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2018.02.03

Mercedes-Benz CLS

メルセデス・ベンツの新型CLSは、現代の洒落者のためのクルマだった

メルセデス・ベンツの新型CLSはエレガンスを感じさせる4ドアクーペ。実用一辺倒でないこんなクルマをさらっと乗りこなせると技ありだ。

CREDIT :

文/小川フミオ 写真/Craig Cameron Olsen/Daimler

シングルルーバーグリルにシャープな三角形のヘッドランプが新型CLSの特徴だ
シングルルーバーグリルにシャープな三角形のヘッドランプが新型CLSの特徴だ

4ドアセダンの先鞭をつけたCLS

メルセデス・ベンツ「CLS」はひとことでいうと、洒落者のためのクルマだ。ドアは4枚あるうえにボディは小さくない。それなのに二人乗りが格好いい。

ぜいたくな内装も魅力だ。「Sクラス」に準じるような質の高い材質と、凝った造形感覚が、乗った人の気分を高揚させてくれる。

今、高級車の世界には“4ドアクーペ”というジャンルが存在する。その先鞭をつけたのが、2005年にデビューした初代CLSだった。
低いキャビンと弧を描いたルーフラインとCLSの特徴は側面にもっとも顕著にあらわれている
低いキャビンと弧を描いたルーフラインとCLSの特徴は側面にもっとも顕著にあらわれている
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いい意味での非日常感覚がセリングポイント

新型の発表場所として選ばれたのはビバリーヒルズなど超がつく高級住宅街を有するロサンゼルス。これもクルマのキャラクターを物語っている。

ショーで発表された時、デザイン部のトップをはじめ、メルセデス・ベンツ本社のお歴々もドイツからやってくるほどの肝煎りだった。
おそらく1920年代のフランク・ロイド・ライトの建物もよく似合うかんじだ
1920年代のフランク・ロイド・ライトの建物がよく似合う
ここで覚えておいてほしいのは、CLSは女性ウケのいいクルマだということだ。もちろんSクラスもEクラスも、とても出来のいいモデルだ。しかしセダンということで日常性がつきまとう。

それに対して、CLSはスポーティなクーペに通じる、いい意味での非日常感覚がセリングポイントだ。前席重視なので“二人の世界”が演出しやすいのも注目点である。
洒落たサンドベージュの革巻きステアリングがなんとも優雅
洒落たサンドベージュの革巻きステアリングがなんとも優雅
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今のところボディは1タイプのみ

新型CLSには出力の違う2925ccディーゼル搭載「350d 4AMTIC」(210kW)と、「400d 4AMTIC」(250kW)モデルが用意される。加えて4気筒モデルも予定されているという。
車内の照明の色はSクラスのように64色も用意されている
車内の照明の色はSクラスのように64色も用意されている
もうひとつは2999ccの直列6気筒ガソリンエンジン搭載「450 4MATIC」(270kW)。全てのモデルがフルタイム4WDシステム搭載である。

ボディタイプは、従来の2代目CLSにはシューティグブレイクなるステーションワゴンモデルが設定されているが、今のところ新型のボディは1タイプ。
美しいデザインのシートも魅力的だ
美しいデザインのシートも魅力的だ
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人間の身体の美しさに近づけた?!

「スタイリングを決定するにあたって意識したのは弧を描くようなプロファイル(側面のシルエット)です」

そう語ってくれたのは、発表会でインタビューしたメルセデス・ベンツでチーフデザインオフィサーなる肩書きを持つデザイン部門ナンバーワンのゴーデン・ワゲナー氏だ。
シンプルだが力強さを感じさせるのが新型CLSのスタイリングだ
シンプルだが力強さを感じさせるのが新型CLSのスタイリングだ
「新型CLSにはキャラクターラインが一本も入っていません。光と陰とでボディの特徴を出しています。私はこれで人間の身体の美しさに近づけたと思っています」
ヘッドランプの形状や太いBピラーなど特徴が多いスタイリング
ヘッドランプの形状や太いBピラーなど特徴が多いスタイリング
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新型CLSが世の女性にウケそうな理由

メルセデス・ベンツについて何か語ることがあるときのために覚えておくといいのが「センシュアル・ピュリティ」。メルセデス・デザインのキーワードだ。

これにはいろいろな訳語が考えられるが、強いていえばまさにゴーデン氏の言葉にあったように「身体の美しさ」と同様の意味ではないだろうか。

美しいヌードは同性でも好き、という女性は少なくない。そこも新型CLSが世の女性にウケそうな理由のひとつだ。
LEDを使ったヘッドランプがシャープな印象を作っている
LEDを使ったヘッドランプがシャープな印象を作っている

IWCとのコラボレーションによる限定モデルが存在した初代

そういえば初代CLSは当時Sクラスのモデルチェンジが遅れていたタイミングで登場した。そこでクルマのタイプはだいぶ違うが、Sクラスオーナーのなかに、こちらに移行した人も少なくなかったという記憶がある。

当時メルセデス・ベンツはCLSを高級ライフスタイルと結びつけようとしていた。IWCとのコラボレーションによる限定モデルを販売したことなどはその一例だろうか。それはCLS55 AMG「インヂュニア」と呼ばれ、特別な内外装を与えられ、日本ではわずか15台が発売された。

高級腕時計とクルマとのコラボレーションそのものはレアケースではないながら、とりわけスポーティな組み合わせだったので印象に残っている。
欧州では2018年3月に発売されるCLSには1年間の限定となる「エディション1」が設定される
欧州では2018年3月に発売されるCLSには1年間の限定となる「エディション1」が設定される
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東京にもロサンゼルスにも似合う

まだ発売前のクルマをロサンゼルスの街中に持ち出したのだから、かなり目立った。米国の名建築家フランク・ロイド・ライトの手がけた建物などCLSでの“史跡めぐり”を楽しむ過程で、ほかのクルマから注目を浴びていた。

東京のような凝縮感のある都会も似合うが、いっぽうでロサンゼルスのように空気感のある広い街もまた、CLSを魅力的に見せてくれる。

いい意味で扇情的(センシュアル)なこのクルマ。春には本格的に試乗もできそうなので、またリポートしたい。
●小川フミオ

ライフスタイルジャーナリスト。慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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