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2022.07.02

高級時計の未来を担う、注目の独立時計ブランド「アクリヴィア」が日本初上陸!

時計業界で今、もっとも注目されるキーパーソン、独立時計師のレジェップ・レジェピさんに自身のブランド「アクリヴィア」と、時計作りへのこだわりについて伺いました。時計通なら絶対に見逃せないマイクロメゾンです。

CREDIT :

取材・写真・文/渋谷康人

世界中の時計通が注目する「アクリヴィア」が日本初上陸!

アクリヴィア クロノメトル・コンテンポラン Ⅱ
2022年5月末日、時計関係者がこぞって注目する独立時計ブランド「アクリヴィア」の新作が、とうとう日本でお披露目されました。その創設者レジェップ・レジェピさんは、時計業界で今、もっとも注目されているキーパーソンのひとりです。

レジェピさんは35歳にして、時計師としてのキャリアはなんと20年! スイスの時計業界の中でも、異色かつ華麗な経歴をもったレジェピさんの時計作りへのこだわりを特別に伺いました。
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「時計の歴史に燦然と輝く、そんな機械式時計を作りたい」

▲ 独立時計師レジェップ・レジェピさん。
▲ 独立時計師レジェップ・レジェピさん。
レジェピさんは、2012年にアクリヴィアを設立し、2018年には当時世界最大の時計フェア、バーゼルワールドで独立時計師としてデビューを果たしています。

そんなレジェピさんとアクリヴィアの名が一躍知られるようになったのは2018年末。新作の前身であるレジェップ・レジェピ・クロノメトル・コンテンポラン Ⅰ(ワン)が、“時計界のアカデミー賞”ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリでメンズウォッチ賞を受賞した時からでした。

「時計作りの伝統を尊重しながら、未来を先取りした新しい機械式時計を作りたい。時計の歴史に燦然と輝き、後世に残る時計です。時計作りをしている時に、どんな時よりも幸福を感じます」と、レジェピさんは笑顔で語ります。
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「12歳で、生まれ故郷を離れてジュネーブへ」

レジェピさんの生まれ故郷はヨーロッパ南東部、セルビア共和国内のコソボ自治州。1998年に勃発したコソボ紛争を逃れ、レジェピさんは父が長年働いてきたスイス・ジュネーブに移住したそう。

「私の時計に関する最初の記憶は、父が愛用していた時計です。当時からモノづくりや機械が好きだった私は、父の身に付けていた時計という機械の不思議に魅力を感じていました。

そして12歳の時、到着したジュネーブ空港で時計の広告をたくさん目にして『ああ、ここは時計の国なんだな』と思いました。思えばその時から、時計師への道を歩き始めていたのでしょう」

言葉と文化の壁に戸惑いながらもレジェピ少年は、時計ブランドの研修を受けて時計師を目指します。部品のヤスリがけなど当初はまったくできなかったそうですが、努力を続けるうちに才能が開花。15歳で、数百人の研修生の中からわずか数名という狭き門を突破して名門 パテック フィリップの見習いとなり、時計師の技能資格も取得します。

「パテック フィリップでは時計作りの基本のすべてを学ぶことができました。そして、独立時計師になろうと思ったのもパテック フィリップの研修生だった16歳の頃。当時発表された10日巻きトゥールビヨンモデルに触れて『自分でもいつかこんな時計を作ろう』と決めたのです」
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伝説の工房を経て独立時計師の世界へ

20歳までパテック フィリップで働いたレジェピさんは、複雑ムーブメントの開発を専門としていた伝説のムーブメントメーカー、BNPコンセプト社(後にウブロが吸収)へ。その後は、憧れの存在であった天才時計師フランソワ-ポール・ジュルヌが率いるF.P. ジュルヌ社に移籍し、ジュルヌ氏の右腕として活躍しました。

そして2012年、25歳で独立。「AKRIVIA」とは古代ギリシャ語で精度を意味する言葉です。

「機械式時計は芸術作品であると同時に、時間を正確に刻み、表示するもの。それが時計の本質だと思います。だから、人は機械式時計に魅了され続けるのでしょう」

ただ、独立当初はなかなか売れなかったそう。

「人生は思い通りにならない。そのことを思い知らされました。当初は、他社の仕事を請け負ったりもしましたね」
▲ 2018年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリでメンズウォッチ賞を受賞したクロノメトル・コンテンポラン Ⅰ。 ©GPHG
▲ 2018年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリでメンズウォッチ賞を受賞したレジェップ・レジェピ・クロノメトル・コンテンポラン Ⅰ。 ©GPHG
しかしながら、シンガポールに本社を置く高級時計専門店「アワーグラス」のトップであり、時計業界の重鎮でもあるマイケル・テイ氏は、当時からレジェピさんの時計師としての才能を高く評価していました。

そして、テイ氏の勧めで製作し、レジェピ氏のキャリアの大きな転機になったのが、先述のレジェップ・レジェピ・クロノメトル・コンテンポラン Ⅰでした。文字盤に初めて自分の名を記したこのモデルは、1940年代の将校用時計にインスパイアされたクラシックなスモールセコンドタイプの高精度時計です。

テンワと3番車のサイズを同径にしたシンメトリーな設計のムーブメントは、その美しさと機能性によって業界に大きな衝撃を与えました。
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ひとつの時計をすべて自分の手で作り上げるこだわり

この度、新たに発表されたクロノメトル・コンテンポラン Ⅱは、この受賞作の後継モデル。外観は前作と基本的に同じデザインですが、中身のムーブメントもケースも完全な新設計で、グラン・フーエナメル文字盤の作り込みや仕上げも大きく進化しています。

ムーブメントの前作との最大の違いは、クロノメーターモデルにふさわしく、秒針が1秒ごとにステップ運針する「デッドビートセコンド機構」が組み込まれていること(※)。まさに、1秒1秒を“高精度”で表示するというわけ。

しかも時計の時間精度にこの機構が一切影響を与えないように、別の歯車輪列で組み込まれている。つまりは、クラシックな外装に、革新的なクロノメータームーブメントを搭載した次世代のモデルなのです。
※一般的な機械式時計は0.5秒に1ステップなど、小刻みに運針する。
そして本モデルも含め、アクリヴィアの最大の特長が、手作業への究極のこだわりです。ムーブメントからケースに至る時計の製作と仕上げ加工のほぼすべてが、レジェピさんを筆頭にジュネーブの伝統的な時計技術を駆使する時計師たちの手で行われているのです。
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「本質を極めた時計には、時代を超える価値があります」

そして、時計工房の道を隔てた向かいには、スイス時計界伝説のケースメーカー、ジャン-ピエール・ハグマン氏(なんと80余歳!)が指導、監修するケース工房があります。

引退していたもののレジェピさんの求めに応じて2019年に復帰したハグマン氏はここで、金属の円盤から伝統的な機械でケースを削り出す古典的なケースメイキングの技をレジェピさんらに応じて伝授しているのです。
▲ ケースまですべてが手仕上げ。こちらのスモールセコンドは、グラン・フーエナメルに手彫りのグラヴェ・グラテを施し、半透明のグレーエナメルで表面を覆っている。
▲ ケースまですべてが手仕上げ。こちらのスモールセコンドは、ダイヤルに手彫りのグラヴェ・グラテを施し、半透明のグレーエナメルで表面を覆っている。
レジェップ・レジェピ・クロノメトル・コンテンポラン Ⅱの楕円と円を融合させたケースも、ハグマン氏の技術指導・監修から生まれたもの。グラン・フーエナメル文字盤やムーブメントの超絶的な仕上げによる美しさと同様に、製品の実物を自分の目で見て、自分の手で触れてこそ実感できるディテールです。
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▲ ツインバレルを搭載し、テンワと3番車のサイズを同径にするなど、シンメトリーにこだわったムーブメントは、深い面取りも特徴。
▲ ツインバレルを搭載し、テンワと3番車のサイズを同径にするなど、シンメトリーにこだわったムーブメントは、深い面取りも特徴。
「人の情熱から生まれ、最高峰の手作業で製作された、本質を極めた時計は時代を超えて価値を失いません。機械式時計のメカニズムや仕上げにはまだまだ無限の発展や進化の余地があります。その追求を続け、未来にそんな時計をひとつでも多く、世に送り出したい」

最高峰の職人技による時計作りにこだわるレジェピさんとアクリヴィア。私たちは幸運にも、その芸術的で独創的なクリエーションを同時代で目撃できる立場にあります。時計好きの方にはぜひ気にかけてほしい存在です。
レジェップ・レジェピ

● レジェップ・レジェピ

1987年生まれ。独立時計師。15歳からパテック フィリップにて研修を開始。その後、BNPコンセプト、F.P. ジュルヌで活躍し、2012年に「アクリヴィア」を創設。2018年、レジェップ・レジェピ・クロノメトル・コンテンポラン Ⅰが、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリでメンズウォッチ賞を受賞した。

※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ 

アワーグラス銀座店 03-5537-7888

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