2021.09.09

小寺慶子のニク十八番

話題の「とんかつ店」は何が違う!?

肉食美女ライター、小寺慶子さんが美味しいお肉レストランをご案内。美味しいことはもちろん、LEON的デートに使える雰囲気と、話題性もお墨付きです。

CREDIT :

文/小寺慶子 写真/上田佳代子

みなさん、お肉は好きですか? もちろん、ひと言で“肉”と言っても、血も滴るような(古い? )ステーキから、この頃はデートでも「連れていかれたい♡」ランキングが急上昇中の焼鳥や焼肉、羊ブームで人気再燃中のジンギスカン、いくつになっても心ときめくハンバーグ、冬のお楽しみのジビエなどなど、数えきれないほどの種類があります。その奥深く、味わいも深い世界を、貪欲に肉食道を邁進するライターの小寺慶子さんがご案内。胃袋が許す限り、お付き合いいただけると幸いです!

【第1肉】話題の新店でとんかつデートのススメ

ひと昔前は「焼肉店でデートをしている男女はデキている」なんて言われることがありました。もうもうと立
ち上がる白煙に包まれながらふたりで肉を焼き、食べる、という行為から連想する親密感がそうしたイメージを生み出したようですが、それを言うならば「とんかつ店でデートをしているカップルは“出来上がって”いる」と思うのは、なにも『揚げ』に掛けているわけではありません。
休日に普段着で近所のとんかつ店に出かけ、ロースやヒレカツなど自分たちの食べたいものを選び、もくもく
と食べる。一見、個人プレイにも思える自由さは、付き合いの深さや相手に素の自分をさらけ出せるカップルであることの象徴のような気がして、たまにとんかつデート(らしき)現場に遭遇すると、素敵だなと思います。
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◆「紀尾井町 とんかつ・洋食ひとみ」

気取らず心もお腹も満たされる食体験は、男女の仲を確実に深めるものですが、そうは言っても出会って間も
ない相手とデートでとんかつ店に行くのはちょっと……という人におすすめしたいのが、東京ガーデンテラス紀尾井町内にオープンした『紀尾井町 とんかつ・洋食ひとみ』。
食べ慣れた大人ならばすぐにピンとくると思いますが、東京ガーデンテラスは、中華の名店として知られる『桃の木』や日本一予約が取れないと言われる四ツ谷『三谷』の分店『紀尾井町 三谷』などが軒を連ねる美食スポット。ここに新しく仲間入りをしたとんかつ店と聞けば、期待値も急上昇するというもの。しかも、とんかつ界のレジェンドと呼ばれる日向准一さんが腕を揮うというから、これはトンでもない大ニュースです(豚だけに♡)。
▲ ロースかつ4000円。とんかつといえば、やっぱりまずはロース。きめ細かなパン粉をまとい、香ばしく揚げられたロースかつの、トンでもない美しさに目を奪われる。ローズピンクに輝く断面が舌に触れるようにして頬張れば、力強い旨みがスパーク!
日向シェフといえば『銀座かつかみ』で前代未聞のとんかつコースを考案し、一世を風靡した“とんかつ界の開拓者”。『広尾とんかつ ひとみ』や京橋『婆娑羅』などのプロデュースにも携わり、「自分の人生をかける最後の店」という覚悟をもって今回のオープンを決めたそうで、その意気込みはメニューからもひしひしと伝わってきます。原点に立ち返るという意味で日向さんが考えたのは、ホテルのバンケット担当時代に得た経験を生かして、洋食を取りいれるということ。ロースやヒレを始めとしたとんかつとクラシックな洋食の二枚看板で勝負するという試みが、おいしいもの好きの心をくすぐらないわけがありません。
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▲ 稀少部位(シキンボウ)のとんかつ3900円。豚1頭からわずかしか取れないシキンボウは日向シェフもイチオシの部位。表面にじゅわりと浮き出た肉汁を吸うようにしながら熱々を頬張ろう。肉質は弾力に富み、すこやかセクシーな味わい。ピンク岩塩がその風味をぐっと引きたてる。
新しい店をつくるにあたって、とんかつに使う豚肉も日本で味わえるのはここだけ、という長右衛門に。

長右衛門とは、梅山豚とデュロック種にバークシャー豚をかけ合せた四元豚で、週に3頭しか出荷されないという超希少種。茨城の岩瀬牧場で8カ月かけて肥育される長右衛門は、肉質が弾力に富み、噛みしめるごとに、力強い旨みを持った肉汁があふれます。サラダ油とラードをブレンドした揚げ油やパン粉をやや薄めに挽いているのも量を食べてももたれない理由。彼女はヒレ、自分はロースをオーダーして「そっちもひと口食べさせて♡」というのも、デート向きの洒脱なカウンターを備えたこの店ならばアリ。ピンク岩塩やガーリックソルト、トリュフバターで味変をしながら食べるのも盛り上がること間違いなしです。
▲ 厚切りタンシチュー4980円。タンもとのなかでも一番柔らかい“タン芯”を焼き、自家製フォン・ド・ボーに合わせた贅沢シチュー。濃厚な自家製デミグラスソースに浮かぶような佇まいは、まさに「ひょっこりひょうタン島」⁉
そして、もうひとつの主役も忘れてはいけません。洋食の要と言われるベシャメルソースやデミグラスソースももちろん、すべて手づくり。ソースをそれぞれ使い分ける厚切りタンシチューやビーフシチュー、長右衛門ハンバーグなど、征服欲がそそられる洋食メニューのオンパレードに胸が高鳴ります。
▲ 長右衛門のローストポーク3980円。脂にも豊かな旨みを感じる長右衛門の豚をシンプルに味わうことができる。まずはそのままでコクの深さを堪能し、別添えの生姜ダレをたっぷりとかけて味変するのも楽しい。ローストポークとあっさり風味の生姜焼きを1度にひと皿で。
さらに、日向さんが、とんかつと洋食の相性を考えて選んだワインも充実しているのもうれしいところ。今夜はとんかつ一本勝負か、はたまた気になる洋食を盛りこんでオリジナルのコースを組み立てるか悩むのも、またオツな時間。いずれにしても、食を謳歌する心がある限りどんな時も「愛はカツ」のです。
▲ 桃のコンポート1800円。静岡産の甘くみずみずしい桃をコンポートに。デザートメニューもあるので甘党女子にも喜ばれそう。

紀尾井町 とんかつ・洋食ひとみ

住所/東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町3F
営業時間/11:30~15:00、17:00~22:30(変動の場合あり)
定休日/不定休
TEL/03-6272-6685

小寺慶子(こでら・けいこ)

肉を糧に生きる肉食系ライターとして、雑誌やWebに執筆。趣味はひとり焼肉と食べ物回文を考えること。

※本記事は緊急事態宣言下の外食・飲酒を奨励するものではありません。外出については国・自治体の情報をご確認ください。また掲載レストランについては新型コロナウイルスの影響により営業日や営業時間が変更となり、掲載されている情報と実際の営業状況が異なる場合がございます。ご来店の際には事前にお店にお問い合わせいただくなどご確認をお願いいたします。

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