2019.02.23

【第10回】

梅沢富美男が一番影響を受けた女性とは……

平成のご意見番として炎上を恐れぬ本音コメントが人気の梅沢富美男さん。プレイボーイを自認する梅沢さんは今どきのオトコたちの恋愛作法にも一家言あるようで……。梅沢流の粋な男の遊び方をズバズバ語っていただく連載です。

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構成/紺野美紀 写真/内田裕介

思わせぶりなタイトルで悪いな(笑)。今回はお袋の話をさせてもらおうかと思ったんだ。俺の家は一家で「梅沢劇団」って大衆演劇の一座をやっていて、親父とお袋が二枚看板の役者だった。俺は1歳の時から子役として舞台に立たされてたんだ。

ま、生まれた時からそういう家だったから、それ自体は何とも思わなかったけど、とにかくお袋は厳しかったね。一度、子役時代に、俺が舞台を前にして高熱を出したことがあった。医者も、こりゃマズイと言って入院させようとしたのを、お袋が振り切って、舞台に立たせたんだ。

俺はほぼ意識が無かったから覚えちゃいないけどな。お袋は舞台袖で「ごめんね、ごめんね」って手を合わせていたそうだよ。今なら虐待とか言われるのかな。でも、一般人が理解できる世界じゃないんだ。

お袋は母親としてはB級、いやC級だろうな。でも役者としては徹底した主義の人で、常に「役者はお客様のもの」っていうことを言ってた。そういう仕事の厳しさはお袋に教えられたんだ。
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母親に言われて芸のために女と遊んできた

それと、今の俺の“女好き”っていうのもある意味お袋のせいというか、お陰というか……(笑)。お袋が「女と遊ばなきゃ色気のある芝居は出来ない」って言うから、俺は“芸のため”に女遊びを始めたんだよ(笑)。いや、本当に。

ただ、堅気やファンの女性に手を出しちゃダメっていうのもしつこく言われた。そりゃ、ファンなんて好きで舞台を観に来てくれてるわけだから、俺から粉をかけりゃ惚れちまうに決まってる。遊びにはならない。そりゃダメだと。母ちゃんの教え通り、俺が堅気の女性で手をつけたのは女房だけだよ。

「酔ったことがなければ、酔った芝居も出来ないだろう」って酒を飲むのもすべて公認(笑)。「役者は夢を売るのが商売」と言って、裕福でもないのに、できる限り金を持たせてくれてたからね。

「金がなくても貧乏くさい顔をするな。見栄を張ってでも良いものを着て贅沢をしなさい」って。そのすべてが今の俺の中で生きてる。役者の母ちゃんとしては超A級だよな。
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俺のお世話魔は母ちゃんゆずり

もちろん、“人として”当たり前のこともたくさん教わりましたよ。他人に後ろ指差されるようなことはしなさんなと。例えば道端の100円をくすねるなってね。それは他人様のお金だから。100円くらいだからって拾うと、1000円も拾うようになる。そのうち、他人様のテーブルにある1万円まで手を出すようになるからって。

当たり前のことだと思うけれど、何でも“これくらいなら大丈夫だろう”ってことがとてつもない悪事になるってことはあるからな。大小じゃないんだよ。ダメなものはダメなんだ。

あとは、「情けは人のためならず」って言葉ね。人に優しくすれば、いつか自分に返ってくるってことだけど、最初から何かを返してもらえると思って優しくするっていうのはダメ。うちのお袋は、本当に“無償の愛”の人だったからね。

劇団員の子たちの世話も、ここまでするかってくらい熱心だった。俺が子供の頃には、「他人の子ばっかり世話して……」なんて俺がヤキモチを焼くこともあるくらいだったからなぁ。今の俺の“お世話魔”は完全にお袋ゆずりだよ(笑)。

この間、テレビの番組でご一緒した美輪明宏さんに「今の活躍をお母さんはとっても喜んでるわよ」って言われた時には、思わず涙しちゃったね~。俺、テレビで涙を見せたのは初めてだよ。お袋の最後の言葉は「お前を働かせるために産んだんだから」。だから、俺はまだまだ頑張って働きますよ!

ってことで、今週はここまで。また来週な!

※これまでの記事はこちら。毎週土曜日更新予定です。

梅沢富美男(うめざわ・とみお)

1950年11月9日、福島県福島市生まれ。血液型B型。俳優・歌手・タレント。剣劇一座「梅沢劇団」の創設者で大衆演劇のスターだった梅沢清と娘歌舞伎出身の竹沢龍千代の5男として生まれ、1歳5か月で初舞台。15歳で本格的に役者の道へ。1976年、女形に転向し「下町の玉三郎」として大ブレイク。1982年には『夢芝居』で歌手デビューし50万枚を超えるヒットに。現在は「梅沢劇団」三代目座長として年間180日舞台に立つ傍ら、テレビにも数多く出演。バラエティや情報番組での歯に衣着せぬ直言コメントで人気を得ている。

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