HUNDRED ACRE Kayli Morgan Cabernet Sauvignon 2009
90年代後半に生まれた「シンデレラ・ワイン」なる造語はワインファンの間で定着しました。自分にとって格別なる味わいを醸し出してくれるワインをそう名付け、探し出す楽しみはいまだ変わらず続いています。
そして思うことは、カリフォルニアワインの立ち位置。ボルドーと違い、若いヴィンテージを飲んでも完璧な仕上がりを見せ、そこから想像したくなる将来性の面白さがある。今は硬いけれどあと数年したら、という難しいことが消えるがゆえ、この魅力にハマる方が多い気がするのです。
そこに登場したワイナリーが「ハンドレッド・エーカー」。ワイン造りのコンセプトはワイナリー名の「ハンドレッド」に徹底しています。100%シングルヴィンヤード、100%単一品種、100%新フレンチオーク樽で熟成。
本気の攻めが虜になる深〜い味わいを醸し出す一本
今回紹介する「カイリ・モーガン2009」が見事なまでのコンセプチュアルになります。このワインを飲めばワイナリーの存在意義をしっかり感じられ、こうまとめてきたか、と唸りたくなります。
であれば、尊敬の念を込めてさらに美味しく飲むための自分の努力を考えたい。
まずはグラス。カベルネ・ソーヴィニョン100%ですのでそのタイプのグラスが必須。温度はセラーから出して30分は室温になじませてください。13度くらいからが理想です。
グラスに注いだら一度だけスワリングを。ぐるぐる回すのは論外。しなやかな骨格が崩れます。姫を扱うがごとく、を意識してくださいね。
問い合わせ
ティーティーオー
☎03-6255-1779
藤崎聡子●ワインスタイリスト。
美味しいワインを探すのではなく美味しく飲むための努力を考えると伝えることが多い今日この頃。特にシャンパン。グラス選びに世界的な流行があり、これが意外と知られていないことに驚く。