オトナなふたりの銀座デートは「屋上庭園」から、が新しい

かつて、銀座で待ち合わせといえば銀座三越ライオン像の前でした。
しかし時は流れ、いまや銀座の街も様変わりしています。
行き交う人や車の量も相当に増えているので、オトナなふたりが路上で待ち合わせ、というのもやや現実的ではないでしょう。かといって直接お店で待ち合わせというのも、前菜抜きのディナーのようで味気ない。なにごとにもプロローグは大切なのです。

では、進化したいまの銀座に相応しい待ち合わせ場所はどこか？
それが屋上庭園です。
 
銀座にはこれまで公園や緑地が少なかったということもあり、新規に立てられたビルや、リニューアルされたビルの屋上には、緑地が併設されることが多いのです。その背景には、都市の緑化計画などの一面があるものの、商業施設の屋上庭園はパブリックスペースとして計算されているので、とても素敵。

つまり、成熟した街、いまの銀座を象徴する場所でもあるわけです。
というわけで、銀座の“粋“を感じられる、3つの屋上庭園をご紹介いたします。

江戸切子をモチーフとした美しい外観がアイコンとなっている東急プラザ銀座。その屋上にある「キリコテラス」は、グリーンサイドとウォーターサイドという、ふたつのエリアからなる大人の憩いの場です。

グリーンサイドは四季折々の植栽が楽しめる緑の壁面に囲われ、その隙間からは銀座の街並みを一望できるとあって、撮影スポットとしても話題になっています。向かい側にあるソニービルは今後解体され、来夏からオリンピック終了まで銀座ソニーパークとしてイベント利用される予定なので、また違った景色も期待できるでしょう。

10月までウォーターサイドではビアガーデンを開催。晴海通りを抜けてくる海風が気持ちいい季節に、ラグジュアリーな空間です。
待ち合わせのついでに夏の名残を楽しむのも一興かと。

銀座の老舗、三越には2012年のリニューアル時につくられた「銀座テラス」があります。テラスのある9階全体が催事も行えるパブリックスペースなので、催しによっては、時節を感じられるのもポイント。テラスは芝生の広場になっていますので、銀座4丁目交差点にあるとは思えないくらいに、のんびりとした気分が味わえます。

そしてテラスの一角にはちょっと趣の違う空間が。実はこちらには出世地蔵尊と三囲神社が祀られているのです。このお地蔵さま、三十間堀（現在の銀座4丁目10番地付近）で掘り起こされ道端に置かれていたところを、1968年に銀座三越屋上に安置。路上から百貨店の屋上まで上り詰めたということから「出世地蔵」と呼ばれるようになりました。

出世のご利益があるとのことから参拝者も多く、またパワースポットしても知られています。待ち合わせのついで、といったら不謹慎ですが、彼女と一緒にお参りしてからデートというのもいいかもしれません。

ＧＩＮＺＡ ＳＩＸの屋上庭園は、デイタイムももちろん魅力的なのですが、特におすすめしたいのが、夜間。エレベーターで屋上まで上がると、そこはまるで別世界です。

庭園を囲むガラスの塀のおかげでしょうか、都心とは思えないくらいに静かなのです。西側にある、「江戸の庭園文化」エリアの植栽からは虫の声まで聞こえます。ガラスの外に広がる夜景もまたとてもロマンチック。

ちなみに、こちらの屋上庭園は敷地面積、4000㎡と銀座最大。ランドスケープデザインはザ・ペニンシュラ東京や、ザ・キャピトルホテル東急などのランドスケープデザインで知られる宮城俊作氏によるものです。「西欧の広場文化」をコンセプトにした庭園中央部に位置する芝生敷きと水盆からなる広場と、西側に位置する「江戸の庭園文化」の植栽という、二つの文化と自然のコントラストが特徴です。

今の銀座らしいモダンさと、意外な静けさを味わえる、穴場スポットとして注目なのです。