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2022.01.19

乗り物三昧+大人のクラシカルホテルで味わう箱根の魅力とは?

とかく「籠りたがる」オヤジさんの旅ですが、童心に返って乗り物三昧を楽しもうという旅のご提案です。向かうのは箱根。登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、海賊船……思い切り楽しんじゃいましょう。そしてお泊りは箱根屈指のクラシカルホテルへ。

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文/森本 泉(LEON.JP)

オヤジさんの旅というと、やれ「しっぽり」だ「隠れ家」だと内に籠りたがるわけですが、このコロナ時代、それでなくても自宅に籠り、ホテルに籠ってリモートワークに明け暮れているわけで。

ときには宿から外に出て無邪気に観光地を楽しむような旅もよろしいのじゃないかと。そこで東京人にとっては最も身近な観光地、箱根の新しい楽しみ方をご提案する次第。それがデジタルチケットを使った「箱根のりものパス Lite」というサービスです。

こちらの特徴は、箱根にクルマで遊びに来るお客様の利用を想定したサービスということ。箱根各所に併設されているパーキングにクルマを停めて、あとはデジタルチケットを使って各種乗り物で観光名所を巡りましょうという趣向。少年時代を思い出してください。男子はみんな乗り物好きでしたよね。街行くクルマをずっと見続けた経験が誰しもあるのではないでしょうか。
実は箱根は乗り物の宝庫。登山鉄道にケーブルカー、ロープウェイ、海賊船と、普段街ではお目にかかれない魅力的な乗り物が目白押しなのです。ここは童心に返って(できれば愛する彼女と)乗り物三昧ではしゃいでいただきたく。

が、今回はオヤジひとり、愛する彼女はポケットに詰め込んだつもりで、このパスを使って箱根を周遊してみましたよ。
まずは都心から東名高速、小田原厚木道路を使って箱根新道経由で芦ノ湖まで約2時間。県営の無料駐車場にクルマを停めて箱根町港から、いざ箱根海賊船に。

一体何年ぶりでしょう? 我が子が小さい時に乗りに来た以来でしょうか。少し風は冷たいものの、よく晴れ渡った空を映す芦ノ湖は鏡のごとく美しく、雪を冠した富士山を間近に望む風景画のような景色は見飽きることがありません。
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約40分の乗船で到着するのが桃源台。ここからは箱根ロープウェイに乗り換えて大涌谷に向かいます。2本のロープに支えられ、意外に安定感抜群のロープウェイからは眼下に芦ノ湖、山並みの先には富士山が見渡せて旅行気分満点。約20分で大涌谷に到着です。
標高1000m。荒々しい山肌から白い噴煙を上げている大涌谷は、約3000年前に神山が水蒸気爆発を起こした時の爆裂火口跡です。硫黄の漂う噴煙地は、硫気荒原と呼ばれ、かつて「大地獄」と称された荒々しい地形が広がり、いまだ火山活動を続けています。

名物の「黒たまご」をいただいて腹を満たした後は、さらにロープウェイを乗り継いで早雲山駅へ。ここからは箱根登山ケーブルカーに乗り換えます。早雲山から強羅の標高差209m、1.2kmを約10分で結んでいるケーブルカー。車両は2両編成で車内は傾斜に合わせた階段状になっています。なにか遊園地の乗り物のようでありながら、角々したメカニカルな作りが男子心を刺激します。
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そして到着した強羅駅から、今度は箱根登山鉄道に乗車です。強羅から箱根湯本までの8.9kmを約40分かけて走る日本で有数の本格的な山岳鉄道。鉄道好きにはたまらないスイッチバックもあって、ジグザグに山を登り下りする姿に狂喜するファンも多いようです。

箱根湯本まで行けばそのまま小田急ロマンスカーで新宿へと直帰できるわけですが、今回は「のりものパス Lite」なので宮ノ下駅で途中下車。ここからはバスで芦ノ湖へと戻ります。自分で運転しているとよそ見もできませんがバス旅の良いところは景色を楽しめるところ。狭い道と急カーブの連続を見事なハンドルさばきで切り抜ける運転手さんの妙技も密かな楽しみどころです。
約30分で箱根町港に到着。5種類の乗り物を十分に堪能した後は、この日の宿、「小田急 山のホテル」に向かいます。
「小田急 山のホテル」と言えば、芦ノ湖畔に佇む箱根屈指の本格的なクラシカルホテル。この地は、元々三菱の創業者岩崎彌太郎の甥である岩崎小彌太男爵の別邸が建てられていたところ。箱根で指折りの景勝地として知られた土地に「日本のスイス」を思い描いて建てられた別邸は、その後幾度かの火災などに遭いながらも政治家や財界人など名士たちをもてなす特別な場所であり続けました。

そんなおもてなしの精神を引き継いで1948年にオープンしたのが「小田急 山のホテル」。レンガ色の屋根と白亜の外観は、周囲の森にくっきりと映え、ヨーロッパの古城のようで、まさに「日本のスイス」さながら。
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敷地内には広大な庭園があり、岩崎男爵が力を入れて収集した70種約3000株のツツジや300株のシャクナゲが植えられ、春にはホテルの周りを美しく彩ります。
ゲストルームは全89室が芦ノ湖に向けてレイアウトされていて、部屋は約30㎡と決して広くはないけれど木の温もりを感じさせる落ち着いた設えや、長く続く真っ直ぐな廊下のレトロな佇まいなど、クラシカルホテルならではの物語性のある景観が何とも言えない魅力となっています。
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そして2006年から設けられた温泉「つつじの湯」もこのホテルの魅力です。昔から「富士山と芦ノ湖の見える場所に温泉は湧かない」と言われ続けてきたジンクスを破り、掘り当てた温泉は“美肌の湯”とも言われるアルカリ性単純温泉。床から天井までガラス張りの明るい浴室は最高にくつろげる空間です。最上階にある「スパモンターニュ」では極上トリートメントで、オヤジさんの疲れた心と身体を癒してくれます。
更に料理も素晴らしい。レストランはフレンチの「ヴェル・ボワ」。庭園に面して大きな窓が採られた空間は、開放的でありながら静かで落ち着いた雰囲気です。季節の幸をふんだんに使った本格派のフレンチながら、味わいは繊細かつ軽やかで、食べ飽きることのない料理。特に野菜が美味しく満足度の高い食事でした。
いま、国内のいたるところに新しいホテルが建設されています。もちろん新しさも大きな魅力ではありますが、歴史が紡ぐストーリーは後からでは決して手に入れることができない特別な価値。このホテルの来歴を知るほどに、年月を経て守り続けられた伝統の素晴らしさを感じずにいられません。

童心に返る乗り物三昧の時間とクラシカルホテルを味わう大人の時間。そんなふたつを一緒に味わえる、こんな箱根の旅もときには良いのではないでしょうか。選択肢のひとつとしてお考えいただければ幸いです。

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