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2026.03.28

知る人ぞ知る!? ドイツ時計の名門「グラスヒュッテ・オリジナル」で見つけた個性派『セブンティーズ』の物語

腕時計のプロたちが魅了された一本をリコメンドする本企画。今回は時計ジャーナリストの篠田哲生さんが「グラスヒュッテ・オリジナル」」の『セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイト』を選びました!

BY :

文/篠田哲生
CREDIT :

編集/岸澤美希(Web LEON)

腕時計のプロたちが魅了された一本をリコメンドする本企画。今回、時計ジャーナリストの篠田哲生さんが選んだのは、「グラスヒュッテ・オリジナル」のセブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイトです。

選者:時計ジャーナリスト 篠田哲生

ドイツの時計文化を継承する「グラスヒュッテ・オリジナル」

「セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイト」自動巻き、SSケース(40mm)、ラバーストラップ。10気圧防水。211万2000円/グラスヒュッテ・オリジナル(グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座)

▲ 「セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイト」自動巻き、SSケース(40mm)、ラバーストラップ。10気圧防水。211万2000円/グラスヒュッテ・オリジナル(グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座)

連載 一本取られました 腕時計 プロが選ぶ
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ドイツ高級時計の中心地は、ドイツの東側に位置するザクセン州グラスヒュッテ。この地の時計の歴史を語る時、冷戦時代に東独政府によって国営化されたという事実から逃れることはできません。


そしてそれは多くの場合、“艱難辛苦の物語”として語られます。しかし、そのすべてが暗黒だったのか? グラスヒュッテ・オリジナルの時計からは、歴史のもうひとつの側面が見えてきます。


スイスの時計業界は冷戦下の1970年代、日本発のクォーツ革命とアメリカのインフレ不況によって大打撃を受け、市場規模は1/3に縮小。多くのブランドが存続の危機に立たされていました。 


生き残りをかけたブランドたちは、時代遅れの機械式時計を捨ててクォーツ技術に注力し、結果として伝統と文化が消え去る瀬戸際に追い詰められてしまったのです。

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しかし、ドイツの時計産業の場合、東ドイツ圏となったグラスヒュッテの時計会社たちが政府によって「グラスヒュッテ国営時計工業(Glashütter Uhrenbetriebe、通称GUB)」へと統合されたたため、世界的な不況や技術革新の大きな波とは、ある意味無縁でいられ、市民のための良質な時計をコツコツと製作し続けることができました。


もしもグラスヒュッテの時計ブランドたちが国営化されていなかったら、スイスよりも規模の小さなドイツの時計文化は消え失せていたでしょう。そう考えると、国営化は必ずしも暗黒時代では無かったのかもしれません。


このようにドイツ時計史の側面からとらえると、グラスヒュッテ・オリジナルのセブンティーズが特別なものに思えてきます。

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同ブランドは、1990年の東西ドイツの再統合によって役目を終えたGUBの膨大な資料と過去の優れた時計、そしてノウハウを受け継いだグラスヒュッテの時計文化の正当な継承者。


そして国営時代から連綿と受け継がれてきた歴史ある時計たちを、現代的なエッセンスを加えて表現することができる唯一の存在です。

「ドイツ高級時計のアナザーストーリー」(篠田)

「セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイト」自動巻き、SSケース(40mm)、ラバーストラップ。10気圧防水。211万2000円/グラスヒュッテ・オリジナル(グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座)

▲ 「セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイト」自動巻き、SSケース(40mm)、ラバーストラップ。10気圧防水。211万2000円/グラスヒュッテ・オリジナル(グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座)

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セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイトは、1970年代にGUBが製作していた、TVスクリーンと呼ばれる角型ケースの時計をイメージソースとしたもの。


ここにクロノグラフや大きな窓のパノラマデイトなどを組み込んで現代的にアップデイトし、9時位置インダイヤルの中にはパワーリザーブ表示が、ロゴ下には12時間積算計が収まります。

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レトロな雰囲気をさらに強めるのが、グリーンのグラデーションダイヤル。これは1970年代に多くのカラーダイヤルモデルが製作されたという時代背景を反映させており、グラスヒュッテ・オリジナルでは自前のダイヤル工房を構えるほど、ダイヤル表現にも力を入れています。


ドイツの高級時計を語る時、戦前までの歴史と再統一後の復興劇にスポットが当てられがちですが、その間に冷戦時代にだって、魅力的な物語がありました。


グラスヒュッテ・オリジナルのセブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイトは、そんな隠れた歴史に光を当て、ドイツ時計のユニークな魅力に出会える時計なのです。

連載 一本取られました 腕時計 プロが選ぶ
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篠田哲生(しのだ・てつお) 腕時計 プロ ライター

● 篠田哲生(しのだ・てつお)

時計ジャーナリスト、ウォッチディレクター。1975年千葉県出身。LEONをはじめ、時計専門誌やWEB、新聞などで時計企画を担当。時計イベントの企画や登壇なども行う。著書に『教養としての腕時計選び』(光文社新書)など。

※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ 

グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座 03-6254-7266

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