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2021.08.10

思い出すだけで心躍る! 素晴らしき異国のカフェとは?

海外に行くと必ずカフェに立ち寄るという筆者。気楽に好きなだけ時間を過ごせるし、人間観察の場としてもうってつけ。ランチやディナーも楽しめるとあってお気に入りの店は世界中に点在。なかでも特に思い出深いのは?

CREDIT :

文/岡崎宏司(自動車ジャーナリスト) イラスト/溝呂木 陽

岡崎宏司の「クルマ備忘録」連載 第165回 

カフェは楽しい! 

僕はカフェが大好き。家内も同じく。だから、日頃からカフェに通う回数は多い。海外に出ると、その傾向はさらに加速する。

前にも話したが、年齢を重ねるにつれ、「わが家の旅は怠惰」な方向に加速。かつては数カ国を巡ったり、クルマで数千キロを移動したり、、、が、わが家の旅のパターンだった。だが最近は、「ホテルから徒歩圏内」で時を過ごすことがほとんど。となれば、行く先にしてもホテルにしても自ずと絞られてくる。

そんな怠惰な旅に欠かせないのがカフェ。気楽に好きなだけ時間を過ごせるし、家内共々好きな人間観察の場としてもうってつけだ。かつては、レストランにはけっこうこだわった、、、が、最近は、ランチやディナーをカフェで簡単に済ませることも多くなった。そんなことで今回は、わが家の海外の旅でよく行くカフェの話をまとめてみたい。

どこの街のカフェから話を始めたらいいか、少し迷った。真面目に歴史を紐解いたりすればいろいろな話もでてくるだろう。でも、ここはシンプルにいきたい。となれば、パリから始めるのが、まぁ、妥当だろう。

ちなみに、典型的な「カフェの姿」といえば、、歩道にせり出してテーブルが置かれ、その奥の屋内にもテーブルやカウンター席がある、、、といった姿を思い浮かべるはず。基本的には、こうした気楽なカフェが好きだが、ちょっぴり贅沢が楽しめる類のカフェも好きなので、併せてピックアップする。それではカフェ巡りの旅をスタートしよう。
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パリのカフェと言えば、外せないのはサンジェルマン・デ・プレの「カフェ・レ・ドゥ・マゴ」。1885年創業というから、136年の歴史を刻んでいる。

僕が初めて行ったのは1964年。記憶の限りでは、57年前と現在の姿佇まいに大きな変化はない。客の装いは変わっていても、寛ぎ楽しんでいる姿は同じだ。もちろん、オープンエリアが好きだが、歴史の襞は、薄暗い店内の方がより強く実感できる。

同じサンジェルマン・デ・プレにある「カフェ・ド・フロール」も1887年創業の老舗。ここも1964年に行ったが、ドゥ・マゴと同様、当時と今の印象はほとんど変わらない。

歴史はごく浅いが、サンジェルマン・デ・プレでもう一つ外せないのは「ラルフス」。ラルフ・ローレンのカフェ・レストランだ。大通りから遮蔽された中庭のテラス席はほんとうにいい。ラルフ・ローレンの世界観が見事に再現されている。

老舗の2店は誰もが気楽に楽しめるが、ラルフスは客層がガラリと変わる。日常から離れた素敵な空間と時間を過ごす、、、そんな楽しみ方に相応しい。

ルーブル美術館に行ったら立ち寄りたいのが「ル・カフェ・マルリー」。短い時間だけならガラスのピラミッドを前にした明るい席がいい。ゆっくりランチを楽しもうというなら、壁側の落ち着いた席がオススメだ。

シャンゼリーゼ大通りにはいくつものカフェがある、、が、僕がよく行くのは「ラトリエ・ルノー」=ルノー・ショールームの2階にあるカフェ。ルノー・デザインのあれこれを見るのも楽しいし、ショールームを見下ろしながら過ごすひとときも楽しい。軽いメニューがあるので、僕はランチにもよく使う。
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次はウィーン。以前はホテル・インペリアルに泊まっていた。なので、当然ながら「カフェ・インペリアル」にはよく行った。カフェとはいっても、その雰囲気佇まいは「街角のカフェ」とはまるで違う。華やかで品位ある装いは、ある種「別格」だ。

いつもはそう混んでいないが、楽友協会がすぐそばなので、コンサートの前後はかなり混む。でも、音楽好きの人たちが集まる雰囲気はなかなかいい。ピアノの演奏も好きだ。リクエストにも気軽に応えてくれる。われわれを見て、さりげなく日本の曲を弾いてくれたりもする。

最近は怠惰になったせいで、メインストリート=ケルントナー通りにあるホテル・ザッハーが定宿。なので、当然のことながら「カフェ・ザッハー」に。そしてザッハー・トルテを注文する。家内とふたりでひとつだが、それでも十分すぎるほど甘くて濃厚だ。

もうひとつウィーンでよく行くのは、やはりケルントナー通りにあるスターバックス。地上階はエレベーター乗り場だけで、客席は地階にある。短い文では伝えきれないので省くが、このスタバの雰囲気は二重丸だ。

ここからはミラノに移動しよう。お気に入りはドゥオーモ広場に面した観光客用カフェ。広場を含めたドゥオーモの全景が見られる。そして、広場で時を過ごす多くの人達の笑顔と賑わいを見られるのが楽しい。美しくライトアップされた夜のドゥオーモを見るのもここが特等席だ。

「イル・フォワイエ」、、、スカラ座に併設されたカフェ・レストランも好き。静かで、ちょっと気位の高い雰囲気がいい。刺激的な赤を纏うフカフカのシートも寛げる。スカラ座にオペラを見にゆくときは、ここで腹ごしらえするのが決まりのパターン。僕は黄金色の焼きリゾットを注文する。

同じく、スカラ座直近にある「カフェ・トラサルディ」もよさそう。開店間もないのでまだ行っていないが必ず行きたい。ちなみに、同じビルの上階にある「レストラン・トラサルディ」はお気に入りリストに入っている。

ロンドンではハロッズのカフェによく行く。とくにサードフロアのカフェは、雰囲気もメニューも気軽でいい。ワッフル、クロワッサン、ケーキ、、、プレート類もシンプルなメニューが多い。ハロッズというと、カフェではないが、どうしてもオススメしたいところがある。食料品フロアの一角にある「オイスターバー」。値段は少々高いが、必ず満足するはずだ。
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唐突だが、ここからはアメリカに飛ぶ。

まずはLAだが、サンセット・プラザ(ウェストハリウッド)のカフェが大好き。オシャレなお客さんが多いし、ハリウッドでの成功を夢見るような女性がスタッフだったりする。サンセット大通りに面しているが、ここを通るクルマを見るのも楽しい。クルマ天国カリフォルニアの見本市よろしく、いろいろなクルマが前を通る。周りにオシャレなブティックが多いのも好きな理由のひとつだ。

「ラックス・ロデオドライブ・ホテル」の入り口にある、数席だけのカフェもいい。ロデオドライブを走り抜けるクルマを、散策する人たちを眺めながらのコーヒーは美味しい。

LAから少しドライブを楽しむだけで着くランチョ・パロスベルデス。太平洋を目の前にする絶好の場所にあるスターバックスも最高だ。「世界一眺めのいいスターバックス!」といった賛美の声もよく聞かれる。

LAからはいきなりネバダ州に飛ぶ。不夜城ラスベガスから30kmほど、人造湖を中心に開発された美しい高級別荘&リゾート地「レイクラスベガス」。その湖で出会った小さなカフェも忘れられない。カフェは文字通り水辺にあった。そしてその前、、、湖の中に小さな舞台があり、いわゆるスムースジャズ系のライブが行われていた。夕暮れから夜にかけて過ごしたこの時間を忘れることは絶対ない。

最近もっとも多く行くのはハワイだが、定宿は「モアナ・サーフライダー」。そのビーチを臨むガーデンテラス、「サーフライダー・カフェ」は、僕と家内にとってもっともリラックスできる場所だ。朝食はここでとり、夜はライブを楽しむ。

もうひとつ、、インターナショナルマーケット跡地に建つオープンエアのレストラン街「グランドラナイ」もいい。レストランだがカフェ代わりにも使える。海は見えないが、「満天の星空!」は素晴らしい。晴れた日のディナーにはオススメだ。

紹介したいところはまだまだある。でも、そろそろ筆を置かなければならない。カフェはわが家の旅には欠かせないアイテム、、、こんな原稿を書いていると、もう旅に出たくて、あちこちのカフェを思い出してムズムズしてくる。

● 岡崎宏司 / 自動車ジャーナリスト

1940年生まれ。本名は「ひろし」だが、ペンネームは「こうじ」と読む。青山学院大学を経て、日本大学芸術学部放送学科卒業。放送作家を志すも好きな自動車から離れられず自動車ジャーナリストに。メーカーの車両開発やデザイン等のアドバイザー、省庁の各種委員を歴任。自動車ジャーナリストの岡崎五朗氏は長男。

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