で、こちらのヘッドホンも耳に対して平行ではなく、角度を付けてドライバーユニットを設置しているのが斬新。見通しのよいクリアで高解像度な音が体験できます。アメリカンチェリーウッドを用いたハウジングや、シープスキンレザーのイヤーパッドなど、素材使いからも高級感が漂います。長時間着けていてもストレスを感じさせない装着感も、このブランドの得意とするところです。組み合わせるアンプにも、木目調素材がアクセントのマランツを選びました。老舗ブランドのロングセラーモデルです」

百聞は一聴にしかず! まずは体験すべし

取材時にはこれら3種の組み合わせで、ジャズやポップスを視聴したのですが、信じられないくらい広い音場が得られたことに驚きました。しかも、それぞれの楽器がしっかり分離して聴こえ、粒が立っているように感じられたのです。開放型は自然な広がりが、密閉型は圧倒的な没入感が味わえるので、好みで選べばよいでしょう。

50万円で自室をプロ並みのリスニングルームへと変貌させ、次々とハイレゾ化されているジャズやAORの名盤を、好きな時間帯に、心ゆくまで楽しみましょう。貪るように音楽を聴き込んでいた、あの頃の興奮が再び呼び戻されるはず。こんな音楽体験を一部のファンだけにとどめておくのはもったいない。オヤジたちよ、今こそハイレゾなのです!
※掲載商品はすべて税抜き価格です
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今回取材に対応していただいたのはこの方

e☆イヤホン 秋葉原店の副店長・佐藤さん。ハイレゾに精通し、ハイエンドなヘッドホンに関する商品知識は圧倒的。あれこれ視聴して迷ったら、佐藤さんに相談してみては?

今回ご紹介した製品はこちらで試聴できます!

e☆イヤホン 秋葉原店
住所/東京都千代田区外神田4-6-7 カンダエイトビル1F、7F、8F
TEL/03-3256-1701
営業時間/11:00~20:00 年中無休
HP/https://www.e-earphone.jp/

■ お問い合わせ

株式会社アユート オーディオ事業部  03-6739-3938
ゼンハイザージャパン株式会社 03-6406-8911
D&M お客様相談センター 0570-666-112
final サポートセンター http://snext-final.com/

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