2026.07.19
【試乗リポート】新たなベストセラー現る!? 「アウディQ3」はデザイン、性能、価格、すべてが見ドコロ!
2026年5月、アウディのベストセラーモデルであるコンパクトSUV「Q3/Q3 Sportback」が第3世代へとフルモデルチェンジした。デザイン、デジタル機能、効率性のすべてにおいて進化を果たした新型の仕上がりをチェックしてみた。
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写真/アウディ ジャパン 編集/森本 泉(Web LEON)
世界累計200万台売れたコンパクトSUVが新型に

アウディQ3は初代の登場以来、全世界で累計200万台以上が販売されたプレミアムコンパクトセグメントにおけるベストセラーモデル。日本市場においてもちょうどいいサイズ感から人気のSUVであり、先代が登場した2020年以来、約6年ぶりにフルモデルチェンジされた。
第3世代となったQ3のプラットフォームは、VWゴルフⅧと同じくMQBevoを採用する。これによってデジタル機能や効率性で大幅に進化している。

▲ ボディタイプはSUV(写真左)とSportback(右)の2種類。前者にはルーフレールが備わり、後者はよりクーペルックな形状となっている。
ボディタイプは従来同様にオーソドックスなSUVとクーペルックのSportbackの2種類で、FWDモデルには最高出力150PS/最大トルク250Nmを発揮する1.5リッター直4ターボを、クワトロ(4WD)モデルには204PS/320Nmの2ℓ直4ターボと、トランスミッションはともに7速Sトロニック(DCT)を組み合わせる。

▲ 目のように見えるのはLEDデイタイムライトで、配光バリエーションを選択可能。その下に配置されているのが13mmのヘッドライトモジュールに25600 個のマイクロLED を搭載したデジタルマトリクスLED ヘッドライト。
ボディサイズは全長4530mm、全幅1860mmで全高はSUVが1610mm、Sportbackが40mm低く1570mmとなっている。エクステリアデザインは現行のA5などの流れをくむ新世代のもので、面の張りやうねりで力強さを表現している。アウディといえばの八角形のシングルフレームグリルや伝統ともいえる大きく張り出したリアのブリスターフェンダーも健在。
フロントマスクにある細く切れ上がった目のように見えるのは配光を変えられるLEDデイタイムライトで、ヘッドライトはその真下にあるエアインテークを模したガーニッシュと一体化されている。

▲ デジタルマトリクスLED ヘッドライトには出発と帰宅時に車両前方にアニメーションを投影するカミングホーム/リービングホーム機能などを搭載。
クワトロモデルに標準装備(FWDモデルにはオプション設定)されるデジタルマトリクスLED ヘッドライトは、幅約13mmのヘッドライトモジュールに25600 個のマイクロLED を搭載して照射性能が大幅に向上するとともに、これまでにない高解像度のライティングを実現。たとえば、出発と帰宅時に車両前方にアニメーションを投影するエンターテインメント機能や、高速道路を走行時に2本のラインを投影して車線中央を走行するのを促進、また車線変更をアシストしたり、外気温が一定温度を下回ると雪の結晶のマークを路面に投影するなどといった安全運転支援機能も備わっている。
操作しやすく使い勝手のいいインテリア

▲ 11.9インチと12.8インチを横長に組み合わせた上位モデル譲りのデジタルステージを採用する。
インテリアも最新世代のもので、ドライバーの目の前に11.9インチの、中央に12.8インチの2つのディスプレイを横長に組み合わせた上位モデル譲りのデジタルステージを採用する。ディスプレイ下部にはエアコンの操作メニューを、右端にはメニューバーを常時表示。そしてエアコンの吹き出し口の下にはドライブセレクトやハザードなど物理スイッチが整然と並ぶ。
今回、この新型Q3から新たに装備されたのが「インテグレーテッドスイッチモジュール」。ステアリングコラム上に左右に1本のバーがのびており、右側にシフトセレクター、左側にウインカー、ライト、ワイパーなどの操作系を統合したものだ。

▲ インテグレーテッドスイッチモジュールの右側には、シフトセレクターを配置。節度感がよく、ブラインドでも操作が可能。
とてもシンプルなものだが、使い勝手はいい。ウインカーはもとよりシフト操作もステアリングを握ったままできるし、節度感がちょうどいい。運転中によく行う操作はほぼブラインドでできる。そしてセンターコンソールからシフトセレクターがなくなったことで、収納スペースが拡大している。

▲ コンパクトであっても4:2:4の分割可倒式リアシートを採用。真ん中だけを倒して長尺ものの搭載も可能。トランク容量は通常時は488ℓで、最大1289ℓに拡大。
今回の試乗車はQ3 Sportbackクワトロだった。定評ある2.0TFSIエンジンは最高出力204PSといまどき派手なスペックではないけれど、1500回転から最大トルクを発揮しとても扱いやすい。クワトロはFWDベースで電子制御式の多板クラッチを介して必要に応じてリアへと駆動配分するオンデマンド式だ。
電制ダンパーも自動駐車システムもついてこの価格は……

▲ テールランプもLEDの配光を選択可能。リアのアウディのリングはブレーキと連動して赤く点灯する。
新型Q3で注目なのが、本国ではオプション扱いとなっている2バルブ式電子制御ダンピングコントロールサスペンションを標準装備していること。これは縮み側と伸び側を独立してコントロールする2バルブ構造により、減衰力をより短時間かつ緻密に制御可能で高い応答性と滑らかさを両立する。アウディとしてはe-tron GTに続く、2例目の採用という。
足元にはオプションの19インチタイヤ(ブリヂストン製TURANZA6エンライトン)を装着していたが動き出しは実になめらかで静粛性も高い。首都高速も走行してみたが、ジョイント部分でも大きな突き上げを感じることなく、路面からの入力をタタンと軽やかにいなす。
可変式ステアリングのハンドリングも実に軽快で、ドライブセレクトによって走行モードを「balanced」から「dynamic」へと変更するとより動きがシャープになると同時に、エンジン音がわずかに高まった。スピーカーによって4気筒エンジンの音を増幅するちょっとした演出だが、そのボリュームがちょうどいい塩梅で運転が楽しくなる。

▲ 画像はSUVでオプションのSラインパッケージ装着車。内外装がスポ−ティな仕様となり、ホイールは19インチにサイズアップ。

▲ レザーシートパッケージではSラインのロゴが入ったレザーとアーティフィシャルレザー(合成皮革)を組み合わせたスポーツシートになる。
少しだけ、FWDのSUVも試してみた。ひとりでドライブするぶんには150PSでもまったく問題はない。クワトロに比べて車両重量が約100kg軽いこともあってとても軽快に走る。
標準の18インチタイヤには欧州でシェアを拡大しているネクセン製(N FERA Sport)を装着していたが、乗り心地はもとよりその静粛性の高さに驚いた。そしてこの1.5リッター仕様のほうはマイルドハイブリッド機構を備え、気筒休止まで備わっているだけに燃費がいい。カタログ値(WLTCモード)はクワトロが12.1km/Lなのに対して、15.6 km/Lとなっている。市街地をメインに使うのであればこちらのほうがいいかもしれない。
さらに今回は試せなかったが、駐車のために一度走行したルートを記録し、次回以降はシステムが自動で駐車してくれるメモリー機能や、例えば細い道で前方からクルマがきて下がらなければならなくなったような場面で、前進時の走行ルートを自動的に記録し、その記録に基づいて自動でバックしてくれる、リバーシングアシスト機能まで標準装備する。
それでいてFWDのSUVでスタートプライスは550万円、最上位グレードのクワトロSportbackでも628万円とかなり戦略的な値付けになっている。新たなベストセラーモデル登場の予感だ。

■ Audi Q3 Sportback TFSI quattro 150kW advanced
全長×全幅×全高/4530×1860×1570mm
ホイールベース/2680mm
車両重量/1700kg
エンジン型式/直列4気筒ターボチャージャー
総排気量/1984cc
最高出力/204PS/4500-6000rpm
最大トルク/320Nm/1500-4400rpm
駆動方式/4WD
トランスミッション/7速DCT
乗車定員/5
車両本体価格/628万円
■ 公式サイト

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