2017.06.08

マンネリな男女にオススメしたいあの映画

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文/小林 保(都恋堂)

やっぱり映画は効くんです

なんだか最近ちょっとトキメキがない。どんなに盛り上がったふたりにも訪れる、マンネリというこわ〜い呪文。お出かけや、ディナーでという気分転換も、もちろんいいのですが、大ワザは外すとダメージも大きいわけで。

そんな二人に最もベーシックながら、効果大なのが「映画鑑賞」。よく最初のデートに映画が推奨されますが、あれはまだぎこちないふたりが、何かを共有するのに一番無難だから。無理に会話する必要もなく、時間と体験を共有するためのきっかけ作りなのですね。つまり、マンネリなふたりもおなじ、というわけ。

さて、そこそこお互いを知ったオトナなふたりが映画を観る、となるとタイトルが悩みどころ。さらには、マンネリ解消というミッションもあるのですから、かなり重大ですよね。そこで、セレクトのポイントを!まず、オトナの男女の物語であること。さらに、「そういう関係もあるよね」と、男女関係の視野が広がる内容であること。そして、ちょっぴり官能的なこと(ここがキモでは決してありません)。

というわけで、まずオススメしたいのが、こちら。「悪女」もの。

悪女に翻弄されるオトコたちの姿が彼女を気持ちよくさせる?

(C)1998 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
(C)1998 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
もうそのことば自体が刺激的なわけですが、悪女というのはある意味オンナという性に対して正直に生きている、ともいえるわけで。ゆえに社会的規範や、男女の常識なんてものをぽ〜んと飛び越えちゃう存在、なわけです。しかも、今回紹介する映画ではモテる不良い(ちょいですらない)オトコたちが翻弄されてたりと、女性からすると痛快ともいえる展開。

そんな女性が強い構図で、彼女にきもちよ〜くなって頂ければ、なんだがふたりの雰囲気も変わってくるのでは?と。でもって、その奔放さゆえに官能シーンは盛りだくさんなことも、付記しておきます。(しつこいようですが、あくまでこれはサブ要素です)

1本目の悪女「ワイルドシングス」

『ワイルドシングス』(’98年)後にボンドガールを演じることになるデニス・リチャーズと、ホラー映画『スクリーム』のヒロイン役で知られるネーブ・キャンベルのセクシーな肢体が眩しい。(C)1998 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
『ワイルドシングス』(’98年)後にボンドガールを演じることになるデニス・リチャーズと、ホラー映画『スクリーム』のヒロイン役で知られるネーブ・キャンベルのセクシーな肢体が眩しい。(C)1998 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

ストーリー

ちょっと危険な香りが漂う甘いマスクと適度なマッチョボディで、女生徒から絶大な人気を誇るハンサムな高校教師サム(マット・ディロン)にレイプ疑惑が持ち上がる。訴えたのは、資産家の娘で教え子のケリー(デニス・リチャーズ)。

さらにはケリーの同級生であるスージー(ネーブ・キャンベル)も被害者だと証言する。しかし、レイプ事件は彼女たちの狂言であることが判明し、サムは多額の示談金を手に入れる。ところが、この狂言は3人が大金を手に入れるために仕組んだものだった。事件を追う刑事レイ(ケヴィン・ベーコン)は、彼らの企みを追及しようとするのだが……。

マンネリ解消にここが効く?

ティーンエイジャーならではの無邪気さが加わり、悪女度もかなり高いふたり。それに途中まではかなり主導権をにぎっている風の不良いオトコたち。そんな両者が繰り広げる男女の駆け引き。最後まで勝者がみえないストーリー展開は、普通に見入ってしまうので、こちらの思惑を悟られないという点でもばっちり。

きっと途中までは、不良いオトコたちにご立腹の彼女も、最後には「やっぱり不良いオジサンは成敗されるのね」とにっこりとなるはず。でも、あまりに悪女度もすぎるので「ちょっとやりすぎかも…」とオトコ側にも同情してくれる要素もあり、なかなかいい案配。

で、そんな感想を一通り述べてすっきりしたあとには、数々の官能シーンの余韻だけが残る算段? いえ、そこが狙いではありませんが、そんなおまけも期待できそう、という一本なのです。
ワイルドシングス

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(C)1998 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

2本目の悪女「ホットスポット」

ストーリー

奇才デニス・ホッパーが監督を務めた作品。テキサス州にある砂漠に囲まれた田舎町を舞台にしたクライムサスペンス『ホット・スポット』。謎めいた魅力を持つハリー(ドン・ジョンソン)という男が街にやって来る。ハリーは中古車店で働く娘グロリア(ジェニファー・コネリー)に一目惚れし、その店のセールスマンとなる。

ハリーとグロリアは恋に落ちるが、社長夫人のドリー(ヴァージニア・マドセン)がハリーを誘惑し、三角関係に陥る。そんな関係が続いていたある日、ハリーは銀行を襲撃する計画を実行に移すのだが…。

この社長夫人のドリーこそが、常軌を逸した稀代の美悪女。夫のある身ながらハリーを誘惑した上に夫を事故死に見せかけて殺害し財産を奪う。

さらには、ハリーを自分のモノにするためグロリアが抱えた厄介な事情につけ込み、新たな殺人事件を引き起こす。だが、実際に手を染めてしまうのは、グロリアを助けるつもりのハリーだった。

マンネリ解消にここが効く?

まず、最初に言っておくとこの映画、退屈です。が、注目したいのはBGMに延々使われているマイルス・デイビスのトランペット。あのくぐもったペットが映画そのものを象徴していて、つまりとらえどころがない。そのおかげで、観ているとどんどん気持ちがモヤモヤしてくる。

そこに清純そうなのに、やけに色っぽいジェニファー・コネリーと、不良いオトコなのに、いまいちキレのないドン・ジョンソンのふたりのビミョーな恋の展開が妙にリンクしていて、とにかくモヤモヤ。そんな霞がかかった空気を吹き飛ばす存在が、悪女、ヴァージニア・マドセン。

ざっくり言えば、退屈な日常をストレートな欲望で破壊しまくる、そんな姿が痛快に映る、という構図。ただし、やってることは相当ひどいのでご用心を。と、いっても最後まで見切れるかちょっとあやしい作品ではありますが、最後には悪女の欲望の深さ、潔さにふたりしてひれふしていることでしょう。

ちなみに、ジェニファー・コネリーの完璧な肢体がご覧頂けることも付記しておきます。
ホット・スポット

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