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2017.11.27

恋も食事も「選択と集中」が大切。「あそこの×××食べに行こうよ」【トリュフパスタの巻】

そのメニューはトリュフのかかったパスタのみ! 潔い単品主義で話題を集めるパスタ専門店「OUT」の使い方、お教えします。

CREDIT :

文/中島 由貴 写真/河合 綾

黒トリュフパスタ
世界有数の美食都市、東京。私たちの飽くなき探究心に一歩も二歩も先回りするかのように、飲食店、料理、メニューまで次から次へ増えるばかり。そんな美食都市、改め、美食“メタボ化”都市をデトックスするかのように、今、特定のひとつの食材やメニューのみで潔く勝負するお店に注目が集まっているって知っていました?

一種類の食材だからこそ、主役素材はもちろん調味料に至る材料すべてのこだわりは相当。ドリンクのラインナップから店内演出まで、一皿の美味しさを最高潮な状態で提供するために相当な時間も労力もかかっています。ということはですよ、あなたは涼しい顔をして彼女と席で待っていれば、それだけで究極の一皿にありつけるというワケ。

全3店舗ご紹介する本企画の初回は、今年17年の7月1日のオープン以来、東京の食いしん坊をざわつかせた『OUT(アウト)』をご紹介いたします。

上質・新鮮・音楽が舌を研ぎ澄ます
「生パスタと赤ワイン」主義の『OUT』

正面のキッチンを取り囲むように設置されたウッドテーブルのU字カウンター。有機的な木と壁のコンクリートが面白く対比したインテリアで洗練と落ち着きを放った空間は、想像以上の居心地の良さ。
正面のキッチンを取り囲むように設置されたウッドテーブルのU字カウンター。有機的な木と壁のコンクリートが面白く対比したインテリアで洗練と落ち着きを放った空間は、想像以上の居心地の良さ。
こちらでのBGMは「レッド・ツェッペリン」のみ。ライブ盤やリマスター盤など8枚のアルバムレコードからセーラさんが選曲しアナログサウンドでプレイ。お客さんもリクエストすることもあるんだとか。
こちらでのBGMは「レッド・ツェッペリン」のみ。ライブ盤やリマスター盤など8枚のアルバムレコードからセーラさんが選曲しアナログサウンドでプレイ。お客さんもリクエストすることもあるんだとか。 
渋谷から表参道へと行く途中の国道246から一本奥に入ると見える、ホットピンクが照らす『OUT』のネオン。短い階段を登りガラス扉を開けると正面には、木目調が美しいカウンターテーブルがU字を描く、まるでBARのようハイセンスな空間が。

店内に響く「レッド・ツェッペリン」に胸を奪われつつ、そのまま席に———ではなく、まずは右手にお進みください。そこには、彼女がわっ♡と思わず声をあげるお洒落なデザインの食券機が!デートで食券? この意外な選択に、この後の期待値がグッとあがります。

五感が震える黒トリュフがけ生パスタ

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食券機はオリジナルのデザイン。オーナーのセーラさんの好きな色であるホットピンクを効果的に使用。
食券機のボタンにあるTHE SET(=フレッシュパスタに黒トリュフをかけたシンプルな一皿と、グラスワイン1杯のセット)が、こちらでいただける唯一の食事メニューとなっています。パスタも赤ワインもそれぞれ1種類のみ。ですが、一度口にするとこの組み合わせ以外はなかなか考えつかない、と納得してしまう美味のコンビネーション。
毎日厨房で手作りするフレッシュパスタ。水分をほどよく含むなめらかな舌触りで、素材本来のパワフルな味が口に含んだ瞬間に広がります。黒トリュフの個性的な風味に完璧に合うのは、このパスタだからこそ。
毎日厨房で手作りするフレッシュパスタ。水分をほどよく含むなめらかな舌触りで、素材本来のパワフルな味が口に含んだ瞬間に広がります。黒トリュフの個性的な風味に完璧に合うのは、このパスタだからこそ。
その秘密をオーナーのセーラ・クレイゴさんに聞けば、「卵はオーガニックで山梨から。バターも国産をと思い以前は北海道のものだったのですがパスタには甘すぎたので、今はニュージーランドのものを使っています。オーガニックオリーブオイルはオーストラリア産、パルミジャーノレッジャーノはイタリア産です。

小麦粉はイタリアにいるときに出会った小さな家族が作っているオーガニックのデュラム・セモリナを輸入しています。毎日、その日の分だけを、仕入れるトリュフの特徴に合わせて開店前に手作りしています。

今(取材当時)はフィットチーネ。黒トリュフは常にベストシーズンの産地から選んでおり、今はスペイン産のもの。日本のインポーターはもちろん、世界中のトリュフサプライヤーと繋がっているので最高にフレッシュな黒トリュフを仕入れられるのがウチのウリですね」。
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極上の一瞬を再現するために誕生した「OUT」

たっぷりと5gを食べる直前に。トリュフの仕入値がたとえ高騰しても、提供価格を変えないのがセーラさんのポリシー。
たっぷりと5gを食べる直前に。トリュフの仕入値がたとえ高騰しても、提供価格を変えないのがセーラさんのポリシー。 
「One dish. One wine. One artist. (ひとつの料理、ひとつのワイン、ひとつの⾳楽)」という、シンプルを通り越してストイックすぎるコンセプトは、どのようにして生まれたのかセーラさんに伺ってみると、「メルボルンでディナーパーティを楽しんでいたある日、黒トリュフの香り、フレッシュパスタの味、ワインの余韻、そして流れたレッド・ツェッペリンの音楽のすべてが素晴らしく共鳴しあって、その場にいたゲスト10人全員が感覚的に“ワァ!”と感動した一瞬があったんです」。

その場にいたのが、オーナーのセーラさん、兄でゲーム開発会社タンタラスのCEO兼起業家・作家であるトム・クレイゴさん、そしてメルボルンで多数のレストランを経営するデビッド・マッキントッシュさん。この3人が、奇跡のような経験をたくさんの人に味わってほしいとの思いで2年の歳月をかけてオープンしたのだそう。

「きちんと再現できるのが東京だと思いました。日本人は完璧なラーメンとか焼肉とか、特定のメニューを求めて外食しますが、これは他の国ではあまり見られない食事習慣。それに、舌が肥えていて食事を楽しむ以上のことを求めている東京の人なら、共感してもらえると思って」
サービスで出しているスナックは、黒トリュフを使ったレシピで定期的に変わるそう。食材は最後まで使い切ってフードロスをゼロにするという、食に対する徹底した姿勢が多くの人を虜にする隠れスパイスになっている。
サービスで出しているスナックは、黒トリュフを使ったレシピで定期的に変わるそう。食材は最後まで使い切ってフードロスをゼロにするという、食に対する徹底した姿勢が多くの人を虜にする隠れスパイスになっている。
最後にデートの成功術を伺ってみると、「そうですね、まず、ハウスシャンペンからはじめてはいかがでしょう。こちらでは『ポル・ロジェ』をお出ししています。そして、THE SETのパスタと赤ワイン。デートを一層盛り上げたいならエキストラトリュフが効果的ですよ」と。

パスタの上に、さらにトリュフを削る追いトリュフ!? オープン以来様々な男女をカウンターから見守っているセーラさんが言うのだから、効果があること間違いありません!

■ 全メニューはこちら

・トリュフをつかったフレッシュパスタと⾚ワインのセット(パスタ150g + トリュフ5g + ⾚ワイン・グラス) 4,000円
・トリュフをつかったフレッシュパスタ(バスタ150g + トリュフ5g) 2,900円
・フレッシュパスタの追加(パスタ150g) 600円
・トリュフの追加(3g) 1,500円
・⾚ワイン・ボトル(その時のパスタにベストマッチの⾚ワイン1銘柄をセレクト ) 6,100円
・⾚ワイン・グラス(その時のパスタにベストマッチの⾚ワイン1銘柄をセレクト) 1,300円
・ハウスシャンパン(Pol Roger Brut Réserve|ポル・ロジェ・ブリュット・レゼルブ)ボトル 9,500円
・ハウスシャンパン(Pol Roger Brut Réserve|ポル・ロジェ・ブリュット・レゼルブ)グラス 1,400円
※価格はすべて税込です
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◆ OUT【アウト】 

住所/東京都渋谷区渋谷2−7−14 Vort青山103
お問い合わせ先/info@out.restaurant(メールのみ)
営業時間/火曜〜日曜 18:00~
定休日/月曜

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