10月限定！　彼女をうっとりさせる、光り輝く“いくらの土鍋ごはん”／青山「青山　仁」

インパクトのある美しい写真を撮影してSNSに投稿する「インスタ女子」が増え、「SNS映え」する料理が人気を集めています。女性は男性よりも“目で食べる“傾向が強いのかもしれません。こちらの「青山　仁」は、日本料理ならではの繊細な美しさに加え、その季節の最高の旬の味覚が味わえるお店。特に10月に食べられる「いくらの土鍋ごはん」は、まさにフォトジェニック！ 目がくらむほどのキラキラごはんに、彼女も大満足すること間違いなしです。

東京・青山の国道246号線から少し入った細い道にある、シンプルな佇まいのこのお店。扉を開けると細い通路の片側に個室、奥に進むと檜のカウンター席がある小さな部屋に突き当たります。5席だけの規模は、落ち着いた雰囲気で食事をしたい方にぴったり。個室は2名から最大10名までの利用が可能です。どの部屋にも大きな窓があって、季節に応じて設えが変わる中庭に風情を感じながら、ゆったりと食事を楽しめます。

完全予約制で昼と夜それぞれ3コースずつあり、昼は9割が女性客。コースの最後に出てくるごはんは、昼は炊き込みごはん（新米の季節は白ごはんの場合もあり）、夜は鯛茶漬けです。炊き込みごはんは季節に応じて変わるそうで、10月は「いくらの土鍋ごはん」。ただし、食べられるのは1万円のコースのみ。さらに、予約時に「いくらの土鍋炊きごはんで」と伝える必要があるのでご注意を。

運ばれて地きた土鍋の蓋が開くと、誰もが歓声をあげるはず。白いごはんが一粒も見えないほど、一面にいくらが敷き詰められています。ぷりっと弾けんばかりの北海道産のいくらの一粒一粒がつやつやキラキラと輝き、思わずうっとり。真ん中にちょこんと乗った三つ葉の緑色が、いくらの赤色をさらに引き立たせます。しっかりと目で楽しんだ後は、店主がいくらの粒をつぶさないように優しく混ぜて茶碗によそってくれました。

茶碗に少量ずつ盛られたいくらごはんは、いくらだけでなくお米の一粒一粒に張りとツヤがあり、そのお米の表面に弾けたいくらのエキスが絡むことで、さらに輝きを放っています。いくらを潰さないように優しく箸で口へ運ぶと、ほかほかごはんとねっとりとしたいくらの旨みが口の中で融合。まさに口福。使用しているお米は石川県金沢市産の加賀米コシヒカリ。「炊き込みごはんにも負けないしっかりとした旨みがあるお米です」と店主の富井賢洋さん。さらに新潟県産の糯米をわずかに混ぜていることで、しっかりもっちりとした粒感のあるごはんに炊きあがっています。 

ごはんからはお米そのものの旨みだけでない上品な旨みがじわりと感じられます。その秘密は、お出汁。鱧の骨に塩をあてて、昆布と酒と水と生姜で2時間かけてコトコト煮出しているそうです。繊細な味の裏には、丁寧な仕事があるのですね。お酒とお料理を楽しんだ最後の締めのごはんでもありますが、おいしいいくらごはんに、ついついお酒も進んでしまいそうです。ごはんの量は、2人で食事した場合は、2合ちょっと。食べきれない場合は、おむすびにして包んでくれます。

この店は、2013年2月にオープン。店主の富井さんは銀座の「銀座うち山」や神宮前「一凛」などで修行してから独立したそうです。物腰が柔らかく、食材や器などの質問に丁寧に答えてくれます。器や箸置きなど店内にあるもの1つ1つにセンスと繊細さが感じられ、女性に大人気の店というのも納得。「男性のお客さまは白ごはんが好きという方が多く、女性のお客さまは炊き込みごはんが好きという方が多いですね」と富井さん。さらに、日本料理店では日本酒が人気なのかと思いましたが、この店では白ワインやシャンパンなどが人気だそう。ワイン、シャンパン、炊き込みごはん。女性に人気のものが凝縮したお店です。さらに、食後はお抹茶を立ててくれるというから、女性にはたまりません。

炊き込みごはんは月変わりのため、彼女とふたりで旬を楽しむ定番のお店としてもおすすめです。