2015.11.09
クルマヒエラルキー大変革時代到来か!? Vol.1
重厚さよりも軽快さを。パワーよりもスピード感を。そんな具合に、いま物事の価値の優劣は大きな変化を遂げているように思う。で、それはクルマにも同じことが言える。スペックの高さや絢爛な装飾性が必ずしもヒエラルキーの頂点にあるとは限らなくなってきた。
熾烈なパワー競争はついに終わりを迎えた
そんな具合に、クルマには確固たるヒエラルキーが存在する。もちろん価格の高いほうが高性能で高級なのは今も昔も変わらない。けれど、その価格差が直結してヒエラルキーの高さを表すか、本当にイバリが利くか、と言えばどうもここ最近は変わってきているようだ。
けれど、燃費が良くて地球にも優しいことを表す低排出ガスステッカーと、クリーンディーゼルエンジンを主張する「BLUETEC」のエンブレムを付けているほうがどこかお洒落でインテリジェンスではあるまいか。
それは中古車市場も顕著に物語っていて、編集部調べによるとG63 AMGの3年後の買取率は約55%。対してG350ブルーテックは70%に達するそう。G350は価値の目減りが特に少ない、まさに買って損のないクルマの大代表と言えるのだ。
きっとそこには空冷エンジンに対するリスペクトがあり、90年代には考えられなかったポルシェ独特の世界がそこには広がっているのだ。パソコンや携帯電話といったデジタルガジェットではあり得ない機械製品ならではのヒエラルキーと言えるかもしれない。
見た目クラシックでも中身は最新
MERCEDES-BENZ [メルセデス・ベンツ]
Mercedes-Benz G 350 Bluetec [メルセデス・ベンツ G 350 ブルーテック]
正規輸入ならではの右ハンドル設定:このG 350 ブルーテックの導入を機に右ハンドルを設定したのでそれが正規品の証にもなる。駐車場などではやっぱり右が圧倒的にラク。
いまどきにない無骨さがやっぱり格好いい:空力を度外視したカタくてデカいデザインはやっぱり唯一無二。乗っているだけで頼もしい男を演出できるってわけだ。
英国車=スポーツが定着しはじめた
JAGUAR [ジャガー]
Jaguar XE Diesel [ジャガー XE ディーゼル]
文/田中 康友(本誌)
2015年10月号より抜粋