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2026.08.27

【試乗リポート】コケたら会社が大打撃⁉ トヨタ渾身のPHEV「RAV4 GR SPORT」の出来栄えとは?

トヨタの大黒柱であり、単一車種としては世界でもっとも売れているモデルといわれる「RAV4」が6代目へとフルモデルチェンジ。少し遅れて登場したPHEVには、「GR SPORT」という新グレードが追加された。果たしてトヨタ渾身の最新PHEVの出来栄えやいかに。

BY :

文/藤野太一(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/トヨタ自動車、藤野太一  編集/森本 泉(Web LEON)

トヨタのセールスの1割以上を占める大黒柱

【試乗リポート】日常はEV、ときどきスポーツ。トヨタ渾身のPHEV「RAV4 GR SPORT」が素晴らしい!

近年、世界でもっとも売れているモデルといえば、実はトヨタRAV4。2025年の販売台数は120万台を超えるといわれ、世界でもっとも販売台数の多いトヨタグループの1割以上を占める、いまやカローラなどと並ぶトヨタの大黒柱である。


1994年に初代がデビューして以来、この約30年間で世界180の国と地域で販売され累計販売は1500万台に達している。以前、RAV4の開発者にインタビューした際、「RAV4がコケたら会社に大打撃を与えてしまう。そのプレッシャーたるや半端なものではない」と漏らしていたが、それは相当なものだろう。

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新型RAV4のグレードラインナップ。一番右が「GR SPORT」。その横が「Adventure」。左の2台が「Z」とそれぞれフロントマスクのデザインが異なる。

▲ 新型RAV4のグレードラインナップ。一番右が「GR SPORT」。その横が「Adventure」。左の2台が「Z」とそれぞれフロントマスクのデザインが異なる。

6代目となる新型RAV4は2025年末にまずハイブリッドモデルが発売された。そして2026年3月に追加されたのが、今回試乗したPHEV(プラグインハイブリッド)だ。


ラインアップは整理され、先代まではあったピュアなガソリン仕様はなくなった。ハイブリッドは上級グレードの「Z」とオフロード志向の「Adventure」の2車種の設定。そして先代でも長い納車待ちができるほど人気を博したPHEVでは「Z」に加えて、新グレードの「GR SPORT」が追加され、ハイブリッドとPHEVをあわせて4車種、駆動方式も4WDのみとシンプルな構成となっている。

「GR SPORT」には専用のフロントリップスポイラー、そしてフロントグリル内にさりげなく「GR」のバッヂが備わる。

▲ 「GR SPORT」には専用のフロントリップスポイラー、そしてフロントグリル内にさりげなく「GR」のバッヂが備わる。

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ちなみにGRとはトヨタのモータースポーツ部門である「TOYOTA GAZOO Racing」をルーツとするスポーツカーブランドのこと。そして「GR SPORT」とは日常的なモデル(ヤリスクロス、アクア、カローラクロス、ランドクルーザーなど)にレースで培った技術やノウハウを投入したスポーティな仕様で、メルセデス・ベンツでいうところの“AMGライン” といったイメージだ。

最新世代のハイブリッドシステムにより全方位の進化

水平基調のインテリアデザイン。新型では先代に比べてダッシュボードの高さが40mm低くなっており、前方視界が広くなっている。

▲ 水平基調のインテリアデザイン。新型では先代に比べてダッシュボードの高さが40mm低くなっており、前方視界が広くなっている。

インテリアは水平基調のデザインで、操作系もシンプルで使いやすいもの。トヨタ初というエレクトロシフトマチックは、小さなシフトセレクターを採用することで省スペース化し、周囲に物入れやドリンクホルダーを配している。また電動パーキングブレーキとブレーキホールドのスイッチを集約することで運転中の視線移動や動作を最小限に抑えている。

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赤いパイピングやステッチが使われた専用のシート。バケットタイプながらも柔らかな表皮でやさしく体をホールドしてくれる。

▲ 赤いパイピングやステッチが使われた専用のシート。バケットタイプながらも柔らかな表皮でやさしく体をホールドしてくれる。

エクステリアでは、専用のフロントリップスポイラーやリヤスポイラーが備わる。これは単にカッコよさを求めたデザインではなく、コンピューター解析と風洞実験を重ねて開発された本格的なもので、高速域のみならず低中速域でもダウンフォースを発生させて操縦安定性を高めるようチューニングされている。

専用のリヤスポイラー。ダウンフォースを高めるためコンピューター解析と風洞実験を重ねて開発されたもの。

▲ 専用のリヤスポイラー。ダウンフォースを高めるためコンピューター解析と風洞実験を重ねて開発されたもの。

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ハンドリングに関しては、専用のサスペンションを採用し、電動パワーステアリングにも専用にチューニングが施されている。また車体そのものに減衰特性を付与することで車体の不快なねじれや不安定な挙動を抑える「パフォーマンスダンパー」を追加し、リヤサスペンションメンバーのブレース補強を行うなどしてボディ補強を行い、入力に対して忠実に反応し、かつ手応えのある操舵フィーリングを実現している。

トヨタ車初搭載の第6世代のハイブリッドシステム。主要コンポーネントの小型化・高効率化を実現。

▲ トヨタ車初搭載の第6世代のハイブリッドシステム。主要コンポーネントの小型化・高効率化を実現。

PHEVにはトヨタ車初の第6世代のハイブリッドシステムが搭載されている。先代ではリヤシートの下にあったDC-DCコンバーターをPCU(パワーコントロールユニット)と一体化してエンジンコンパートメントに搭載するなどして主要コンポーネントの小型化・高効率化を実現。これにより高出力化、EV航続距離の延伸だけでなく、充給電性能、静粛性など全方位での進化を果たしている。

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満タン満充電なら一気に約1300kmも走行可能

新型は普通充電だけでなく急速充電器も使えるように。また給電機能によりアウトドアでの家電製品の使用などAC100V合計1500Wまで対応。

▲ 新型は普通充電だけでなく急速充電器も使えるように。また給電機能によりアウトドアでの家電製品の使用などAC100V合計1500Wまで対応。

パワートレインはフロントに2.5ℓ4気筒エンジンを、前後アクスルに駆動用モーターを配置。システム最高出力は先代モデルより23PSアップの329PSを発生する。バッテリーの総電力量は先代の18.1kWhから22.68kWhへと増加しており、EV航続距離は約145kmにまで延伸している。カタログ燃費(WLTCモード)は21.5km/Lでタンク容量は55ℓなので単純計算ではあるが、満タン満充電の状態なら一気に約1300km走行できる計算になる。


走行モードは「EVモード」、「AUTO EV/HVモード」「HV モード」の3種類。これにドライブモード「NORMAL」、「ECO」、「SPORT」、「CUSTOM」を組み合わせることができる。

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基本的にバッテリー残量があれば、HVモードでもEV走行する。これだけのEV走行が可能であれば買い物や子供の送り迎えなど日常のシーンではエンジンが始動することはなく、ほぼEVとして使うことができる。スポーティ仕様だからといってゴツゴツした乗り心地なわけでなく、静かでスムーズに走行できる。


エンジンを始動させてみようと首都高速にのって「SPORT」モードに入れるとメーターが真っ赤な表示にきり変わる。アクセルペダルを強く踏みこむとエンジンが始動するが、音も振動も悪目立ちすることはなく、つながりはスムーズでギクシャクするところがない。フル加速させれば、0-100km/h加速は5.7秒と見た目からは想像できないほどの俊足の持ち主なのだが、車体がしっかりと補強されていることもあって動きにもまったく破綻がない。1日の試乗では、ほぼEVで、ときどき「GR SPORT」の片鱗を感じるくらいの印象だった。このクルマの本領は日常でもっと使いこんだ先にあると思わせてくれるトヨタ渾身のPHEVだ。

【試乗リポート】日常はEV、ときどきスポーツ。トヨタ渾身のPHEV「RAV4 GR SPORT」が素晴らしい!
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■ TOYOTA RAV4 GR SPORT

ボディサイズ/全長4645×全幅1880×全高1685mm

ホイールベース/2690mm

車両重量/1990kg

駆動方式/4WD

エンジン/2.5ℓ直4 DOHC 16バルブ

フロントモーター/交流同期電動機

リアモーター/交流同期電動機

トランスミッション/CVT

エンジン最高出力/186PS/6000rpm

エンジン最大トルク/229Nm/4400-4800rpm

フロントモーター最高出力/206PS

フロントモーター最大トルク/272Nm

リアモーター最高出力/55PS

リアモーター最大トルク/123Nm

システム最高出力/329PS

燃料消費率/21.5km/ℓ(WLTCモード)

EV走行換算距離/145km

藤野太一(自動車ジャーナリスト)
大学卒業後、自動車情報誌「カーセンサー」、「カーセンサーエッジ」の編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。最新の電気自動車からクラシックカーまで幅広い解説をはじめ、自動車関連のビジネスマンを取材する機会も多くビジネス誌やライフスタイル誌にも寄稿する。またマーケティングの観点からレース取材なども積極的に行う。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属。写真/安井宏充

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