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2017.05.26

匠の結晶レクサスLCを駆り、京都へ

話題のレクサスLCは愛知にある特別な工場で組み立てられている。その職人技に実際に触れ、匠の仕立てたLCで京都へと向かった。

仕立てのいいクルマをつくる、トヨタの特別な工房

クラフツマンシップが嫌いなひと、いますか? 熟練した職人ワザは、現代のモノ好きにとって不可欠の要素。レクサスLCもそんなクラフツマンのストーリーを秘めているのだ。
日本を含めて各地の“いいもの”には作り手のしっかりした信念が欠かせない。LCも同様。ちゃんとあります。TAKUMIと呼ばれる熟練工が腕によりをかけて作っている。
「仕立てのいいクルマを作りたいと思っています」。LCを組み立る愛知県・豊田市の元町工場の責任者はそう語るのである。

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元町工場がそもそも特別だ。レクサスならまんまレーシングカーのLFA、トヨタならしびれるぐらい楽しかった86GRMN。クオリティの高いモデルを少量生産してきたことで知られる。
クルマの目利きが満足するクルマを送り出す工場だけに、LCもかなり凝っている。作るのは特別に訓練を受けたひとのみ。
TAKUMIという常人の域を超えた感覚を有するスーパー熟練工もいる。このひとたちがさらに、経験とセンスを武器に要所要所でクルマづくりをビシッと締める。
見学という貴重な機会をもらって訪れた元町工場。とりわけ印象的だったのは、天井も床も真っ白に塗られた室内。美しい……という言葉が思わず。
工場内には、ただし緊張感がみなぎっている。時々「よおし!」と大きな声。なにかと驚くと、一つの作業工程が終了するごとに現場で上げる声なのだそうだ。満足げな響きに満ちている。
なにしろ(といえばいいのか)ここでの作業では、まかされる仕事数が通常と較べてはんぱなく多い。

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「従来の20倍」と工場の責任者は説明してくれた。それに耐える優秀なひとがLCを組み立てているのだ。
もちろん純粋な手作りではない。コンピューター、機械、ロボットの最先端技術を使い、それにクラフツマンシップが組み合わされている。
「今後の同種の工場のモデルケース」(レクサス関係者)とか。
ここからLCのドライブが始まった。5リッターV8エンジン搭載のLC500と、3.5リッターV6に電気モーターのハイブリッドモデル、LC500hに乗った。
コースは豊田から京都まで。さきにLC500hで伊勢湾岸自動車道を走り、新名神高速道路に入ってからLC500に乗り換えた。

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京都へのドライブでLCの上質さを体感する

ひとことでLCの印象を語るとすれば、ナチュラルないいクルマとなる。あえて他と違っていようとせず、パワフルな後輪駆動のGTの完成形というところがなにより好ましい。
本来は無段変速なのだがあえてドライブの楽しさのために有段にしたハイブリッドのLC500hも悪くない。電気モーターの大トルクによる加速には快感すらおぼえる。

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いっぽうガソリンエンジンのLC500はターボなしの、いわゆる自然吸気のいいところをしっかり備えている。
力は低回転域からたっぷりある。それでいて最大トルク(540Nmと強大)が4800rpmと比較的高いところで発生する設定だ。
10段もあるオートマチック変速機は、通常2000rpmの少し上あたりをキープ。なるべく低めの回転域を使う現代のトレンドからすると、やや高めだ。
そこからアクセルペダルを踏むと、瞬時にギアボックスが反応する。踏み込み量に応じてギアを何段落とすか的確に判断するのだ。
スポーツモードでは高速だとだいたい7速での巡航。そこからエンジンを回して楽しもうというときはマニュアルモードで、パドルシフトを操作する。
ギアは高めでもしっかり力があるのには驚くばかりだ。さきに触れたように2000rpmも回っていれば加速の反応はばつぐん。
4000rpmから上を味わってみようというときは3速まで落とす必要がある。このときエンジントルクがどんどん積み上がっていくかんじは、クルマ好きなら脳天がしびれる。
エグゾーストサウンドは中音域を意識した上品なものだ。それでも回転が上がっていき5000rpmを超えるあたりでは高音成分が多くなりスポーツカー的な快音になる。
ハンドリングはすなおだ。中立ふきんでやや神経質なかんじがあったが、切り込んだときの動きは素早く、かつ姿勢は安定している。
LCは基本はGTだ。なのでスポーツカーが見せるカミソリのようなキレはないかもしれない。それでも運転好きが退屈することはなさそう。
高速走行時の安定性の高さも特筆ものだ。試乗のときはかなり強い横風が吹いていたが、クルマが挙動を乱すことは皆無。安心して走れるのにはつよく感心させられた。
「ちょっと200キロぐらい走ってうまいウナギを食べにいこうか」。そんなことをポロッと言ってしまっても大丈夫。LCならば苦もなくやってのけられる。
室内の居心地はよい。アルカンタラという合成皮革(スウェード調子)をからだが触れるところに張ったシートは座り心地がいいうえ、からだが動くこともない。
リアにシートがあるのも荷物を積めて便利だ。エレガントでスポーティといったとき、それはたんに見た目のことだけでない。そんなライフスタイルを満足させる使い方が出来るのだ。

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京都の市中ではとにかく目立った。「いいですねえ、これがあれですか」。あの京都人がにこにこしながら話しかけてくるのである。
いいクルマは心理的な垣根を崩してくれるよい見本だと思った。3眼のLEDを使ったヘッドランプや平面ガラスのリアコンビネーションランプなど細部な斬新だ。
逆カンチレバーとデザイン業界では呼ぶ独特の形状のキャノピーなども、他に類のない凝ったディテールだ。
それでいて基本的なプロポーションはいい意味で古典的。ひとが無意識的に美しいと思うツボをしっかり抑えているといえる。
美女の条件としてメイクやドレスも大事かもしれないけれど、なにより骨格がよくないと。そんなことをふと思ってしまった。
4リッターV8のLC500は1300万円。3.5リッターV6に電気モーターのLC500hは1350万円。ライバルとしてBMW640i(1076万円〜)とかメルセデス・ベンツSL400(1265万円〜)などが思いつく。
世界で戦う日本のラグジュアリークーペ、レクサスLCの健闘が楽しみではないか。

取材・文/小川フミオ

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