今飲むならグラス選びも美味しさの紐解き
特にこの「カ・デル・ボスコ」が考えるフランチャコルタの造り方の徹底した管理には「そこまでするのか!」と驚愕します。数億円をかけ、世界に一台しかない収穫したブドウを一気に洗浄するシステムを開発したり、畑ごとのブドウの個体差を緻密に計算したりするのです。
今回ご紹介する「カ・デル・ボスコ サテン2010」は2010年に収穫したシャルドネ85%、ピノビアンコ15%のアイテム。「サテン」と名前をつけていることが個人的には「ワインを楽しむのも本当にファッションのひとつなのだな」と感じます。
飲んだ瞬間に「サテン」という言葉の意味がダイレクトに伝わってくるから。キメ細やかな泡立ちと口に含んだ瞬間一気に広がるシャルドネの果実感。そしてシルキーな口当たりでなめらかにフィニッシュ。酸味がしっかりありながら柔らかさも兼ね備えています。
例えば、レモンや柑橘系を搾ったお料理との相性もぴったりです。今の時季なら白魚にポン酢を少々。スダチを多めにしてみてください。シャルドネのイキイキしたボリュームが一気に広がりますから。薄味に仕上げた天つゆにレンコンの天ぷらをくぐらせるのもありです。
さらにゆったり飲みたい場合はブルゴーニュタイプのグラスでどうぞ。上質なシャルドネのパワフルで濃厚な香りが一気に開きます。
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フードライナー
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藤崎聡子●ワインスタイリスト。
ワールドツアー2015、一番訪問している香港で偶然にもフランチャコルタを軸にさまざまな料理とのマッチングを研究している日々。上湯の上質なスープとの相性は素晴らしい。