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2026.08.19

【試乗リポート】世界最速!? の4気筒エンジンを搭載したスポーツカー「ロータス エミーラ 420スポーツ」が登場!

スパルタンなイメージが強い「ロータス」より、最新のスポーツカー「エミーラ 420スポーツ」が発表されました。ハイパワーは変わらずも、気軽に楽しめる一台になっているとのこと。して、その秘密とは? モータージャーナリスト大谷達也氏が紐解きます。

BY :

文/大谷達也

刺激的なのにフレンドリーなライトウェイトスポーツカー

ロータスは、私にとってはずっと憧れのブランドでしたが、どこかはかなくて、自分とはやや縁遠いスポーツカーメーカーのような気がしていました。


創業者のコーリン・チャップマンは、シンプルで軽いライトウェイトスポーツカー作りを身上としてきた技術者。したがって彼らが作る製品も、小さくて、簡素で、走る性能だけにフォーカスしたモデルがほとんどでした。つまり、スパルタンなスポーツカーというわけですね。だから、走りはバツグンに軽快だけれど、乗り心地や快適性なんかの面ではちょっとだけ我慢を強いられることが少なくありませんでした。その辺が、自分とはちょっと縁遠い存在に思われた最大の理由だったかもしれません。

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ところが、2021年にデビューした最新ミドシップスポーツカーのエミーラでは、そんなロータスの印象が大きく変わりました。


走りを重視したライトウェイトスポーツカーというコンセプトはそのままに、内外装の仕立てがほどよく豪華になって、これまでのスパルタンなイメージが消え去ったのです。


しかも、コーナーで攻め込んだ時にトリッキーな動きをするクセも解消され、これまで以上に安心してワインディングロードを楽しめるようになりました。


そんなエミーラに高性能バージョンが追加されることになったと聞いて、ロータス・カーズの本拠地と言うべきイギリス・ヘセルを訪ねて参りました。

▲ エミーラ史上、最もパワフルな一台。

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ニューモデルの名は「エミーラ 420スポーツ」。最高出力が420ps(正確には421ps)であることがなんとなく想像できますが、これだけのハイパワーを4気筒2ℓエンジンから絞り出しているという点がまずスゴイ!


ちなみに、キャビン後方に搭載されたエンジンは、あのメルセデスAMGが作り出したユニットをロータスが独自にチューニングして421psと500Nmのハイパフォーマンスを実現したそうです。


なお、420スポーツが登場するまでもっともパワフルだったエミーラはターボSEと呼ばれるグレードで、こちらは405psと480Nmを発揮。その0-100km/h加速は4.01秒で、最高速度は291km/hだったそうですが、420スポーツはそれぞれ3.9秒と300km/h(!)を達成。ロータスは420スポーツが「世界最速の4気筒エンジン搭載モデル」だと主張しております。

▲ サイドから見ても美しいプロポーション。

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実際に試乗してみると、420スポーツはたしかに速いスポーツカーでした。超ハイチューンエンジンゆえに、ゆっくり走っている状態から急加速しようとすると、ターボの過給圧が高まるまでワンテンポ待つ必要がありますが、ひとたびエンジン回転数と過給圧が高まってしまえば、もう怖いものはありません。


新たに設定されたロータス・ハンドリング・パッケージを装着した試乗車は1430kgという軽さを誇りますから、加減速だけでなくコーナリングも思いのまま。おまけに、最近のミッドシップスポーツカーとしては珍しく全幅が1895mmしかないので、狭い道でも安心してプッシュできるのです。


しかも、ただボディがコンパクトなだけでなく、視界もいいから、車幅感覚が掴みやすい。オマケにステアリングが正確なので、狭くてブラインドコーナーが続くイギリスのB級道路でもへっちゃら。


というか、イギリスのスポーツカーはそもそもこういうタイトなワインディングロードを走るために作られたようなものですから、自信をもって走れるのは当然といえば当然。

▲ ロータスの真髄である走りの楽しさはもちろん健在。

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正直、この辺までの話は従来のエミーラにもほぼ共通しているのですが、決定的に異なっているのが、その乗り心地。ちょっとガツガツとして洗練されていない部分が残っていたこれまでのエミーラと違い、420スポーツはドッシリとした安定感を感じさせながらも、シットリとして快適な乗り心地をもたらしてくれるのです。


これだったら、助手席に腰掛けた彼女さんから苦情がでることもなさそう。だからといって、ロータスらしい軽快なハンドリングにいささかの曇りも見当たらないばかりか、粘り強い接地感のおかげでこれまで以上に自信を持ってコーナーに飛び込める。


本当に、足回りひとつでこんなにもクルマ全体の印象が変わってしまうのかと驚くくらい、420スポーツの仕上がりは素晴らしいものでした。

▲ 様々なカラーリングが用意されています。

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では、ロータスは420スポーツにどんな“魔法”をかけたのでしょうか?


実はサスペンションの重要なパーツであるダンパーに、マルチマチック製のスプールバルブ・タイプを用いたのです。


皆さん、マルチマチックの名前にはあまり耳馴染みがないかもしれませんが、実はF1チームがサスペンションを作るうえで、マルチマチックが作る製品はもはやなくてはならないくらい重要な存在となっているそうです。量産車でいえば、フェラーリのプロサングエに搭載されているアクティブサスペンションが、このマルチマチック製です。


420スポーツに搭載されたスプールバルブ・ダンパーは、これまでダンパーの心臓部とされてきたシムと呼ばれるパーツを、まったく別の部品に置き換えた革新的な構造を採用しており、従来のダンパーが苦手としてきた高周波数帯域でも安定した減衰力を発生。これが「ドッシリとしているのにシットリとした乗り心地」を生み出すうえで決定的な役割を果たしているとのことです。

▲ ロングドライブも楽勝です。

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しかも、最近のロータスはインテリアの質感も驚くほど良好。聞くところによれば、マクラーレンやランボルギーニも使っているサプライヤーの素材をインテリアに使っているとのことなので、それも当然かもしれません。


おかげで価格は2000万円を大きく越えてしまうようですが、それでもフェラーリやランボルギーニのミドシップモデルに比べれば半分ほどですし、ボディーがコンパクトで扱いやすい点はライバルたちには求め得ない魅力。ロータスにいまも強い憧れを抱く皆さんにはオススメの一台といえるでしょう。

▲ アルミが剥き出しだったかつてのロータスからは想像もできないほど、快適なコックピット。

大谷達也
電機メーカーの研究所で7年間エンジニアとして勤務した後、1990年、29歳で二玄社CAR GRAPHIC編集部に転職。以来、20年間にわたって同編集部に在籍する。同誌副編集長を務めた後、2010年にフリーランスに転身。現在、活動の中心はハイパフォーマンスカーのインプレッション記事執筆だが、電気系エンジニアとしての経歴を生かし、環境技術やハイパフォーマンスカーなどに用いられる新技術にも通暁している。ただし、技術を専門用語の羅列として説明するのではなく、日常的に用いられる言葉に置き換えてわかりやすく解説するのが得意。英語で海外のエンジニアと直接インタビューできる数少ない日本人評論家のひとり。

■ エミーラ 420スポーツ

全長×全幅×全高/4413×2092×1230㎜ 

車両重量/1455kg 

エンジン/1.9ℓ直列4気筒ツインスクロールターボ 

最高出力/421PS

最大トルク/500Nm

価格/未定


お問い合わせ

ロータスオフィシャルサイト 

www.lotuscars.com/ja-JP

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