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2021.06.27

【最終回】ワインでモテるために必要な3つのこと

5000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多い時は月に3桁の金額をワインに費やす超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。

CREDIT :

文/吉川慎二 イラスト/Isaku Goto, オキモトシュウ(吉川慎二氏)

みなさま、大変ご無沙汰しております。

実は、前回の記事を書き終わった後、大きな交通事故で手足を骨折し、手術、1カ月近く入院しておりました。完治まではまだまだ時間がかかりそうですが、何とか手が動かせるようになったので、この原稿を書いています。入院中は当然ながらワインは一滴も口にしませんでした。これほどの長期間「ワイン断ち」をしたのはおそらく飲み始めて以来初めてですが、ワインに対する渇望はそれほどでもなく、むしろワイピ仲間に会えない寂しさの方が強かったです。

退院後は少し飲んでいますが、緊急事態宣言下の東京都は飲食店における酒類提供が停止されており、ワイピにとっては寂しい日常。やっぱり仲間あってのワインライフですね。ところで、2019年3月から約2年半にわたり続けてまいりましたこのコラムもいよいよ最終回。今までを振り返って総括してみたいと思います。

モテるワイン道入門~結局モテるために必要なこと 

50余回にわたり、どうすればモテるかをテーマに書いてまいりました。みなさまも、読んだだけで実行を断念した、実践したけれど望む結果に至らなかった、見事目的を達成したなど、さまざまなケースがあったと思います。上手く行った事例の共通点はどこにあるのでしょうか?

私なりにたどり着いた3つの法則をご紹介します。

1.テクニックよりもハート

モテるためには相手にポジティブな感情を抱いてもらう必要がありますから、当然と言えば当然ですが、改めて実感した次第です。相手に対する思いやりを添えて初めてモテ値アップに繋がります。

以前ワイン会への持参ワイン選定ポイントのひとつとしてバースデー・ヴィンテージ(略してBV)をおすすめしたことがあります。 BVは誕生日をお祝いする際の鉄板ネタのひとつに違いありませんが、微妙な年齢の女性に関しては要注意、もしかしたらみんなの前でBVを明かされるのを快く思わない可能性もあります。そういう時には機転を利かせて敢えて5〜10年若いヴィンテージを用意するのも、優しさの一例です。
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2.個性と意外性が重要

ワインに限らずですが、受売りや二番煎じ、しつこいワンパターンはモテないものと相場が決まっています。

このコラムでご紹介したモテ値アップにつながる知識やテクニックを単にコピペしても効果が薄いのは当たり前。自分の個性と相談してキャラに合ったアプローチを心がけましょう。個性に逆らったやり方でたまたま成功しても長続きしないのは目に見えていますしね。

そして、個性と同じくらい大切なのが意外性。思ってもいないところから飛んできたボールは避けにくいのでインパクト抜群です。個性と意外性という一見相反するふたつの要素を上手に盛り込めば、あなたも上級モテワイピの仲間入りです。

自分ネタで恐縮ですが、具体例をひとつご紹介しましょう。緊急事態宣言前の話ですが、あるワイピ仲間(年長者で私の兄貴分的な方)のバースデーワイン会が少人数でレストラン貸切で開催され、私が主役紹介のスピーチを頼まれました。三枚目キャラの私が目指すのは、二枚目風のロマンチックな演出ではなく、当然お笑い路線です。「個性」に逆らってシリアスな雰囲気のシャベリを目指してもスベって大失敗なのは目に見えています(笑)。悩みは、方向性がバレバレだったこと。何か「意外性」はないかと悩み、音楽を取り入れたいと思いつきました。

しかし、恥ずかしながら私、楽器の演奏がまったくダメ。ピアノとかバイオリンとかギターとかできればカッコ良いのですが……そこで考えたのがボカロ(*1)です。専用ソフトを駆使して主役をテーマにした替え歌の歌詞をインプットし、コンピューター音声に歌わせ、伴奏音源もダウンロードで合成。楽器ができなくてもへっちゃらです。結果はおかげさまで大ウケ。まさか私が音楽モノをやるとは予想の範囲外だったようで、意外性は大成功。主役の方にも感謝され、参加者も大喜びでした。

3.「モテたい」という欲を捨てる

モテるためのコラムなのに何故?と思われるかも知れませんが、実はこれが一番の秘訣と言ってよいかも知れません。開き直ることによって行動に大胆さが出る、ギラギラ・ガツガツしたニュアンスが消えて相手の猜疑心が無くなる、など欲を捨てることによるメリットははかり知れません。欲望を超越した無心の状態が望ましいのはスポーツやゲームに限ったことではないのかも知れませんね。

今までの私のコラムにお付き合いくださいましたみなさまは、それだけでも相当な知識とノウハウが蓄積されているはず、それに加えて上記の3法則に気をつければ、今後のモテモテワインライフが保証されたも同然です。コラム『モテるワイン道入門』としては、これにて終了とさせていただきますが、怪我を治して後のそう遠くない日には、また別の形でお目にかかれると信じております。それまでどうかお元気で。

ありがとうございました。

*1) ボカロの正式名称はボーカロイド(VOCALOID)。ヤマハが開発した音声合成技術、及びその応用製品の総称。メロディーと歌詞を入力することでサンプリングされた人の声を元にした歌声を合成することができる。「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。

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● 吉川慎二 / Shinji Yoshikawa

1962年三重県生まれ。
東京大学法学部卒業後、三井住友銀行、メリルリンチ自己勘定投資部門のアジア太平洋地域統括本部長を経て、現在は投資家・経営コンサルタント。
2007年、日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を取得。12年にシニアワインエキスパートへ昇格し、同年に開催された第5回全日本ワインエキスパートコンクールで優勝。14年にはエキスパート資格者で初の日本ソムリエ協会理事に就任、2018年まで2期4年務めた。漫画「神の雫」に登場する吉岡慎一郎のモデルともいわれ、プロフィールイラストは「神の雫」作画のオキモトシュウ氏によるもの。

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