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2020.02.14

【第21回】

美人の罠「私、なぜか浮気相手になることが多かったです」

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか?「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林 伸次 構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どき美女たちの“悩める”恋愛事情。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第21回のゲストは、レコード店勤務のコウさん(38歳)です。
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スポーツで有名な学校に特待生で入ったら男女交際禁止で

── あ、正統派美人きましたね。林です。今日はよろしくお願いします。

「こちらこそ! 私おしゃべりだから話しすぎないように気を付けなくちゃ(笑)」

── いえいえ、今日は遠慮なく話してください! まずはここでのニックネームを決めましょう。誰に似てるって言われますか?

「似てるって言われる人がいつも男性なんですよね」

── 確かに、宝塚もそうなんですけど、美形になればなるほど男女の差が怪しくなってくるんですよね。でもちょっと柴咲コウさんに似てる感じがするんで、今日はコウさんでいきましょうか」

「うれしいです~。よろしくお願いします」

── コウさんが最初に男の子と付き合ったのって何歳の時でした?

「高校生かな。なんか告白してくれる子はみんな私のタイプじゃなくて(笑)ちょっと遅いかしら。部活にもとても打ち込んでいたし」

── いや大丈夫です、そんなもんです(笑)。

「高校もスポーツで有名な学校に特待生で入ったんですが、顧問が根性論の人で、男女交際も禁止で」

── え~! でもそうか、誰かに何かあるとみんなの人生が変わっちゃうから。大会に出られないとか……。

「そうですね、結果を出すために入った学校だから。でも途中で新しい先生に変わったら男女交際解禁になったんですよ(笑)。その時に他校のイケメンな先輩と付き合いました」

── お! それは楽しい(笑)。

「でもうちは親が厳しかったので、当時みんなが持っていたポケベルとかピッチは買ってもらえず、お友達のポケベルに連絡もらったりしてね」

── え~! 凄い。よくお友達参加してくれましたね~、優しい~。

「うん、優しかったですね。だけど恋愛禁止じゃなくなったはずなのに顧問に咎められて、結局彼が大学生になった頃に自然消滅しちゃいました」
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時間もお金もないし。公園でしてたのかな

── 反発からよけいに燃える、みたいなのはなかったんですか。

「なんか面倒くさいって思いました。目立っちゃったのも嫌だったし、なんかもういいやって」
── へぇ~、サバサバしてますね。

「それは育った環境が影響してるかもしれません。父の転勤で転校ばかりしてるから、人に対して依存しないようにブレーキを掛けてるところがあるかも」

── あ、うちの妻も同じでした。

「そうでしたか。異性に限らず、子どもの頃から人を大好きになればなるほど、“この人ともいつか別れが来るから”って思って気持ちを止めちゃってました。あ、でもファーストキスはその彼です」

── あ、キスまでですか。やはりそういう高校だと周りのみんなもしてない?

「そう、キスまで。でもまわりの子はそんなことないですよ。普通科の生徒もいっぱいいるので」

── 普通科の子たちは例えば甲子園に出ているピッチャーとかを狙ったりするんですか。

「めっちゃ狙ってます(笑)」

── でも女の子たち、狙っても彼らはセックスまではできないですよね。

「いえ、たぶんしてますよ。友人で付き合ってる子がいたし。どっかで隠れてやってるんだと思います(笑)」

── そりゃそうか。だって男子もしたいし、きっとみんな凄い男だし。

「そうそう、野球部の一軍なんて女の子みんな狙ってますから! それを目的に女の子から近づいてくるし、遊びたい放題でしょう」

── あ~やっぱりそうなんだ。なんかそういうのがばれたりすると高野連とか大変なことになるのかなって思いましたけど。

「でもセックスは犯罪じゃないし、健全なお付き合いですって言えばいい話で。だけどどこでしたんだろう。時間もお金もないじゃないですか。公園とかでしてたのかな(笑)」

── わ~どうだろう。聞いてみたい(笑)。
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私、なぜか浮気相手になることが多かったです

── 大人になったばかりの頃はどんな恋愛傾向でした?

「そうですね。好きになるとずっと好きなんですけど、基本的には執着しないというか、あまり縛るのもお互いにとって面白くないじゃないですか。だからかもしれませんが、なんか私は2番目、浮気相手になる傾向がありました」

── え!

「たまたま彼女と上手くいってない時期とかに私と出会って、なんか面白いし遊ぼうって言われてそういうことになって。でも私も束縛されるのも嫌だし、他の男友達とも会いたいから、面倒になってきちゃって、終わっちゃうんですよね」

── 面倒くさいって言葉は男性がよく言いますね。あの人面倒くさくなってきたから別れたい、みたいに。

「はい。相手は付き合ってた人と別れて私のとこに来るんで、それはちょっと優越感あるんです。私を選んだ、みたいな。でもこの人また同じことするでしょ?って思いますし」

── まあ、そうなりそうですよね。

「よほど身体の相性が良ければ続くかもしれないけど、そうじゃなければ『前の彼女のとこ戻れば?』って」

── すっごくあっさりしてますね。落としたらおしまいなんだ。

「私、結構男っぽいので、自分から好きになった人をハンターみたいに落として、この人いつ落ちるかな~ってゲームみたいなことをするのが好きだったんです」

── やっぱり好きって言ったら落ちますか。

「落ちますね。最初は『え~』みたいになっても、ずっと好き好き光線送ってると、だんだん好きになるみたいで」

── やっぱりそんなもんなんですね~、美人って強いわ~。あの、身体の相性がいいとかセックスが上手いって何だと思いますか?

「私、離婚してるんですけど、前の夫が身体の相性よかったですね。彼とは最初からよかったわけじゃないんですけど、色々試したい人で、いろんな場所とか角度とか、体位とか、さまざま試しました(笑)」

── 男子試せ、そして聞け(笑)。
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突然キスされても何事もなかったようにシラ~っと(笑)

── 誰かと付き合ってる時に浮気したことはありますか。

「どこからが浮気なんだろう……。私は男の人と二人で普通に食事に行きますけど、それ以上のことはしてません」

── でも二人で食事なんてしたら、男の人って口説いたりキスしてきたりしますよね?

「あ~確かに。浮気とは違いますが、いきなり道でキスして来る人がいました(笑)。あれ、キミ、友達だと思ってたけど私のこと結構好きだったのねって(笑)。熱烈なキスをされましたが、信号が変わったからそのまま普通に歩き出しましたけど」

── ワハハ。絶対そっちにもっていかれないんだ!

「そう、シラ~っと何事もなかったように(笑)」

── そしたら男性はそれ以上押せません。隙がないですね。ちょっと落ちなさそう。

「でもね、好きになっちゃうとコロっといっちゃうんですよ(笑)」

── え、どうやったら好きになっちゃうんですか。

「一緒にいて、話してて楽しかったりすると」

── 話が楽しいのが一番?

「私よりいろんなこと知ってたり、尊敬できるところがあったりすると、『スキッ』ってなっちゃいます」

── なるほど、大人な人が好きそうですね。

「そうかもしれません。私の父は官僚なんですが、その環境もあり幼少の頃から頭が良くて面白い、ユーモアのある大人が周りにたくさんいました。結局そういう人が好きなんです。でも結婚する年齢の頃は反発もあり、父みたいな人じゃなく、何でも言うことを聞いてくれる人が良かったんですけど」

── 元夫さんはそういう人だったんですか?

「いえいえ、全然(笑)。最初は私の方が好き好きって感じで結婚したんですけどね。元夫はプライドが高かったのかな。大事なことも相談されず、最後にはとても傷つけられて……離婚を決意しました」

── そうか……。大変でしたね。どうですか、次の男性は探してますか。

「ちょっと再婚する気がまったくなくて。私にも原因があるし……やっぱりちょっと強いから。それに、よほどの男性じゃないと無理じゃないですか? 子どもたちも懐いて、わたしとの関係が良くて、なんとなくうまくいく自然体が作れるなんて」

── いやこれだけきれいだったらありますよ。

「でも、そんなに声がかからないですね。誰かガンガン来てくれないかな(笑)」

── 僕と妻は、妻が子連れの再婚なんです。妻もすごく気が強くてきれいな人なんですよ(笑)。だから大丈夫です!

「あぁ、そうなんですか! じゃあ希望があるかも。香港の富豪とかでもいいんだけど。たまにしか日本に来なくていいから(笑)」

── それもありですね。外国人ウケするかもしれないです。日本の女の子って男に合わせすぎてて、あれって外国人から見るとちょっと気持ち悪いらしいんです。しゃきっとしてる方がどちらかと言えば好きだから、コウさんは外国の人が合ってるかもしれない。

「じゃあ外国人にしようかしら(笑)」

── 応援します!

【林さんから〆のひと言】

やっぱり正統派美人さんは、自分から好きって言っても、男性は落ちるものなんですね。また新しい恋を楽しんでくださいね。

★この連載では登場していただける女性を募集しています

林さんに自分の恋愛観・恋愛体験をぜひ語ってみたいというアナタ。簡単な自己紹介文と写真、どんなことを話したいかを添えて下記までメールでご応募くださいませ。お願いするかたには担当よりご連絡させていただきます。
メール宛先/s1209@mb.shufu.co.jp
件名は「美人はスーパーカーである募集」でお願いいたします。

■ BAR BOSSA(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/☎ 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。最新刊「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」(旭屋出版)は、林さんが「このお店はすごい! 」と感じた飲食店のオーナーに自らインタビュー取材。繁盛店の秘密に迫ったドラマティックなビジネス書です。

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