【検証】イマドキのオンオフ時計は何が正解？

大人のオンオフ時計にはどんなものが相応しいのか？　ドレス系の３針時計でもオンオフ使いできないことはありませんが、カジュアルに合わせたときにちょっぴり物足りなさを感じることもあるでしょう。とはいえ、ガチのスポーツウォッチはスーツスタイルに合わせたときに浮いてしまう。

そこで導きだした回答が、程よくレトロなクロノグラフやダイバーズ。事実、機械式黄金期だった50〜60年代のモデルを彷彿とさせるクラシックなデザインを選べば、オンの着こなしにゆとりをもたらし、一方カジュアルを品良く格上げする効果も高いのです。

最近、レトロ顔は時計界のトレンドのひとつですし、実は選択肢が豊富なのもいいところ。大人の格とセンスを匂わすのにうってつけな選択なのです。

こちらは2009年に開発された「パテック フィリップ」初の完全自社開発・製造の手巻きクロノグラフ・ムーブメントを搭載するシリーズの新作で、ケースは18Kホワイトゴールド製です。

前作のプラチナ製モデルはダイアモンドインデックス&バトン針を組み合わせて端正な印象でしたが、本作ではアラビア数字&バトン針となり、古いパイロットウォッチを思わせる顔立ちに。

それでいて3重の段差を刻んだラグや、放射状のギョーシェ装飾が施されたプッシュボタンなどの凝ったディテールにより、時計界最高峰メゾンの気品もしっかり伝わってきます。ネイビーの色調も実に美しく、さすが！と納得の１本です。

以下実際のコーデで、いかにイマドキのオンオフに映えるか実証してみましょう。

クロノグラフとはいえクラシックな顔立ちですから、ご覧の通りスーツスタイルにもすんなりマッチ。というより、「パテック フィリップ」のオーラで、並のドレスウォッチ以上に気品あるスタイルが築けます。

さらにこのモデルは文字盤とストラップをネイビーで統一しているため、どこかモダンな艶気を感じさせるのもうれしいところ。その結果、王道のネイビースーツとの合わせもぐっと新鮮に演出してくれるのです。

フーデッドコートに、タートル＋楽ちんスラックスという、程よくゆとりのあるキレイ目なカジュアルは、いかにもイマドキ。ここにヴィンテージな味わいを湛えるクロノグラフを合わせたことで、グッと大人の雰囲気が増しています。

ホワイトゴールドケースも明らかにステンレススティールとは別格の輝きを放っており、ここもスタイル全体をよりエレガントに格上げするポイントに。

1953年に誕生したフィフティ ファゾムスこそ、世に溢れるダイバーズウォッチの元祖。防水性が高いケース、潜水中の経過時間を読み取る目盛り付き回転ベゼル、さらに視認性に富む文字盤といった基本スタイルはすべてここから始まったのです。

その高い性能からフランス海軍をはじめ各国の海軍に採用されたことで知られますが、ご覧のモデルはドイツ海軍にフィフティ ファゾムスを供給した仲介業者「バラクーダ社」の要請により、1960年代末に民間向けに作ったモデルの復刻版。

退色したような色合いのオールドラジウムカラーのスーパールミノバが迫真のヴィンテージ感を高める一方、サファイアガラスで覆われたドーム型の逆回転防止ベゼルなど、随所を細やかにアップデートしています。

「ベル＆ロス」はヴィンテージな味わいのモデルを昔から得意としていますが、中でもとびきりヴィンテージな１本をお探しなら本作は絶好。レトロな二つ目レイアウトもさることながら、ケースにブロンズを使用しているため、風格たっぷりに仕上がっているんですよ。

しかもブロンズは経年変化で緩やかに色調が変化するため、使えば使うほどさらに味わい深く育つ楽しみも！　

ちなみに“ベリータンカー”とは、戦闘機の燃料タンクをボティに使用した昔のレーシングカーのこと。今年「ベル＆ロス」はオリジナルのペリータンカーをデザインしており、この時計の裏蓋にはその姿がブリントされています。