まずは会社に勤めながら副業で年収アップする方法を考えてみた

年収1億円！普通のサラリーマンには夢のような金額を、アナタにとってリアルな目標に変えていくのがこの連載です。まず大事なのは思考法。考え方が変われば仕事に対するスタンスが変わり、見えてくる世界が変わります。マーケティングコンサルタント船ケ山哲氏がアナタを年収1億円に導きます。

CREDIT :: 文／船ケ山哲　編集協力／遠藤励子　写真／内田裕介　スタイリスト／稲田一生　ヘア＆メイク／勝間亮平（MASCULIN)

前回は、年収1000万円は本当に成功者といえるのかということと、１億円を稼ぐ人の理由についてお話してきましたが、急に、1億円と言われてもイメージできる人も少ないと思います。そこで今回は、私がサラリーマンの時に「どのようなことを考え、ビジネスに取り組んでいたのか？」そして「その考えがどのように今に繋がっているのか？」についてお話していきます。

私も今でこそ１人で年間、何億円も稼ぎ、自由なライフスタイルを送ることができていますが、起業するまでは10年間サラリーマンとして働き、出世レースに奮闘する日々を過ごしていました。

朝から晩まで仕事をして、休日出勤を言い渡されれば有無もなく出勤し、年収と役職を上げることだけに拘っていました。そんな時です。当時勤めていた会社の部長が「あるひと言」をポロっとこぼしたのです。

「俺、年収で１０００万円もらってないよ」

ショックでした。なぜなら、この部長はヘットハンティングで入社し、高給雇用が約束されていると誰もが思っていたからです。この瞬間、未来の指標を奪われた気になりました。というのも、この会社は同族経営であるため、一般社員のトップは、この部長だったからです。

これでは我々が、どんなに頑張ったところで、年収は打ち止めとなります。そこで、私は考えました。転職をするか？　それとも、副業をするか？　

私が出した答えは、「副業」でした。

なぜかというと、仮に今転職したところで給料が上がるどころかむしろ下がると考えたからです。当時の業界は、価格競争に拍車がかかり、業界全体が落ち込んでいる時期でもあったからです。

だから転職するにしても、今はタイミングではないと判断しました。しかも転職となると見知らぬ会社に入り、いちから出直すことになります。それでは、長年かけて作り上げてきた人間関係や環境がなくなってしまいます。当時の自分には、その勇気がありませんでした。

とはいえ、このまま年収500～700万円をうろうろしているわけにはいきません。長男が生まれたばかりで、今後どんどんお金がかかるからです。しかし、当時の会社は副業を認めているわけではありませんでした。

雇用規定には「副業禁止」の文字が大きく印字してあり、他に副業を行なっている人はいませんでした。

が、背に腹は代えられません。稼げなくなったら家族が路頭に迷います。そこで、「勤務時間中だけ副業禁止」という勝手な解釈を加え、バレたら辞める覚悟で副業を始めることにしました。

とはいえ、副業といっても、何をどのように行えばいいか見当もつきません。インターネットで検索しても怪しげな情報ばかりで胡散臭いし、本屋に行ってもこれといった具体策が書かれているものはありませんでした。

そこで、大量に買いすぎて余っていた趣味のアート用のグッズがあったので、小分けにして、まずは試しにインターネット上に公開し、テスト販売してみることにしたのです。

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本業の時間中に業務として副業の実験を行ってみた

不用品の販売は、ビジネスの初歩的な練習になります。このアートグッズは新品だし、仮に売れなくとも損することはありません。すると、１時間もしないうちに出した商品が売れました。これに気を良くした私は、急遽ホームページを作成することにしました。このホームページ作成は、日頃、会社の業務として行なっていたので簡単に作ることができました。

当時、私が会社で行なっていた業務は、集客の仕事でした。商品を直接販売する仕事はしたことがありませんでしたし、特別な販売ノウハウがあったわけでもありません。商品を販売することに、俄然興味が湧いた私は、勤務時間中に「会社の商品を使って」実験することにしました。

今までは、商品に興味がある人を集めるだけの集客の仕事でしたが、商品の簡易版を製作し、直接ネット上で販売することはできないかという提案を会社に新企画として打診してみることにしたのです。

すると……会社からは「それは面白い」ということで、従来扱っていた製品の簡易版を私が主導で作ることになったのです。当時、扱っていたメインの商品は、銀行や官公庁で見かける番号発券機でしたが、パソコンベースで構成されていたので、価格も高く、人が運搬しないと設置もできない代物でした。

そこで私が会社に出したアイデアは、パソコンベースではなくipadをベースにして郵送で簡易版を送る企画を立てたのです。当然、簡易版といっても新たな開発費もかかりますし、専門チームを発足しなければなりません。

しかし私は、どうしてもインターネットを通じて商品を売りたかったので、手間でも商品作りから行うことにしました。今考えれば、何でこんな大掛かりなとも思える行動でしたが、この企画を通じてさまざま々な経験をすることができたので、当時の会社には感謝しています。

それから数カ月後、商品は完成し、インターネット販売を開始することに。その結果……待ってましたとばかりに全国から反応が届き、パソコン版を追い越す勢いのヒット商品を生み出すことができました。

ここまでくれば堂々と勤務時間中に、インターネット販売について学ぶことも実施することもできます。成果さえ出せば、文句を言われることもありません。個人的な動機がきっかけではありましたが、結果的に会社に利益をもたらすこともできましたし、社長賞をもらうこともできました。

これは、ひょんなきっかけで生まれた企画ですが、この時の経験が、今の私のベースを作っています。というのも、ビジネスで成功するために必要なことは、限られた時間の中で効率をあげ、望む成果に繋げるかが成否を分けるからです。

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会社に勤めながらでも自分のビジネスを行うことは可能

当時の私は、サラリーマンという環境の中、制限を受けながらも自分のビジネスを行うことは忘れませんでした。しかし多くの人が、変わりたい成功したいと言いながら「忙しい」を言い訳にしてしまうのは、本業と副業を別々に考えてしまうからです。会社は、会社の仕事、副業は、自宅の仕事というように。

今回の流れを見ても分かるように、本業と副業を関連づけてしまえば、勤務中に堂々と学ぶこともできますし実践することもできるのです。人間は、時間だけは限りがあります。だから、時間を無駄にしてはいけないのです。そして、私が副業で得た結果はというと、稼ぐことができました。ただ……

単価の安い商品を扱っていたということもあり、副業レベルの収益にしかなりませんでした。よくて数十万円です。もちろん利益で数十万円なので、副業にしては悪い数字ではありませんが、これを本業のビジネスにするのは、「ちょっと」といったところです。これでは生活を支えるだけの安定を得ることも起業することもできません。

この時の私は気づくことができませんでしたが、副業でちょこっと稼ぐ方法と1億円稼ぐ方法はまったく別次元の話なのです。しかし、ゼロの段階で1億円稼ぐ思考を知ってしまえば、月50万円のお金を稼ぐことは簡単なことですし、難しいことではありません。

ちなみに今回のエピソードは、私が1億円思考を知る前に行った行動なので、あまりスマートではない部分もありましたが、会社に勤めながらでも自分のビジネスを行い、お金を稼ぐことは可能だということは理解していただけたかと思います。

次回は、あなたの未来を劇的に変える1億円思考を伝授する連載を開始していきます。楽しみにお待ちください。

● 船ケ山哲（ふながやま・てつ）

1976年、神奈川県出身。心理を活用したマーケティングを得意とし、人脈なし、コネなし、実績なしの状態から、起業後わずか5年で1000社以上のクライアントを獲得。その卓越したマーケティング手法は、数々の雑誌やメディアに取り上げられ、現在ではテレビ番組（テレビ神奈川）のメインキャストを務めるほか、ラジオ番組（FM横浜）でもメインパーソナリティーとして活躍中の起業家。またプライベートでは子どもの教育を最優先に考え、マレーシアのジョホールバルに在住。
主な著書に『武器としてのビジネススキル』(PHP研究所)、『お金と自由をもたらす最速の稼ぎ方』（徳間書店）、『洞察のススメ』『超・起業思考』（きずな出版）他。

スーツ8万3500円（オーダー価格）、タイ6500円／ともに麻布テーラー（麻布テーラープレスルーム）、シャツ2万5900円／エリコフォルミコラ（シップス銀座店）、メガネ4万4000円／アイヴァン 7285（アイヴァン 7285 トウキョウ）、ブレスレット7万8000円／エンド（ギャラリー・オブ・オーセンティック）、時計80万円／ゼニス、靴6万2000円／パラブーツ（パラブーツ青山店）、チーフはスタイリスト私物

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