• Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • LINE
  • YouTube
  • Feedly
  • TOP
  • GOURMET
  • 高田馬場「紫苑」の「塩拉麺」に感動、そして我が人生最高の「醤油ラーメン」につくば「ひしお」で出会った

2026.07.26

【第103回】 つくば「ひしお」の奥久慈しゃもの中華そば

高田馬場「紫苑」の「塩拉麺」に感動、そして我が人生最高の「醤油ラーメン」につくば「ひしお」で出会った

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

BY :

文/山本益博
CREDIT :

写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)

日本初の料理評論家、山本益博さんが、B級グルメから一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンに注目し、自ら実食しつつラーメンの最前線をリポートする連載。今回は筆者が今年上半期にいただいたラーメンで特に印象深かった塩ラーメンと醤油ラーメンをご紹介します。

高田馬場「紫苑」の「塩拉麺」に感動、そして我が人生最高の「醤油ラーメン」につくば「ひしお」で出会った
PAGE 2

食べ終えてしばらく感動がやまないほど美味しかった「紫苑」の塩拉麺

今年の上半期6月までにいただいたラーメンのなかで、とりわけ印象深かったのが、3月に開店した高田馬場「RAMEN紫苑」のラーメンだった。


4月に初めて出かけた時に注文したのは「塩拉麺」。これが素晴らしかった。塩味がスープの前面にでず、スープ全体を穏やかに支え、「塩」が調味料本来の役割に徹していて、食べ終えてしばらく感動がやまないほど美味しかった。

世の中の「塩ラーメン」のほとんどは、はじめのスープひと口から塩味がする。それも微かにではなく、かなりしっかりとした「塩味」。この手のラーメンは、丼のスープを飲み干すと、必ずあとに水が飲みたくなってしまう。「塩ラーメン」の作り手が完全に勘違いしているか、若者には薄味が好まれないと、意識して「塩味」を強くしているかのどちらかである。

 「RAMEN紫苑」の「塩拉麺」

▲ 「RAMEN紫苑」の「塩拉麺」

PAGE 3

稀に素晴らしい「塩ラーメン」に出会う時がある。例えば、湯河原の「飯田商店」の「塩ラーメン」。「塩」を徹底的に吟味して、海塩を使いこなし、見事な「塩ラーメン」を作ってみせる。後は荏原中延「多賀野」、白糸台「RAMEN ROUGE」、つくば「中華そば ひしお」、札幌「LabQ」くらいしか思い浮かばない。それに、つい最近6月末に出かけた赤湯「吾助」である。

  「中華そば ひしお」の「奥久慈しゃもの淡麗 塩そば」

▲ 「中華そば ひしお」の「奥久慈しゃもの淡麗 塩そば」

PAGE 4

高田馬場「紫苑」へすぐさま、裏を返しに出かけた。ところが、スープをひと口いただくと、一週間前の「塩」と違う。ご主人に伺うと開店以来いろいろ「塩」を試しているのだという。


さらに、しつこく出かけて、「醤油拉麺」をいただいた。これが、美味しいけれども初回の「塩拉麺」のようには感動しなかった。かように「醤油ラーメン」も難しい。「飯田商店」の「醤油ラーメン」でさえ、私には「醤油」が出過ぎているように感じられる。

  「RAMEN紫苑」の「醤油拉麺」

▲ 「RAMEN紫苑」の「醤油拉麺」

PAGE 5

醤油の尖った味がどこにもない唯一無二の「醤油ラーメン」

どこかに、「醤油」の傑作はないものだろうか? と思案している矢先、ぜひ「醤油ラーメン」を召し上がってほしいというメッセージが、「開化楼」の麺制作者カラスさん経由で届いた。店はつくばの「ひしお」、昨年のことである。奥久慈軍鶏から摂ったスープがベースの醤油ラーメン。いただくと調味料の醤油がスープよりわずかに出しゃばっている。正直に感想を申し上げると、ご主人の細谷さんは、醤油があくまで調味料であることを理解した上で、作り直してみますとのお返事をいただいた。

そして、今年になって、サイドメニューの「魚ごはん」ができあがりましたとの報告を受けて、つくばへ出かけた。

「魚ごはん」ばかりが気になっていて、うっかり忘れかけていた「奥久慈しゃもの香醇 醤油そば」が見事だった。贅沢な奥久慈軍鶏のベースに醤油がミックスされ、なんとも味わい深いそしてまろやかなスープに仕上がっている。醤油の尖った味がどこにもない。まさしく唯一無二の「醤油ラーメン」。聞けば、水戸のフランス料理のシェフにも協力してもらって作り上げたスープだという。

 「ひしお」の「奥久慈しゃもの香醇 醤油そば」

▲ 「中華そば ひしお」の「奥久慈しゃもの香醇 醤油そば」

PAGE 6

これに、カラスさんの麺が実によく絡む。つくばから東京へ戻っても、感動が覚めやらない。でも待てよ、失礼ながらひょっとして、たまたま出来上がった偶然の賜物だったとしたら?


こうなったら、いてもたってもいられない。1カ月後に再訪した。いただいて、感動がさらに大きくなって返ってきた。


この「ひしお」のラーメンを知らずして、醤油ラーメンを語るなかれ。我が人生、最高の「醤油ラーメン」であると、太鼓判を押したい。

 「ひしお」は「魚ごはん」も美味しい。

▲ 「ひしお」は「魚ごはん」も美味しい。

PAGE 7
山本益博 Web LEON ラーメン革命!

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

山本益博 YouTube  MASUHIROのうまいのなんの!

山本益博さんのYouTubeが好評稼働中!

日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
YouTube/MASUHIROのうまいのなんの!

「山本益博のラーメン革命!」、これまでの記事はこちらから!

PAGE 8

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        高田馬場「紫苑」の「塩拉麺」に感動、そして我が人生最高の「醤油ラーメン」につくば「ひしお」で出会った | グルメ | LEON レオン オフィシャルWebサイト