名古屋からほんのひと走り、三河湾を一望する絶景宿はお忍びにピッタリ

さてさて、今回選んだのは愛知県の三河湾を望む「天の丸別邸　風の谷の庵」という宿。名古屋からなら、ほんのひと走り。大阪からでも3時間ちょっと。関西在住のモテ男性陣が行きつけにするのにピッタリの距離ですよね。実は東京からでも4時間ほどですから、乗り心地の良いクルマをお持ちであれば楽チンに射程距離でしょう。
そしてここは、本当にお忍びにピッタリなのです。

まず国定公園のなか、三河スカイラインの途中にあるため、クルマじゃないとちょっと不便。そのため温泉宿にしばしばいらっしゃる「OLさんふたり連れ」だとか「母と娘」だとかの女性同士がほぼいなく、ほとんどがカップル。だから彼女とふたりでも、まったく目を引くことがない。

しかも国定公園内であるから建物を建てることができず、文字通りに人里離れている。ちなみに同宿が許可されたのは、そもそもは本館が公共の宿であったから。それを引き継ぎ、その別邸として、「風の谷の庵」を建てたのです。

また、その「風の谷の庵」の造りが、良いのです。玄関棟こそ本館の近く、道路のすぐ側なのですが、全10の客室がすべて離れで、玄関棟から小道を下ったところにある。その小道が急坂で、もちろん歩くこともできるけど、かなり遠い。そのため客室には専用車で送迎してくれるぐらい。つまり客室が玄関棟からかなり離れていて、まさしく「隠れ家」のようなのです。

風の谷の庵は、お忍び以外でも大きな魅力をもっています。
約3万坪の広大さな敷地は山頂近くで、遠くに三河湾を一望できる。ことに玄関棟からが絶景で、夕には眼下一面に夜景が広がり、それが溜息が出るほどに美しい。それを愛でつつバーで一杯、というのも楽しいです。

玄関棟から離れた客室は、広いテラスから豊かな自然が楽しめる、さながら山間の別荘のよう。純和風の一軒家のような造りで、まるで自分の別荘のように落ち着けます。

10の客室はすべて異なる造りで、露天風呂も大理石や桧などと違った仕様、それで彼女と部屋を選ぶのも楽しい。で、その湯船が「ふたりで」というのにジャストのサイズであるのがうれしい。飛び切り親密で素敵な時間を過ごせますよ。

また料理も素晴らしいです。地元の山と海の旬の味覚を中心にした懐石で美味しさも量も抜群。名物のあかざ海老や三河牛も美味。そして出色が天麩羅です。前記のように客室が玄関棟からかなり離れているので食事は部屋で楽しむ。それで天麩羅は目の前で揚げてくれる「お座敷天麩羅」というやつ。とっても洒落ているでしょう。朝食では目の前で出汁巻き卵を焼いてくれます。

というように「風の谷の庵」は、お忍びにピッタリで、景色も居心地も温泉も料理も何もかもが贅沢な味わい。行きつけにするのには最高の宿です。あ。でも全10室ですから早く予約しないと。お急ぎを。