2017.09.01

スーパーGT第6戦@鈴鹿1000㎞でLEON RACING今季初優勝!

取材・文/近藤高史(本誌)
今年も8月の最終週の週末、気温30℃、路面温度47℃というコンディションのなか、スーパーGT第6戦が行われた。

例年、三重県・鈴鹿サーキットで行われるこのレースは1000㎞に及ぶ長丁場。ほかのサーキットでは通常300㎞で行われることから見ても、約3倍以上という走行距離は残暑厳しいこの季節、その過酷さは数字では表せないほどのものとなる。LEON RACINGチームのファーストドライバー・黒澤治樹選手をして「フルアタックすると、あとの体力がもたなくなるほど」というのだから、推して知るべしだ。しかし、他のレースが優勝すると20ポイント付くのに対し、ここ鈴鹿では25ポイント。そのため年間シリーズも終盤に差しかかり、1ポイントでも妥協の許されないレース展開が繰り広げられる。タイトル争いの行方を占う意味で、非常に重要なレースとなるのだ。

その長い走行距離のため、鈴鹿では5度のピットインとドライバー交代が義務付けられている。チームによっては臨時ドライバーを雇い、3人体制で臨むところもあるほどだが、LEONはあえて変わらずふたり体制。黒澤選手と蒲生尚弥選手のコンビは何があっても不動なのだ。そんな不動のふたりを擁し、今季初優勝を狙いたいLEON RACING。30台中、予選は無難に9位を獲得し、5列目、9番グリッドからの決勝を迎えることとなった。

実はLEON RACING、直近の2レースでファステストラップ、レース中の全チームの中で最速タイムを獲得している。つまり、現在、非常にクルマのセッティングバランスが良く、ドライバーとも合っている、ということ。そのため、低速から中速、高速コーナーが混在し、長いストレートもあるテクニカルコースの鈴鹿は得意コースなのだ。第5戦を終えた時点でポイントランキング6位、ウェイトハンデ54kgを積むMercedes-AMG GT3を駆るLEON RACINGにとって、優勝を狙うまたとないチャンスが巡ってきたのだ。
そして迎えた決勝。黒澤選手が乗り込んだ65号車LEON RACINGは、なんと1周目でピットイン。コレには観客はもちろんのこと、関係者、プレス、他チームの誰もが驚いた。いったい何があったのだろうか、と……。だがこれは監督を中心にドライバーが練りに練った一大作戦。9番手でレースに臨んでも、前後にライバル車両がたくさん団子になっていて思うように走れないなら、一度ピットに入って1/5回の交代を終わらせ、他チームがいない空いたコース上を気持ちよく走ろうという作戦だったのだ。これがずばり的中。他チームとの差を1周にして1~3秒も縮めていき、ついにレース折り返し点で4位にまで浮上。あとはメダル圏内というところだったが、LEON RACINGが取った作戦は安全策ではなく、あくまでトップを取ること! 

そこからさらにプッシュし、2位にまでポジションを上げて最後の交代を終えたのが131周目。その時点でトップとのギャップは約10秒差。ここから蒲生選手の怒濤の追い上げ劇が始まった。1周ごとに1秒、コンマ5秒と縮めていき、ついに150周目で前を行く25号車をとらえると、ストレートでスリップストリームに入り、そのまま第一コーナーでアウトから電光石火のパスに成功! まるで絵に描いたような追い抜き劇を演じて見せたのだ。
 
あとは後続と同タイムでチェッカーフラッグをくぐるだけ。こうしてLEON RACINGは見事、優勝を飾ったのだ。これで鈴鹿1000㎞特別ポイントも加算され、年間シリーズで1位に躍り出た。とはいえ2位とはたったの4ポイント差。5位までが次戦でトップを狙える大激戦。「シリーズ優勝へ向けてますます気を引き締めて頑張ります」と黒澤選手が語れば、蒲生選手は「AMGとブリヂストンタイヤのマッチングが良くなって素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれて、気持ち良く走れました。残り2戦。タイも、もてぎもクルマ的に合っているコース。2勝目も期待できると思うので頑張りたいです」と心強い。

次戦は10月7日にシリーズ唯一の海外開催であるタイ戦。最終戦へ向け、そしてシリーズ優勝へ向け、LEON RACINGの戦いぶりにご注目いただきたい。

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