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2022.02.18

テレビプロデューサー佐久間宣行さんオススメPART2「〇〇な時に観たいエンタメ8連発」

昨年のインタビューで、「漫画や映画、音楽などエンタメがすごく好き」と語った佐久間宣行さん。『ゴッドタン』『あちこちオードリー』など数々の人気番組を手掛ける、売れっ子プロデューサーが薦めるエンタメ作品とは?

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文/長谷川あや

昨年の特集「令和版 いいオトコ論」で、「もともと漫画や映画、音楽などエンタメがすごく好きで、今でもいろいろなものを観る」と語ったテレビプロデューサーの佐久間宣行さん。ラジオパーソナリティを務める『オールナイトニッポン0(ZERO)』や自身のインスタグラム(@nobrock1)でもエンタメ作品をバンバン紹介していることから、かなりのエンタメ通と見込み、今特集の指南役をお願いすることに。

さっそくですが佐久間さん、何を観たらいいかわからないという皆さんのために、PART2では「〇〇な時に観たい」といった気分に合わせたエンタメ作品をオススメしてくださいませ。

「落ち込んだ気分を上げたい時」に観たい作品は、なんでしょう?

「Apple TV+のオリジナルドラマ『テッド・ラッソ:破天荒コーチが行く』が最高です。海外でも賞を取りまくっていて、今さら見つけた感はないのですが、一見、スポ根もののように見えて、生きづらさや人に対する優しさを描いています」
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◆ 落ち込んだ気分を上げたい時にオススメ

楽しくて、胸が熱くなって、勇気が出る。良かったなあ!

テッド・ラッソ:破天荒コーチが行く

テッド・ラッソ:破天荒コーチが行く

アメリカの大学のアメフトコーチが、ひょんなことから、イギリスのサッカーチームの監督に就任。サッカーの知識も経験もなく、またイギリススタイルに戸惑いながらもチームの再建のために奮闘するスポーツコメディ。主演とエグゼクティブプロデューサーを務めるジェイソン・サダイキスは、ゴールデングローブ賞でコメディ部門の男優賞を受賞。アメリカテレビ界最高の栄誉であるエミー賞で作品賞(コメディシリーズ部門)を含む7冠に輝いている、世界的なヒット作。Apple TV+で配信中。

「自分のことは自分で完結させて、他人を傷つけたりしないことが大事だという、現代社会を生きていくうえでのロールモデルを提示してくれます。テッドのキャラクターが最高で、楽しくて、清々しい気持ちになれます。特にシーズン2は働く男のメンタルヘルスみたいなものが描かれているので、共感を覚える人も多いのではないでしょうか」

ちなみに‟配信ドラマ”は、佐久間さんが今最も注目しているジャンルなんだとか。

「映画が大作主義になっていて、作家性のある脚本家、演出家、そして俳優も配信ドラマに流れている。これからまた変わってくるかもしれませんが、今の時点で、一番質が高いものが見られるのは、配信ドラマだと僕は考えています」

確かに。この『テッドラッソ』しかり、WOWOWにもNetflixにも魅力的な作品がたくさんあり、どれから観たらいいの~とうれしい悲鳴を挙げちゃいますよね。

続いて「泣いてデトックス、スッキリしたい時」に観たい作品としてピックアップしてくれたのは、韓国映画『ハロー!?ゴースト』。
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◆ 泣いてデトックス、スッキリしたい時にオススメ

ベタなストーリーですが最後まで観て。その全貌が見えた時、グッとくる!

ハロー!?ゴースト
▲ 孤独な人生を生きてきたサンマン(チャ・テヒョン)は、ある日4人のゴーストたちに取り憑かれてしまう。彼の身に人生最高のサプライズが訪れるラスト10分は感涙必至。(C) 2010 Water n Tree Pictures & Next Entertainment World Inc. All Rights Reserved.
 
ハロー!?ゴースト

ハロー!?ゴースト

『過速スキャンダル』などでおなじみのチャ・テヒョン演じる青年・サンマンは、自殺を図るたびに失敗。なかなか死ぬことができない。すると、ある時、4人のゴーストに取り憑かれてしまい、彼らを成仏させようと悪戦苦闘するのだが……。DVD発売中&デジタル配信中。写真提供/ツイン 

「ベタなストーリーですが、その全貌が見えた時、グッときます。泣きたい気分の時には、ぜひオススメしたいですね。結末を知ってから、もう一度、見直すのも面白い作品だと思います」

「笑ってデトックス、スカッとしたい時」としては2作品をフィーチャー。1つは韓国映画『エクストリーム・ジョブ』。
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◆ 笑ってデトックス、スカッとしたい時にオススメ【1】

すごく破壊力があるコメディ。笑って笑って最後にはスカッと!

エクストリーム・ジョブ
▲ アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』をしのぎ、2019年、韓国で観客動員数1位(1600万人)を記録した大ヒット作。© 2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED

エクストリーム・ジョブ

実績がサイテーで、解散の危機に直面した麻薬捜査チームは、チキン店を買い取り、潜伏捜査をしながら偽装営業を行うことに。しかし、その店が捜査に手が回らないほどに大繁盛してしまって……。韓国の歴代興収ランキングを塗り替える大ヒットを博した。DVD 4180円、Blu-ray 5390円、豪華版Blu-ray 7480円 発売元/クロックワークス 販売元/TCエンタテインメント

「すごく破壊力があるコメディで、大声で笑えます。僕は映画館で観たのですが、爆笑の渦でした。笑って笑って最後にはスカッとできる作品です」

あれ、韓国映画が2本続きましたが、佐久間さん、もしや韓国映画がお好き?

「特に好きというわけではないのですが、韓国の作品は人に薦めやすいんですよ。僕がすごく面白いと思っているアメリカ映画やフランス映画をオススメしてもハマれないという人はたくさんいます(笑)。でも、日本人と感性の近い韓国の作品は、喜んでもらえることが多いんです」

デトックス系のもう1作、というかもう1団体、2020年に旗揚げした劇団「ダウ90000」。「彼らの作品はどれもメチャクチャ面白いですよ」と佐久間さんが太鼓判を押します。
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◆ 笑ってデトックス、スカッとしたい時にオススメ【2】

笑いの作り方が現代的で、センスと毒があるのに優しい。繊細なのに爆発力もアリ!

ダウ90000

日本大学芸術学部出身のメンバーにより2020年に旗揚げ。2月初旬に千秋楽を迎えたばかりの第3回本公演『ずっと正月』は3月6日(日)までPIA LIVE STREAMで配信中。コントライブ「あの子の自転車」の主宰や「M-1グランプリ」への挑戦など、お笑いのジャンルでも活躍。5月にはダウ90000単独ライブ『10000』も予定。YouTubeチャンネル「いつかパンダとコントを」もぜひチェックしたい。

「配信で観ても十分笑えると思いますよ! 24、25歳くらいの若い子がやっている劇団なのですが、笑いの作り方がとても現代的です。丁寧で、そして優しい。彼らの作品には、普段演劇を観ない人たちを引っ張ってこれる明るさとポップさがある。客席もほかの演劇作品に比べると、圧倒的に若い。お笑いライブに近い感じがします」

「イライラした気分を穏やかにしたい時」に観たい作品は、「僕、あまりイライラしないんですよね」と前置きしながら、漫画『よつばと!』を紹介してくれました。
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◆ イライラした気分を穏やかにしたい時にオススメ

生涯、僕の本棚にあり続ける漫画。子どもの目を通した日常の尊さにほんわか~♡

『よつばと!』 あずまきよひこ

『よつばと!』 あずまきよひこ

ふたり暮らしをする5歳の女の子“よつば”と“とーちゃん”、周囲の人たちの何気ない、そしてほのぼのとした日常を描いたコミック。「日常漫画の傑作」と評する人も多く、手塚治虫文化賞「マンガ大賞」、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞など数々の賞を受賞。1~15巻(以下続刊)各660円/KADOKAWA
(c)KIYOHIKO AZUMA/YOTUBA SUTAZIO

「ほんわかしたい時にはこれを読みます。2003年に連載がスタートした漫画で、20年近く読み続けています。その間に、結婚もしたし、娘も生まれたけれど、彼女たちも読んでいる。生涯、僕の本棚にあり続ける作品だと思います。

大人になると、ついだらだらと過ごしてしまいがちの日常が、子どもの目を通すとこんなにきらきらしているものなんだなと気づかされます。初めて自転車に乗ったことや、初めてキャンプに行ったことがいかに輝いた経験だったかが再認識できる名作です」

ていうか、佐久間さん、漫画もしっかりチェックしてるんですね。

「漫画は電子書籍で買うことが多いですね。SNSで評判を聞きつけ、夜中に欲しくなっても、電子ならすぐに買うことができるのでとても便利です。とりあえず1巻を買い、面白かったら書籍で購入します」

「若かりし自分に思いを馳せたい時」にオススメなのは、漫画『スキップとローファー』だそう。佐久間さんは「メチャクチャ素晴らしい。現存する高校生漫画の中でもトップクラスじゃないかな」と評します。
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◆ 若かりし自分に思いを馳せたい時にオススメ【1】

10代の頃に読んでいたら、何度も心救われていただろうなぁ

『スキップとローファー』 高松美咲

『スキップとローファー』 高松美咲

過疎地育ちで、ちょっと天然の主人公みつみちゃんこと岩倉美津未が、高校入学を機に上京。彼女と彼女を取り巻く人たちの日常を綴る。1~6巻(以下続刊)各748円/講談社

「主人公もいいのですが、主人公から影響を受け、価値観が揺れていく友人たちの描き方がまたいいんです。平凡な少女漫画だったら、書き割りのキャラクターになるような子たちの人生もすくい取っていく。多くの人がその年代で抱くであろう気持ちを放っておかないから、その気持ちにいちいち共感できます(笑)」

青春ものとしてもう1つ挙げてくれたのは、Netflixオリジナル映画『tick, tick...BOOM!』。
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◆ 若かりし自分に思いを馳せたい時にオススメ【2】

何者かになりたいけれど、自分に才能があるのかわからない焦燥感。あ~わかる!

tick, tick... BOOM!(チック、チック…ブーン!)

tick, tick... BOOM!(チック、チック…ブーン!)

伝説のミュージカル『RENT』を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカルを、映画化もされた『イン・ザ・ハイツ』、トニー賞11部門受賞のミュージカル『ハミルトン』の主演・監督・脚本を手掛けたリン=マニュエル・ミランダが監督した作品で、配信に先駆けて、劇場公開もされた。Netflixで独占配信中。

「のちに伝説的な作品を生み出すことになるジョナサン・ラーソンが、若い頃に、苦しみながらも自分の作風を身に付けていくまでを描いた作品です。何者かになりたいけれど、自分の才能が世の中に受け入れられるかわからないという焦燥感は、誰もが共感できるのではないでしょうか。

主人公ジョナサンを演じた、アンドリュー・ガーフィールドがまた良かった。撮っているのが、やはり天才のリン=マニュエル・ミランダ。冒頭のキャッチーさや、音楽の入り方も絶妙です。ミュージカルは、歌の場面でストーリーが止まることが多いのですが、この作品は歌のシーンでも登場人物の気持ちが動いていて、物語が止まりません」


そして佐久間さんが、「新しい青春映画の金字塔のひとつ」と推すのが、『ブックスマート』です。
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◆ 若かりし自分に思いを馳せたい時にオススメ【3】

周りから認められなくても別によくね? みんな違ってみんないい!

ブックスマート

幼なじみの2人の女子高校生が、勉強に費やしてきた時間を取り戻すべく、卒業パーティーに出席して大胆にハメを外そうとするのだが……。たった一夜の彼女たちの笑いに満ちた冒険が、過ぎ去った時間の愛おしさを教えてくれる多幸感溢れる作品。レンタル中&Netflixなどで配信中。DVD 4180円、Blu-ray 5280円 発売元/ロングライド 販売元/TCエンタテインメント

「昔の青春映画は、ダメ人間でも頑張れば、素敵な恋人を手に入れることができる、他者に認めてもらうことがゴールでしたが、この作品は自分で自分を認めることがゴールというかスタートになっていて。そもそも、周りから認められなくても別によくね? というのが前提になっています。今時ですよね(笑)。そのうえで、みんな違ってみんないいというゴールに向かっていく、青春ドラマの最新系だと感じました」
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では、佐久間さん、最後にもうひとつ聞かせてください。エンタメの持つ魅力って、なんなんでしょうね? ベタベタな質問で恐縮ですが、やっぱり知りたいところでして。

「そうですね……、本当にどん底の時は生きることのほうが大事で、エンタメを観ている余裕はないと思うんですよ。でも、心に少しでも余裕がある時にはぜひ観てほしいです。もう一歩踏み込みたい時、立ち上がる時、エンタメは、きっと背中を押してくれます。

観ても忘れてしまうと感じるかもしれませんが、心の中にはエキスとして残っています。さあ頑張ろうという時に血肉となります。

家で過ごすことが多く、自分のことしかしていない、他者と接する機会が少なくなったコロナ禍のこの時代こそ、エンタメをカラダに入れることが必要だとも考えています。価値観が分断され、他者への想像力が欠如して人の痛みがわからなくなりつつある今、優れたエンタメ作品を観ることは、他者の人生に思いを馳せる優しさのトレーニングになるはずです」


テレビプロデューサー佐久間宣行さんオススメPART1「今、観るべきエンタメ4選」はコチラ
 
佐久間宣行(さくま・のぶゆき)

● 佐久間宣行(さくま・のぶゆき)

1975年、福島県いわき市生まれ。2021年にテレビ東京を退社し、フリーのテレビプロデューサーに。『ゴッドタン』『あちこちオードリー』『黄金の定食』『共感百景』YouTubeチャンネル『NobrockTV』ラジオ『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』など多方面で活躍中。3月にはNetflixにてオリジナルバラエティ『トークサバイバー』を配信、4月には初のビジネス書『ずるい仕事術』を出版予定。エンタメ愛溢れるInstagramはコチラ

※掲載の価格はすべて税込みです。
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