Padron 1964「A」
これはクールにカッコ良く喫煙する、という意味ではなくて、多くの場合は紙巻タバコの火種の燃焼温度を上げずに、冷えた煙を吸うテクニックに使う和製英語です。
紙巻タバコでどれほど差が出るかは不明ですが、もともとはシガーにおける吸い方のテクニックですね。シガーは火種の燃焼温度の違いで、味わいや香りに歴然と差が出ますから。
長い葉巻はなぜクールなのか?クールスモーキングが旨いわけ
最高の味わいを手に入れようと思うのならば、女性のエスコート同様に相応の練度が不可欠というわけです。とはいえ、初めての方の参考のためにも近道をこっそりお伝えしましょう。
できるだけ太くて長いシガーを選ぶことです。
長大なシガーは、「強そう」「キツそう」とイメージされがちですが、実は大きな誤りです。
長大ということは、それだけ火種と口腔までの距離が長くなり、煙の温度も下がり味わいもマイルドになるのです。シガーは本体がフィルターの役割も担っているのです。
ちなみに、この一本はパドロン社の創業30周年を記念して1994年にリリースされた「1964シリーズ」で一番大きなサイズ。サイズも長大なら味わいも甘美の極致。
価格も同ブランド最高ですが、それを臆面にも出さずに灰にしてこそ、真のクールスモーキングというものでしょう。
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ヒロミエンタープライズ
☎03-3823-0931
中村孝則●コラムニスト
世界各地を独特の視点で読み歩き、さまざまなメディアでラグジュアリーライフを提案。シガー専門書「ザ・シガー・ライフ」(オータパブリケーション)を出版。