これ、ドローンじゃなく「空飛ぶカメラ」じゃ……DJI Air 2Sを比較レビュー

先月発売されたDJIの新型ドローン「DJI Air 2S」。前機種「Mavic Air 2」から1年も経たずのアップグレードに驚いた方も多いでしょう。中でも注目すべきはそのカメラ性能でした。

というのも、前機種では「1/2インチ」だったカメラのセンサーサイズが「1インチ」にスペックアップ！ もはや高級コンデジ並みとなったのです。

それゆえ、この機種さえあれば海でも山でもどんなシーンでもベストショットが撮影可能に。密を避けての郊外デートにもうってつけなので、ドローンが欲しい or 気になっているという方や、夏に旅行の予定がある方にオススメのモデルとなっているんです。

まずは進化したカメラをご紹介。これまでも1インチのセンサーサイズを搭載したドローンはいくつかリリースされてきましたが、どちらかと言うと「プロ用途」の扱いでした。大きなセンサーによって映画や広告などプロの映像クオリティを実現していたのです。

そんな中、今回の「DJI Air 2S」はもっと手軽にエンドユーザーが楽しめるものとして登場。20MP（2000万画素）の1インチCMOSセンサーによって、「5.4K/30fps、4K/60fps、2.7K/60fps、1080p/120fps」の動画撮影が可能となりました。もちろん静止画もスペックアップ！ 高精細な描写を実現します。

ちなみにこの「1インチセンサー」、コンパクトデジカメで言うと高級機種の部類になります。つまりこのドローン、「高級コンデジが空を飛んでいる」と言えるんです（笑）

ということで今回はそんな「DJI Air 2S」のカメラ性能に注目し、「DJI Mini」「iPhone 12 Pro」「ソニー α7 III」との撮影比較を行ってみました。

以下にそれぞれの写真を比較しますので、まずは写りの違いをご覧ください。

いかがでしょうか？

色味の方向性に違いがあるものの、いずれもパッと見ではクリアな印象です。しかしながら空のグラデーションや地平線の建物など、ディテールを見ていくとやはり違いは現れます。

ここでは4枚の写真をそれぞれ拡大表示しました。

一眼カメラの「ソニー α7 III」はフルサイズセンサーのため最もクリアかつディテールを捉えているのがわかります。反対に「DJI Mini」は拡大すると全体的に画質が荒れている印象。「iPhone 12 Pro」は画質の荒れは少ないものの、滑らかな（塗り絵のような）画像処理が強く施されたイメージに。そんな中、「DJI Air 2S」は画質の荒れを抑えつつ自然な一枚になっているのがわかります。

もちろんドローンとiPhoneと一眼カメラには一長一短があり、一概に優劣をつけることはできませんが、「DJI Air 2S」は画質の良いドローンが欲しい方なら特にオススメできる一台と言えるでしょう。

もともと「Air」シリーズはライトユーザーが楽しめる機体でしたが、1インチセンサーを搭載した本モデルでは本格撮影まで行えるようになりました。また、カメラ性能以外にも障害物検知のセンサーが増えたり、伝送距離がアップしたりと格段の進化を遂げています。まさに「今が旬」のモデルゆえ、気になる方はぜひチェックを。

最後に余談をひとつ。テスト飛行時に結構な風が吹いていたのですが、それでも「DJI Air 2S」は安定した離陸・着陸ができました。一方、軽量の「DJI Mini」（199g）は風に流され、あわや田んぼに墜落する事態に……。

皆さま、ドローンを飛ばす際には十分ご注意くださいませ（笑）。