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2026.05.31

マツダの新型CX-5はなにが変わったのか? 徹底リポート!

約10年ぶりにフルモデルチェンジしたCX5。ホイールベースを115mm伸ばし、居住性をぐっと向上させた最新モデルにレジェンドジャーナリストの著者が試乗。その魅力を詳細にリポートします!

BY :

文/岡崎宏司(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

イラスト/溝呂木 陽 編集/高橋 大(atelier vie)

岡崎宏司の「クルマ備忘録」連載 第282回

新型マツダ CX-5は、心地よいクルマに仕上がっていた! 

イラスト 溝呂木 陽 マツダ CX-5

新型 マツダCX-5でまず気に入ったのはルックス。ホイールベースを115mm延ばしたことで、後席のスペースを大きく向上させているが、それだけでは終わっていない。


サイドから見た車格感を押し上げ、スポーティさを保ちながら、ラグジュアリー感をもまた押し上げている。


ホイールベース延長分のほとんどは後席ドアの延長に結びつき、後席への乗降性を大きく向上させている。だが、それが間延び感とかスポーティさの後退等に一切結びついていないのがうれしい。

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加えて、サイドのデザインを注意深く見てゆくと、高い美意識に基づいた入念なデザインが行われていることにも気づくはずだ。


そんなデザインをもっとも生かすボディカラーだが、僕の目と心は、鮮やかな「ソウルレッドメタリック」と、硬質な「マシーングレー メタリック」にもっとも惹かれた。


特に後者には、、仕立のいい濃紺のスーツにきちっとタイドアップした、、そんなスタイルがよく馴染みそうだ。SUVカテゴリーのクルマとしては貴重な存在だと思う。


僕が試乗したのは最上位グレードの「L 」。ボディカラーはオプションの「ロジウム ホワイト プレミアム メタリック」で、4WDが組み込まれている。


オプションとしては、スポーツタンのシートカラーとインテリアコーディネーション、パノラマサンルーフが組み込まれていたが、これは共にオーダーしたいオプションだ。


タイヤは225/55R19サイズで、ブラックメタリック塗装をした、7Jのアルミホイールが組み合わされていた。

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ベース価格はざっと436万円(税込)。60万円ほどのオプションが加わっての総額は496万円だが、この価格、僕にはけっこう「安く感じた」ことをご報告しておく。


CX-5には「e-SKYACTIVE G 2.5」と呼ばれる、直噴ガソリン エンジンが積まれる。2.5ℓの直4 16バルブで、178psの最高出力と、24.2kgmの最大トルクを引き出す。


加えて、6.5ps / 6.2kgmのモーターが組み込まれているが、これは、発進時や加速時のスムースさをサポートする、、いわゆる「マイルドハイブリッド」であり、強力な走りをもたらすものではない。


CX-5のライバルといえばスバルフォレスターが挙げられる。エンジン的には2.5ℓ「e-BOXER」と目立った差異はないが、「ストロングハイブリッド」を謳うスバルのモーターは、119.6ps / 27.5kgmを発揮する。


こうしたライバルとの比較でも、CX-5のパワーユ二ットは、残念ながら喜びとか興奮をもたらすような、いい意味での過剰さ、あるいはエンタテインメント性には欠けている。

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もちろん、日々の走りに不足を感じるようなことなどない。だが、CX-5はスポーティな素養をたっぷり持っているクルマだけに、もう1ランク、パンチのあるパワーユニットが欲しいと思う人は少なくないだろう。


マツダは2027年中に、環境性能と走りを高度に両立させた「SKYACTIVE-Z」と名付けた新エンジンのデビューを公表している。


「究極の内燃機関」とマツダが位置付けるこのエンジンは、CX-5にも搭載されるとのことだが、大いに期待しよう。


さらに欲を言えば、SKYAVTIVE Zとより強力なモーターを組み合わせた「ストロングハイブリッド」だったらもっとうれしいが、それもすでに、既定路線に乗っているようだ。


上記のように、CX-5は車格感的に見ても、もっと高価なプライスタグを付ける素養は十分にあると僕は思っている。

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それだけに。価格が少々引き上げられても、魅力的かつ強力なパワーユニットが組み込まれれば、CX-5の販売台数は確実に伸びると僕は予想しているし、そう信じてもいる。


このクラスのユーザーともなれば、少々の価格の安さよりも、クルマの魅力に惹かれる度合いが高くなることは十分考えられるし、僕はそう信じてもいる。


上記したように、CX-5のエクステリアは気に入ったが、さらに気に入ったのがインテリアだ。これは素晴らしい‼


僕の乗ったLグレードの内装はレザー仕様で、「スポーツタン」と名付けられたシートカラー/インテリアコーディネーションだったが、強く惹かれた。


もう一つ、僕が「いいなぁ!」と思ったインテリアカラーは、Gグレードの「ピュアホワイト」。レガーヌ(スェード調高級人工皮革)+合成皮革だが、一見の価値ありとご報告しておこう。


コクピットを見て、まず目に入ったのが、ステアアリングホイール。ホイール全体のデザインもいいし、ディテールもいい。

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特に、シンプルなデザインで「MAZDA」のロゴを入れたセンターパッドが、すごく新鮮に見えるし、スタイリッシュに見える。


ダッシュボード周りやセンターコンソール周りのデザインもまた、基本シンプルでありながら、線も面も、丁寧に、エレガントに描かれ、造りこまれている。


スイッチ類にも同じことが言える。個々のデザインはよくできていても、集合体として見ると調和に欠け、魅力が消し飛んでしまう例は少なくない。


だが、新型CX-5にはそれがない。小さなスイッチの一つひとつまで丁寧に作り込まれ、インテリアのデザインの全体調和も高いレベルに届いている。


Googleを採用した、薄く繊細なつくりの、15.6インチ・タッチパネル式、大型インフォテインメントシステムも気に入った。


スポーティでエレガントなインテリアによく調和しているし、モダンな雰囲気作りにも大いに貢献している。


ATセレクターレバーのデザインが「ちょっと旧いかな!」という印象はあるものの、ディテールは綺麗にしっかり造り込まれているので、「よし」としよう。

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キャビンの空間感覚、シートの座り心地もいいが、とくに後席の座り心地には高い点数がつく。


ホイールベースを115mm延長した恩恵は、後席に乗れば直感的にわかる。フットスペースにも大きなゆとりがあるし、シートもよくできている。


ルーフ、特に後頭部に広がる高くゆとりある空間はなんとも心地よい。


後席での感覚的ゆとり感を大きく左右する、前シート背面のデザインも文句なし。今回の試乗で僕がいちばん長く乗っていたのは後席だったが、その理由は単純。とても居心地が良かったからだ。


ホイールベースの延長と共に、リアサスペンションにも入念なチューニングを施しているとのことだが、特にダンパーの初期応答の部分に、僕はチューニングの成果を感じた。


不整路面での後輪側からの角の立った粗いショックや音は従来モデルより大幅に減り、同時にロードノイズも減っている。


それにホイールベースの延長も加わって、さらに乗り心地の良さは押し上げられているのだろう。

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新型CX-5は、後席が広く快適になったことだけでなく、多くの点で快適性が進化しているということだ。


ステアリングは軽めだが、手応えに曖昧さはなく、リラックスして走れる。とくに、リアのなめらかで適度な切れ味を持つ追従感は気持ちのいいもので、それは後席に乗っていても感じる。


狭い場所でも周囲の状況を確認できる「360°モニター」、考え事をしていたり、なんとなくボーッとしていたり、、運転に集中できていないような時の事故回避や被害低減を図る「ドライバーモニタリング」の進化型等々、先進安全技術もあれこれ組み込まれている。


新型CX-5には多くの点で目を惹かれたし、心を惹かれもした。だが、あえて物足りなさを感じた点を挙げるとすれば、、すでに触れたが、、「もう少し贅沢なパワー」がほしかったという点だ。


でも、来年には、進化したエンジンに強力なモーターを組み合わせた「ストロングハイブリッド モデル」の登場が約束されている。


だから、どうしても強力な走りのパフォーマンスがほしい人は、それを楽しみに待てばいい。

岡崎宏司(自動車ジャーナリスト)
1940年生まれ。本名は「ひろし」だが、ペンネームは「こうじ」と読む。青山学院大学を経て、日本大学芸術学部放送学科卒業。放送作家を志すも好きな自動車から離れられず自動車ジャーナリストに。メーカーの車両開発やデザイン等のアドバイザー、省庁の各種委員を歴任。自動車ジャーナリストの岡崎五朗氏は長男。

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