いま、ディオールのアクセが話題な理由とは？

今シーズン、ジュディ・ブレイムとのコラボが話題のディオール。「ジュディ・ブレイムって誰？」という方は、おそらく30代以下のお若い方々で、40代アッパーなら「おお、あの安全ピンの！」と気づかれることかと。

ジュディは2018年にこの世を去っておりまして、ディオールのメンズ アーティスティック ディレクター、キム・ジョーンズの友人でもありました。

今季のディオールは彼が遺した懐かしすぎるファッションアイコンの数々を、多彩に使った服やアクセが登場する、90年代ロンドンパンクファッションカルチャーへのリスペクト満載のコレクションなのです。

セックスピストルズやヴィヴィアン・ウエストウッドといったパンクカルチャーの第一世代に続く、ジュディ・ブレイムは90年代ロンドンを席捲した第二世代。彼のデザインのポイントは「DIY」の精神にあって、身近な工具やガラクタをファッションアイコンに使って、独学でパンクファッションを作り出したところは、後のアーティストやデザイナーに大きな影響を及ぼしました。

キム・ジョーンズはもちろん、ジュエリーデザイナーを務める、ユン・アンもそのひとり。ちなみに彼女の夫はm-floのVERBALで、TERIYAKI-BOYZといえばピンとくるかと。はい、み～んな90年代裏原宿つながりなんです。

というわけで今季ディオールのアクセサリーには、あの頃のジュディ・ブレイムをユンがラッキーチャームとして再解釈したデザインモチーフが使われています。なかでも代表的なモチーフは安全ピン。

今年1月にパリで開かれたディオールのランウェイショーで、「DIOR」のロゴに安全ピンが重ねられたデザインが話題になったことは記憶に新しいかと。ほかにも工具や”ガラクタ”をモチーフとしてふんだんに使った、キーアイテムであるジュエリーをピックアップしてご紹介したいと思います。

なお９月２日から15日まで、伊勢丹新宿店で開催されるディオールのポップアップストアでは、ジュディ・ブレイムの世界観とファッションショーの舞台装飾にリンクした空間が作り出されるとのこと。

プレタポルテ、バッグやシューズなども幅広く展開、もちろんこちらで紹介のジュエリーも並びますので、90年代の裏原カルチャーをご存知の方も、そうでない方も、ぜひ足を運んでみてくださいませ。

ジュディ・ブレイムといえば安全ピンのモチーフ。大きな安全ピンが３つ並んだプリントTシャツを見たことあるのではないでしょうか。ジャカードニットのモチーフにも使われていましたね。

こちらのチェーンと安全ピンを、まるで自作のアクセのように取り付けたウォレットチェーンは、まさにそんなジュディらしさが表れた作品ではないでしょうか。

こちらは工具や鍵といったジュディ・ブレイムらしいモチーフと、コインとお札、ドッグタグ、犬のモチーフなどさまざまな”ガラクタ”をラッキーモチーフに使ったキーチェーン。取り外して単品使いできるものもあったりしますが、こんなふうにじゃらじゃらと腰まわりに付けるのが90年代らしいところ。