愛を伝える花束は”香りで選ぶ”が新しい

突然ですが、女性に向けた失敗しないプレゼントといえば何でしょう？　その答えのひとつが"花束"。使い古された常套手段と思うことなかれ。花束を贈られた女性の8割以上が「うれしい」、そして2割以上が「相手を好きになる」という調査結果があるのです（2015年 花の国日本協会調べ）。定番の贈り物にもかかわらず、これほどの費用対効果があるなら、贈らなければ損！ですよね。　
 
でも、ここで定番にとどまらないのが、大人のオトコ。で、どこを工夫するかというと「香り」なのです。人間の五感の中で最も記憶に残るのが、実は嗅覚。香りは記憶と強く結びついて、再び同じ香りを嗅いだ時に記憶を呼び起こします。だから、印象的な香りの花束を贈っておけば、彼女はその香りを嗅ぐたびにあなたのことを思い出してくれるってワケ。
 
今回は、フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんに失敗しない花束選びのコツをお聞きました。香りにはそれぞれに効果があるので、シチュエーションや彼女の好み・体調によって選ぶのが吉ですよ！

良い花屋さんは、見た目で分かります。その決め手はふたつ。グリーン（葉物や枝物など）の多さと、花器が透明さ。まずグリーンは、見た目と花持ちの2つのメリットをもっています。グリーンをうまく足すことで、どの色の花をメインに使っても、色彩が調和されて花束全体がまとまります。また、グリーンがあることで花びら同士が触れ合ってできる傷を防ぐので、花の寿命を伸ばすことにも繋がります。そんないいことづくめのグリーンですから、選択肢の多い店を選んでください。ちなみに佐藤さんのオススメの割合は、花とグリーンが1:1〜1.5の構成だそう。

続いて、なぜ透明な器が重要かというと、お花の処理がよく分かるから。中の水が濁っていないこと、そして水に浸かっている部分の葉やツボミを取り除いていることが良い花屋さんの証拠。なので、ごまかしの効かない透明な器を使っているお店を選べばハズレがないんです。

続いてが本題の“香る花選び”ですが、佐藤さんによるとどんな花束でもオーダー時に忘れてはいけない最重要のキーワードがあるのだとか。それが「いつ渡すか」。というのも、お店の方は渡す時に最も美しい花を選んで花束を作るから。「こんなイメージで」とか「何十代の女性に贈ります」というオーダーをしたくなるものですが、その前に「いつ渡します」のひと言を忘れずに！

「愛」という花言葉を持つバラは花束の大定番ですが、そのなかでも特に香り高い品種が「イブピアッチェ」。その香りの良さから、有名ブランドの香水の原料としても使われています。丸みを帯びてコロンと可愛らしい見た目もポイント。バラの香りには美肌効果があるので、美を追求する女性にぜひ贈りたい品種です。

ペパーミントをはじめとするミント類は何と言っても清涼感のある香りが特徴。爽やかさがあるので、夜よりもランチデートで渡す花束にぴったり。料理の香りを邪魔しないので、食前に渡せば、料理の味が引き立ちます。

疲れ気味な彼女にはストレス解消作用のある花を贈るのが手。「ゼラニウム」はホルモンバランスを整えて、気分をリラックスさせてくれます。真夏と真冬以外に咲く、小さなピンクの花も可愛らしいですよ。

「ローズマリー」は肉料理の臭み消しにも使われるように、強い芳香をもつハーブです。集中力を高める効果や殺菌効果があり、朝の寝覚めもよくしてくれるそう。「枕元において朝起きた時に香りを嗅いでみてね」とひと言添える心遣いも忘れずに。

ユリの中でも特に強い香りをもつのが「カサブランカ」。直接嗅がずとも、飾っておくだけで部屋が甘い香りで満たされます。その香りには新陳代謝を高め、やる気を向上させる効果があるそう。クロークに預けておいて、デートの締めくくりに「今日はありがとう」の気持ちとともに贈りましょう。部屋に持ち帰ったあとも、カサブランカの香りが楽しいデートの思い出を運んでくれるはずです。

いまご紹介したのが、1年を通じてお花屋さんにならぶことの多い5品種。でも、芳香を持つ花には季節限定の品種もあります。例えば、春ならば4〜6月にかけて薄桃色の素朴な花を咲かす「ライラック」。

初夏には6月頃から甘くエキゾチックな香りの花をつける「クチナシ」を。初夏のおこもりデートに持参すれば、甘い香りの中、ふたりきりのひとときを過ごせます。

そして、秋の初めにはコスモスの中でもいち早く咲く「チョコレートコスモス」を。ほんのりとチョコレートの香りがするコチラは、シックな色味なのでホテルのバーが似合います。

季節を先取りした花束が女性には喜ばれるそうなので、季節モノの花を贈る際は実際の開花時期よりも早めに贈るのが成功の秘訣です。

これまでにない"香る花束"を贈られたならば、意中のあのコもとびきりの笑顔を見せてくれるハズ。ぜひこのホリデーシーズンに贈る花束の参考にしてくださいませ！