2026.09.13
【第16回】
清楚だけど性にはおてんば「付き合った男性は、なぜかみんな成功します」
生き方や恋愛の価値観が変わりつつある現在、大人の女性たちはどんな恋愛をしているのか、大人の女性たちは何を求めているのかを、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」のマスターにして作家の林 伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術で深掘りします。
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取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTI CO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)
生き方や恋愛の価値観が変わりつつある現在、恋愛も結婚もしなくたっていいこの時代に、大人の女性たちはどんな恋愛をしているのか。大人の女性たちは何を求めているのか。
本連載「林 伸次のLove la Bossa」では、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」のマスターにして作家の林 伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術で大人の女性の本音を深掘りします。第16回のゲストは、前回に続いて遙さん(30歳)です。
前編では、高校生の時にクラスの男の子全員から告白されたことや、初体験の相手が高校の教育実習の先生だったこと、夫が百人以上と浮気していて別れたことなどをお話いただきました。後編では離婚後のことを伺います。

自分が価値ある人間なのか、わからなくなって……
── 前回のお話では、ご自身で浮気の証拠を集めて離婚にこぎつけたとのことでしたが、その後はまた恋愛できましたか?
「はい、でもそこからわかんなくなっちゃったんですよ、自分が価値がある人間なのかどうかが。それからは合コン三昧でした」
── そうか。浮気されて離婚するとそういう心境になってしまうんですね。合コン三昧の日々はどうでしたか?
「あれですよね、バツイチって何だかモテるんですね。けっこうナンパもされました」
── ええ、モテるって聞きます。じゃあしばらくは遊んで?
「とはいえ、人を好きになれる気がしなかったので、呼ばれるがままにご飯に行き、いろんな人に会っていましたが、そこまででした。そうこうするうちにひとりの男性と知り合い、好きになってしまったんですが、彼は既婚者だったんです」
── その男性は素敵な人だったんですね。
「そうですね。なんかよくある話で、ただの恋愛じゃなくて、仕事のパートナー的な感じにもなっていて、関係が長く続いてしまいました。好きだから離れ難かったのもあります」
── なるほど。素敵な女性ほどそういう関係に陥ってしまうのは、聞く話ではあります。
「おはようからおやすみまでLINEして、会える時間は全部彼と会って。その関係から抜け出したくて、並行して他の男性ともお付き合いをしました」
── あー、彼のことが好きで、何年も抜け出せないから他の男性に目を向けて離れようと。
既婚者の彼への気持ち逸らすために、何股もしました

「はい、彼への気持ちを逸らすために焦ってしまい、相手はどんどん増えて、二股、三股、四股となっていって(笑)」
── あはは、こんなこと言ったら失礼かもしれませんが、最初の旦那さんまでではないですが、遙さんも人数が増えていくんですね(笑)。その男性たち数人は、自分が彼氏だと思っていたんですか。
「そうだと思います」
── うわー。それはなかなか……。バレたりしないんですか。例えば、デートしている時に他の人とばったり会ってしまうとか。
「それが悪運が強いのか、一度もないんですよ。あ、ただ私が好きなミュージシャンが来日するから、ライブに行きたいと言っていたら、3days、3人がそれぞれチケットを取ってくれていたことならあります。初めて行くふりをして3回同じ公演に行きました(笑)」
── なんかもう漫画みたいな展開〜。その人たちのことは、みんな一人ひとり好きなんですか。
「そう。これがそれぞれちゃんと好きなんですよ。比較することもしません」
── 不思議な感じですね。世の中のありとあらゆる浮気に関しては、バレなければOKですか?
「バレたら相手が悲しむし、モラルとマナーに反することとは思っています。浮気が犯罪行為じゃなかったとしても、モラルとマナーは大事だから。その上でしているのであれば、あとは自己責任でどうぞってことではないでしょうか」
── そうですよね。ちなみにその既婚の彼とは?
「もう別れています。今は3人と並行してお付き合いしている状態」
コミュニケーションでエクスタシーを感じます

── 今も並行してお付き合いしている相手がいるんですね。彼らとの付き合いでは何が一番楽しいんですか? 好きって言われること? デートしてイチャイチャチャしている時ですか?
「私が一番うれしいのは気持ちが通ってるなって思う時。彼が大事にしていることをちゃんと深いところまで聞いて、『こういう話ができるのは遙ちゃんだけだよ』とか言われるとめっちゃうれしいんです」
── なるほど。では遙さんを落とすには、男性はどうすればいいですか。
「ちゃんとおしゃべりしてほしい。コミュニケーションでエクスタシーを感じます」
── そうか〜、とにかく会話とコミュニケーションだ。前編で「基本あげまんです」っておっしゃっていましたが、これまでお付き合いした人たちってみんな成功していますか?
「そう、成功するんですよ〜。TVやSNSを見ていると、広告に元カレがいっぱい出てきます(笑)」
── それって、これからどんどん上がっていきそうだなって人を好きになるんですか。それとも付き合うと彼らはうまくいくんですか?
「特に上昇志向が強い人を好きになるわけではないんですが、とはいえ才能を好きになるパターンは多いですね。頑張っていることややりたいことの話を聞くのが好きなので、『絶対できるよ、大丈夫。だって信じてるから』って前向きな言葉を伝えていると、頑張ってくれる。そうすると思った通り成功することはあります」
── そうか〜、出会えた男性はラッキーですね! とはいえ、あなたひとりの遙さんではないのですが(笑)。世の女性たちには、出会いがなくてマッチングアプリも頑張っているけど全然成就しないと悩んでいる人もいます。何かアドバイスはありますか。
最初のご飯では、帰り際に手をつないじゃったりして
「アドバイスなんてものはないんですが、私は『出会いがない』って感覚が本当にわからないんですよ。だってスタバで目が合っただけの人と付き合ったりしてますから(笑)」
── それってどうやってきっかけを作るんですか!?
「その人は見た目がタイプだったので『もしかして、ブログとかやってます? なんか見た気がする』みたいな声かけをしたのかな、本当は見たことないけど。そうしたら本当にやってて(笑)。『先週出した記事がバズったんで、それかな』みたいに言われて、話を合わせて(笑)。それでSNSでつながったらメッセージができるでしょう」
── つながったら大体向こうから誘ってくるんですか?
「私からもいきますよ。『もっとおしゃべりしたいんでご飯に行きません?』って誘うんです」
── うわ〜上手い。それは行くわ。じゃあ気になったらそうやって誘えばいいんですね。
「うん、だってデートじゃなくてご飯だもん。デートしましょうとは言ってないもん。飯は食べるだろ、と」
── あははは。するとまず断られないですか。
「気が進まなそうにされたら、友達を誘いましょうみたいな感じにして、ちょっとずつ囲っていくのがいいと思います。でも、ご飯を断られたことはあまりないかも。で、初めてのご飯って緊張していっぱい飲んじゃうじゃないですか。そうするとあっちも飲んじゃうんで、帰り際に手をつないじゃったりして、キスもしやすいですよね、どさくさに紛れて(笑)」
── 手をつなぐのは女性からでいいんですか?
「うん、その方がサインとしてわかりやすいですよね」
安い居酒屋でも、缶ビールを持って公園に行くでもいい

── 遙さんと食事をすると楽しそうですね。そういうところもモテるんだろうな。では男性と付き合う時に大事に思うポイントに順位をつけて欲しいのですが、ルックス、お金、性格、会話、セックスで分けると、どんな順番になりますか。
「会話が一番ですね。性格もイコールくらい。それでセックス、ルックス、お金かな」
── セックスが結構上位ですね。やっぱり大事ですか。
「下手な人とはもう絶対にしたくないんです」
── あの……男性たちのために、何をもって上手・下手とするのかを教えていただきたいのですが。
「ひとりよがりのセックスが嫌ですね。こっちは何も思ってないのに、『気持ちいいでしょ』とか言って、ひとりで盛り上がっていたりとか。セックスはふたりでつくりあげたいんです」
── そうすると、いろいろ聞いたほうがいいんですか?
「いや、何をしたら相手が喜ぶかをきちんと考えることが大事なのかな。性的な経験値もテクニックもあまり関係なくて、心が通っていないと安心できずに気持ちよくもなれないんです」
── 不器用でもいいから相手の方を大事にして、ふたりで楽しむ、心の通ったセックスが“上手いセックス”なんですね。
「私にとってはそうです」
── お金は一番下ですが、あまり気になりませんか。
「うん、全然。安い居酒屋でも、缶ビールを持って公園に行くでもいい。そういう大学生みたいなことも全然しますよ」
── それは逆に楽しそう〜。そうやって男性の価値観とかお金のなさとかを馬鹿にしたりしないところがいいのかもしれませんね。今日は楽しいお話をありがとうございました!
【林さんから〆のひと言】
話の最初は不安だったけど、遥さんがとにかく恋愛を楽しまれているようで、幸せそうですね。いろいろと勉強になりました。

■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(幻冬舎)、『恋愛は時代遅れだというけれど、それでも今日も悩みはつきない』(Pヴァイン)、最新刊は『30歳になってもお互い独身だったら結婚しようか』(三笠書房)。













