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2025.11.24

魅力的な新作時計を続々発表する「ノルケイン」。副社長がその魅力と強さの秘訣を語る

新進時計ブランドとしてファンを急速に増やしている「ノルケイン」。そこで、この秋の新作発表イベントのため急遽来日した若き副社長に直撃インタビュー。日本限定モデルや限定カラーモデルの見どころに加え、ブランドの強みに迫ります。

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文/長谷川 剛
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取材・編集/長谷川 剛

魅力的なカラーを続々打ち出す「ノルケイン」のこだわりと魅力

2018年に創業した新進時計ブランドのノルケイン。強大なグループに属す企業の多いスイス時計業界において、自主独立の道を選ぶこだわり派のブランドです。

事業を興したカッファー家は、三世代にわたり時計製造に関わってきた家柄。経営陣も地元のスイス育ちが多く、その人脈により築いた時計業界各所への太いパイプが強みのひとつです。
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強豪揃いのスイスにおいて、実力に定評のあるムーブメント会社ケニッシやハイテク素材企業のBIWI社と強力なタッグを組み、さらに2020年には業界の大御所ジャン・クロード ビバーさんをアドバイザーに迎えるなど、ルーキー離れした体制作りも大いに話題となりました。

特に昨今は見ているだけで活力の湧くカラフルな外装のモデルをリリースし、一層の注目を集めています。その勢いに乗り、2025年下半期にも日本限定モデルやスペシャルカラーモデルを打ち出し、進撃の速度を上げています。

そこで、イベントために来日した副社長 トビアス・カッファーさんに、日本限定モデルのポイントや、注目モデルを連発できるノルケインの強さをダイレクトに伺いました。
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日本人の繊細さを意識した絶妙な限定グレーカラー

「ワイルドワン スケルトン JP 42mm」自動巻き、ノルテック®ケース(42mm)、ラバーストラップ。200m防水。102万3000円/ノルケイン(ノルケインジャパン)
 ▲ 「ワイルドワン スケルトン JP 42mm」自動巻き、ノルテック®ケース(42mm)、ラバーストラップ。200m防水。102万3000円/ノルケイン(ノルケインジャパン)
── 今回の新作では、日本限定のワイルドワン スケルトンが特に気になりました。とってもクールですよね。

トビアス・カッファーさん(以下、トビアス) ありがとうございます! 日本をイメージしたカラーリングであり、特に文字盤の見返しとなるインナーベゼルまで、アンスラサイトグレーにこだわり製作しました。日本ではターコイズのような鮮やかなカラーも人気ですが、落ち着いたルックスを好む人も少なくないので、ブラックよりも繊細な味わいのあるアンスラサイトグレーを用いました。
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「ワイルドワン スケルトン JP 42mm」自動巻き、ノルテック®ケース(42mm)、ラバーストラップ。200m防水。102万3000円/ノルケイン(ノルケインジャパン)
── シックな外観ゆえにスポーツシーンはもちろん、ビジネス使いも全然イケますね。

トビアス スケルトン仕様であってもノルケイン独自の複合構造により、5000Gに耐えるタフさはもちろん、200m防水や41時間パワーリザーブなど、機能は変わらずに引き継いでいます。

── それで総重量がわずか78gなんだから、本当にハイパフォーマンスですね。
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試行錯誤から生まれたロイヤルなパープルカラー

「ワイルド ワン スケルトン 42mm パープル リミテッドエディション」自動巻き、NORTEQ®ケース(42mm)、ラバーストラップ。200m防水。99万円/ノルケイン(ノルケインジャパン)
 ▲ 「ワイルド ワン スケルトン 42mm パープル リミテッドエディション」自動巻き、NORTEQ®ケース(42mm)、ラバーストラップ。200m防水。99万円/ノルケイン(ノルケインジャパン)
── また、カラーの華やかさでいえば、限定色モデルのワイルドワン スケルトンのパープルも艶っぽい。

トビアス ご存知のとおりパープルのカラーリングは、去年、インディペンデンス スケルトン クロノで登場しています。その時の反響が非常に強く、ノルケイナーの皆さんから「次はワイルドワンで是非見てみたい!」とリクエストをいただき製作に至りました。

── ですが、前作のパープルとは少し印象が違うような……?
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「ワイルド ワン スケルトン 42mm パープル リミテッドエディション」自動巻き、NORTEQ®ケース(42mm)、ラバーストラップ。200m防水。99万円/ノルケイン(ノルケインジャパン)
トビアス さすがお目が高い!(笑)。当初はインディペンデンス スケルトン クロノと同じパープルで試作しました。しかしワイルドワンに前回同様のパープルをはめ込んでみると、少し違和感がありました。なんというか、ダークなケースとの対比で、やや沈んだ色調に見えると言うか……。なので今回リリースするワイルドワン スケルトンでは、少し明るめのパープルをチョイス。加えてインデックスや針、マーカーには、さらに明るいトーンのパープルをあしらっています。

その結果、全体としてワイルドワンらしい軽快さがきちんと表現できたと思っています。個人的に特に気に入ったので、“ロイヤルパープル”と名付けてみました。ただし、そう呼んでいるのは社内で僕だけですけど(笑)
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── 確かに、ポップな感じもありつつ、エレガントな色気も感じる特別なパープルモデルです。以前リリースしたターコイズもそうですが、最近のノルケインはカラーへのこだわりが強いですよね。そういった色への取り組みは、戦略のひとつとしてこれからも継続していきますか?
トビアス そうですね、カラーは時計デザインにおける重要な要素。時計は時報装置として、優れた機能性や精度ももちろん大事です。しかし、それ以上のものを望んでいるファンも多いのです。2025年の6月にリリースした、フリーダム60クロノのアイスクリームカラーに対する反響でも、それを強く感じました。

ポップかつ活気があってポジティブなルックスは、そのままノルケインのマインドとも重なります。ただしそれはトレンドにタダ乗りすることを意味しません。ノルケインのコンセプトに則した色使いを構築し、それを貫くことで業界をリードできればと考えています。
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完全オリジナルのフライバッククロノグラフ機を積んだ新色オレンジ

「インデペンデント スケルトン クロノ 42MM」自動巻き、SSケース(42mm)、ラバーストラップ。100m防水。107万8000円/ノルケイン(ノルケインジャパン)
▲ 「インディペンデンス スケルトン クロノ 42MM」自動巻き、SSケース(42mm)、ラバーストラップ。100m防水。107万8000円/ノルケイン(ノルケインジャパン)
── 個人的に凄いと思うモデルに、インディペンデンス スケルトン クロノがあります。今季はそのニューカラーとしてオレンジモデルが登場しましたね。ほど良くポップで実にノルケインらしいと感じました。
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トビアス それは非常にうれしいですね! どの部分に惹かれましたか?

── COSC認定済みの自社製ムーブメントで価格が100万円ちょっとというのは、かなり夢があると思います。
ダイヤルデザインだけでなく、ローターも世界最高峰の山をモチーフにしている。
▲ ダイヤルデザインだけでなく、ローターも世界最高峰の山をモチーフにしている。
トビアス 価格については正直、歯を食いしばって決めています(笑)。原料費や人件費、開発費や輸送費などすべてが高騰するなかですが、ノルケインは若い世代に機械式時計の伝統や素晴らしさを知ってほしいという願いがあるので、できるだけリーズナブルプライスを維持しています。
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長期計画を叶えられるのは、インディペンデンスだからこそ

── その頑張りはひしひしと伝わります。近年、ブランドによっては一年に複数回の価格改定もある中で、ノルケインは創業から7年の間にたった2回しか値上げをしてないそうですね。

トビアス 正直、音を上げそうではあります(笑)。ともあれ我々ノルケインはインディペンデンス、独立企業ゆえに頑張れるというバックグランドがあります。投資を受けて運営するグループ企業では、出資者に対し短いタームで結果を示さなければ次がありません。しかし、本格的かつ真に意義のある時計開発は、半年や一年で結果が出るものではないのです。

例えば、このフライバッククロノグラフ機も、ゼロベースから製作しました。AMTというムーブメント会社との共同開発ですが、4年の時間とコストを掛けています。そういったオリジナル開発のクロノグラフ機を積んだモデルは、通常はハイプライスになります。しかしノルケインは長期の投資計画が可能なことに加え、AMTや他の関連会社との“縁”もあることから、総合的にリアルなプライスでリリースできるのです。
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── やはりインディペンデンスであることが想像以上に大きなポイントですね。もちろんスイスで築いてきた強い絆やコミュニティも大事なのでしょうけれど。

トビアス まさに、おっしゃるとおりコミュニティとの密な連携もノルケインはずっと大事にしています。また、カスタマーの声を臨機応変に取り入れられるのも、独立して経営しているからこそ。ノルケインはファンとともに着実に成長してくと決めているのです。

── 聞けば聞くほどいろいろな魅力に溢れるブランドです。最後に2026年のウォッチズ&ワンダーズでの展望などあれば、是非お聞かせ下さい。

トビアス うーん、現在言えることはほとんどないんです(笑)。ただしノルケインの歴史上、最もイノベイティブなコレクションを披露できることは、まず間違いありません!
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トビアス・カッファー ノルケイン

● トビアス・カッファー

1990年スイス生まれ。ノルケイン副社長。2013年に時計ブランドのルイ・エラールを経て、スイスのジュエリーメーカーであるギベルグでインターナショナルセールスディレクターを務める。2021年に実兄でありノルケインCEOのベン・カッファーから招聘され現職に。同社のセールス部門におけるエグゼクティブとして、世界を回りPR等に奔走。特に日本は特別なマーケットだと評価する。

■ お問い合わせ 

ノルケインジャパン 03-6864-3876

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